KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

暗記のコツ=五感を使う

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今年の夏は猛暑で、台風や大雨、地震もあり、大変でした。ようやく秋となり、落ち着きを取り戻しつつあるでしょうか。読書の秋、芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋と、秋にはいろいろな楽しみがありますね。

学生の皆さんには学問の秋。特に受験生の皆さんにはAO入試や推薦入試など、もう受験シーズン突入ですね。

本稿では、私が体験からつかんだ「暗記のコツ」をご紹介したく思います。

ズバリ 暗記のコツ は「五感を使う」ことです。

(1) 「」で教科書を追っているだけでは、頭に入らず、眠くなってくるかも。


(2) 「」で教科書を音読しましょう。


(3) スマホなどに録音して「」で何度も聞けば、覚えます。YouTubeなど動画で暗記できるものもあります。


(4) 「」でノートに書くのも暗記に良いです。パソコンやスマホタブレットのキーボードより、鉛筆ペンの方が「感触」の記憶が残るのです。

(5) 残るは「味覚」と「嗅覚」ですが、眠くなりそうな時はコーヒーガムなどで口と鼻を刺激すると良いです。「ああ、そういえばあれを勉強した時は夜食にラーメンを食べたっけ」という具合に、「味」や「におい」と結びついて、学習したものが記憶に残ることがあります。

★言葉の「記憶」は、何かと結びつけて「関係」を作ることによって、強化されます。

★最高の暗記法は、学んだことを誰かに教えることです。

◇目や頭が疲れたら、アイスノン保冷剤で目と額を冷やしましょう。

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◇ずっと座っていると、血流が悪くなりますので、歩いたり、青竹踏みをしたり、背中のマッサージをしたりして、血が頭に上ってくるようにしましょう。
青竹踏みはプラスチック製イボイボ付きが、軽くて痛くてオススメです。100円ショップでも売っています。

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マッサージチェアは高価なものが多いのですが、肩と背中と腰だけなら、安くて高機能のものがあります。バイブレーターのものではなく、もみ玉のものがオススメです。


◇正午から午後2時までの間に15〜20分間の昼寝をすると、午後も脳がよく働きます。

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同性愛行為は罪か?(2)

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「同性愛行為は罪か?」という問題について、ここでは新約聖書の「コリント人への第一の手紙」6章 9-10節 のテクストから考察してみようと思います。

 

■新改訳2017

あなたがたは知らないのですか。正しくない者は神の国を相続できません。思い違いをしてはいけません。淫らな行いをする者、偶像を拝む者、姦淫をする者、男娼となる者男色をする者、盗む者、貪欲な者、酒におぼれる者、そしる者、奪い取る者はみな、神の国を相続することができません。(第一コリント6:9-10)

 

1 Corinthians 6:9 Interlinear: have ye not known that the unrighteous the reign of God shall not inherit? be not led astray; neither whoremongers, nor idolaters, nor adulterers, nor effeminate, nor sodomites,

 

問題となるのは ーー「男娼となる者」「男色をする者」がどのような人たちであったのか。このパウロの警告が、現代に生きる我々において、どのように適用されるのかーーということです。

 

「コリント人への第一の手紙」は使徒パウロが第3回宣教旅行の途中、紀元後55年の初め頃にエペソで執筆したものと考えられます(使徒19章、第一コリント16章)。

 

パウロは第2回宣教旅行の途中、50年の秋から52年の春までコリントに滞在して、宣教活動を行い、教会を形成しました。その教会に分裂が起こっており、また、信徒たちの行いが乱れていたことを知らされて、パウロはこの手紙を書き送ったのです。

コリントス - Wikipedia

 

この書簡では πορνεία(porneia)「(あらゆる種類の不法な性交渉による)不品行」という語が5回(5:1, 5:1, 6:13, 6:18, 7:2)、πόρνος(pornos)「(性的に)不品行な者」という語が4回(5:9, 5:10, 5:11, 6:9)、πόρνη(porné)「売春婦」という語が2回(6:15, 6:16)πορνεύω(porneúō)「(性的な)不品行を行う」という語が3回(6:18, 10:8, 10:8)繰り返して出てきます。それはコリントの信徒たちに顕著な罪でした。

 

旧コリント市にあった女神アプロディーテーの神殿には神殿娼婦が1000人以上もいました。国際港湾都市として栄えた「コリント」は「淫蕩」の代名詞となっていました。

アプロディーテー - Wikipedia

ギリシャへの扉: アクロコリント アクロコリントス

 

このような文脈において第一コリント6:9-10の悪徳表が存在します。

 

パウロは「性的な不品行(淫らな行い)」と「偶像崇拝」を同一視しています(6:9, 6:18)。すなわち「性的な不品行」を社会的な倫理の問題としてよりも、霊的な問題として扱っているのです。

 

15 あなたがたは自分のからだがキリストの肢体であることを、知らないのか。それだのに、キリストの肢体を取って遊女の肢体としてよいのか。断じていけない。

16 それとも、遊女につく者はそれと一つのからだになることを、知らないのか。「ふたりの者は一体となるべきである」とあるからである。

17 しかし主につく者は、主と一つの霊になるのである。
18 不品行を避けなさい。人の犯すすべての罪は、からだの外にある。しかし不品行をする者は、自分のからだに対して罪を犯すのである。

(第一コリント6:15-18)

 

第一コリント6:9の μαλακός(malakos)「男娼の者」とἀρσενοκοίτης(arsenokoites)「男色をする者」は、このような文脈で出てくる語であることに注意する必要があります。

 

■「男娼の者」μαλακός(malakos)(6:9)

この単語は形容詞であり、「柔らかい、柔和な、柔弱な、女々しい」という意味ですが、第一コリント6:9においては「同性愛の受け身となる唾棄すべき柔弱な奴」という意味であり(『ギリシア新約聖書釈義事典』参照)、「異常な猥褻行為のために自分の体を提供する少年や男子」を指しています(Thayer's Greek Lexicon 参照)。

 

■「男色をする者」ἀρσενοκοίτης(arsenokoites)(6:9)

この単語は「少年または男性と淫らな行為をする者」という意味です(『ギリシア新約聖書釈義事典』参照)。ἀρσην(arsen)は「男性の、雄の」という意味であり、κοίτη(koite)には「寝床、同衾、性交、肉欲、精液」といった意味があります(岩隈直著『新約ギリシャ語辞典』参照)。

 

「男娼の者」と「男色をする者」は、男性の同性愛行為をされる側する側を示していると考えられます(レオン・モリス参照)。

 

和訳の聖書は皆 μαλακός(malakos)(6:9)を「男娼」と訳し、ἀρσενοκοίτης(arsenokoites)(6:9)を「男色をする者」と訳しています。
大辞林』によれば、「男娼」の意味は「男色を売るもの。陰間(かげま)」とされ、「男色」の意味は「① 男の同性愛。鶏姦。衆道(しゆどう)。だんしょく。② 男色を売る若衆。かげま」とされます。


しかし、英訳の聖書ではいろいろな訳語が見られます。

◇ King James Bible
nor effeminate, nor abusers of themselves with mankind,

◇ American Standard Version
nor effeminate, nor abusers of themselves with mankind

◇ New American Standard Bible
nor effeminate, nor homosexuals,

◇ New International Version
nor men who have sex with men

◇ English Standard Version
nor men who practice homosexuals

◇ Christian Standard Bible
or males who have sex with males,

◇ Good News Translation
or homosexual perverts

◇ Contemporary English Version
or is a pervert or behaves like a homosexual

◇ Holman Christian Standard Bible
or anyone practicing homosexuality,

◇ NET Bible
passive homosexual partners, practicing homosexuals,

◇ New Living Translation
or are male prostitutes, or practice homosexuality,

◇ International Standard Version
male prostitutes, homosexuals,

◇ World English Bible
nor male prostitutes, nor homosexuals,

 

King James Bible 等で使用されている「effeminate」は「〈男・男の態度が〉男らしくない,めめしい、柔弱な」(研究社 新英和中辞)という意味ですから、μαλακός(malakos)の訳語として適切です。

さらに、NET(New English Translation) Bible は第一コリント6:9のコンテクストを考慮して、明確に「同性愛行為の受け身となる人たち」と「同性愛行為の実行者たち」を示しています。

NET(New English Translation) Bible
passive homosexual partners, practicing homosexuals,

ゲイの人たちは前者を「ネコ」「ウケ」、後者を「タチ」「セメ」と言うらしいです。ただし、男性の同性愛行為は肛門性交とは限らず、股間を使用する場合が少なくないようです。

和訳の聖書は皆 μαλακός(malakos)(6:9)を「男娼」と訳しており、英訳聖書でも NLT, ISV, WEB が male prostitutes (男娼)と訳しています。

紀元後1世紀中葉のコリントではアポロン神殿に職業的な男娼がいました。

コリントス アポロン神殿

しかし、パウロがこの書簡で警告している対象はコリント教会の信徒たちです。この悪徳表に挙げられている他の罪はいずれも、職業的に定義付けられたものではありません。よって、このμαλακός(malakos)は職業的男娼に限らず、もっと広く男性の同性愛行為者を指している、と考えられます。

第一コリント6:9の「男娼となる者、男色をする者」と和訳されてきた部分は、「受け身の男性同性愛行為者、攻め手の男性同性愛行為者」と訳す方が正確でしょう。

 

この第一コリント6:9-10のテクストを見ても、やはり同性愛行為が「罪」であることは否定できないと思います。ただし、聖書が教える「罪」にはいくつかの意味があります。根本的には「罪」とは、神が造られた創造の秩序から人間が外れている状態です。次に「罪」とは、神の意志に背こうとする人間の性質です。第三に「罪」とは、神の意志に反して人間が行う悪しき言動です。

性同一性障害の方々にこれを適用することは、適切ではないでしょう。また、自らの意志に反して同性愛行為の被害にあった場合は、その当人が罪意識を感じたり、自分を責めたりする必要はありません。

 

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同性愛行為は罪か?(1)

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「同性愛行為は罪か?」という問題について、新約聖書「ローマ人への手紙」1章26-27節のテクストから考察してみようと思います。ここでいう「罪」とは「神の律法に違反すること」であり、宗教的な意味です(ローマ5:13、第一ヨハネ3:4)。

 

ローマ人への手紙は、紀元後57年頃に、使徒パウロがコリントで執筆し、帝都ローマの信徒たちに送った書簡であると考えられます。

 

30年にエルサレムキリスト教会が誕生してから程なく、帝都ローマにもイエスの弟子集団が生まれました。それはディアスポラユダヤ人が中心となった教会でした。

 

この教会は49年以降、激変しました。この年に開かれたエルサレム会議によって割礼と律法の束縛が解かれ、異邦人が次々とキリスト教に入信するようになりました。そして、この年に皇帝クラウディウスが発令したユダヤ人追放令によって、ユダヤ人のキリスト者が帝都ローマから追放されました。

 

皇帝クラウディウスが54年に死んだため、この追放令は撤回され、ユダヤ人のキリスト者は帝都ローマに戻りましたが、ローマの教会はそれ以降も異邦人キリスト者が中心となっていたのです。ユダヤキリスト者にはまだ、割礼と律法の問題がくすぶっていました。

 

パウロは、このローマの教会が今後、キリスト教会全体の最も重要な拠点の一つになる、と予測していました。そして、パウロはこれからエルサレムに行くけれども、その後にローマの教会を訪れ、その教会の信徒たちの支援を受けて、スペインに宣教に行く計画を立てていました。この手紙はその計画を伝えるという目的も帯びていたのです。

 

このような事情があったので、世界の都ローマの教会の信徒たちにパウロは、神が啓示しておられる人類救済の計画について、詳らかに書き送っています。

 

ローマ人への手紙1章から11章までは、教会史において教理の形成に最も大きな影響を与えたテクストです。それは、このテクストが、以下のような神による人類救済計画の全体像を示しており、普遍的な真理を説いているからです。

(1) 天地と人類の創造
(2) 人類の堕落
(3) 神の律法と裁き
(4) イエス・キリストによる人類の罪の贖い
(5) 信仰による義認
(6) キリスト者の聖化
(7) キリスト者の復活と全被造物の贖い
(8) 全世界への福音宣教
(9) 選民イスラエルの復興

 

「聖書には同性愛行為を禁じる戒めがあるけれども、聖書の時代の人々と現代の我々では生きているコンテクストが違うのだから、そのような戒めを我々に適用するのはおかしい」という意見をしばしば見聞きします。

下世話なQ&A「キリスト教と同性愛:1」

しかし、ローマ1:18-32でパウロが述べている「彼ら」とは「異邦人」、すなわちユダヤ人以外のすべての人を指しています。このテクストは、「神のさばき」(2:16)が行われるこの世の終末までに存在するすべての異邦人に、適用されます。

では、問題のテクストを見ていきましょう。 

■新改訳2017

こういうわけで、神は彼らを恥ずべき情欲に引き渡されました。すなわち、彼らのうちの女たちは自然な関係を自然に反するものに替え、同じように、男たちも、女との自然な関係を捨てて、男同士で情欲に燃えました。男が男と恥ずべきことを行い、その誤りに対する当然の報いをその身に受けています。
(ローマ1:26-27)

Romans 1:26 Interlinear: Because of this did God give them up to dishonourable affections, for even their females did change the natural use into that against nature;

 

新改訳で「関係」と訳されている原語は χρῆσις(chrésis)ですが、Thayer's Greek Lexiconでは次のように説明がなされています。

use: of the sexual use of a woman, Romans 1:26

 

ギリシア新約聖書釈義事典によると、χρῆσις は具体的には〈性関係〉のことであり、このような用法はプラトンプルタルコスなどの著作にも見られるものです。岩波訳ではこれは「[性的]交わり」と訳されています。

 

■岩波訳

このことのゆえに、神は彼らを恥ずべき情欲へと引き渡された。実際、彼らのうちの女性たちは、自然な〔性的〕交わりを自然に反するものに変え、同様に男性たちも、女性との自然な〔性的〕交わりを捨てて、互いに対する渇望を燃やしたのである。〔そして〕男性たちは彼ら同士で見苦しいことを行ない、彼らの迷いのしかるべき報いを、己れのうちに受けたのである。

(ローマ1:26-27)

 

英訳ではHCSBがこの解釈を反映しています。

■Holman Christian Standard Bible

26 This is why God delivered them over to degrading passions. For even their females exchanged natural sexual relations for unnatural ones. 27 The males in the same way also left natural relations with females and were inflamed in their lust for one another. Males committed shameless acts with males and received in their own persons the appropriate penalty of their error.

 

このテクストは「男性と女性」との性行為を「自然な〔性的〕交わり」としており、「女性と女性」また「男性と男性」の性行為を断罪していると考えられます。

 

ἐξεκαύθησαν ἐν τῇ ὀρέξει αὐτῶν
exekauthēsan en tē orexei autōn
燃え立たせた  で  情欲 彼らの

ἐξεκαύθησαν(exekauthēsan)の原形は ἐκκαίω(ekkaiō)ですが、その意味は「火をつける、燃やす、燃え上がる(受)」です。ὀρέξει(orexei)の原形は ὄρεξις(orexis)ですが、その意味は「情欲、強い欲求」です。

 

ローマ1:18以下のテクストは、人類の始祖が神に背いて「堕落」した時以来、普遍的に人類社会に蔓延している「」の状態を表しています。文脈から考えますと、パウロはこのテクストにおいて、性的な倒錯や混乱を「堕落」の顕著な特徴としている、と言えます。

 

ただし、ローマ1〜3章で断罪されているのは同性愛行為者だけではありません。

義人はいない。ひとりもいない。
(3:10)
すべての口がふさがれて、全世界が神のさばきに服するためです。
(3:19)

 

人間はみな神の前では「罪人」です。人間はみな壊れているのです。

 

ローマ1:18-3:20のテクストは 3:21以下に展開される義認論の前提を成しているものであり、すべての人を断罪してキリスト信仰に向かわせる「養育係」(ガラテヤ3:24)の役割を果たしています。

 

同性愛行為者だけが罪人というわけではありません。しかし、罪のリストの最初の方に挙げられているのは、これが人類社会に普遍的に見られる典型的な創造秩序からの逸脱であるからでしょう。
  

キリスト教と同性愛 - Wikipedia

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