カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

パウロ

律法と福音 ー ルター神学の根本原理 ー

序論 二つの原理=律法と福音 和協信条・根本宣言・第5条 このように二つの教えが並んでいるのであって、両者はまた並行して、しかも一定の秩序のうちに、正しい区別をもって、与えられなければならない。 すべての人が経験する人生の根本問題は「罪」と「…

女性のリーダーシップとネットワーク

日本イエス・キリスト教団 兵庫教区婦人部総会 第一部 礼拝説教 2017年4月18日 「女性のリーダーシップとネットワーク」金井 望(婦人部長、神戸大石教会牧師) ■聖書朗読 ローマ人への手紙16章1-4節(口語訳) 1 ケンクレヤにある教会の執事、わたしたちの…

御言葉は地の果てまで(ローマ10:16-21)

【聖書朗読】ローマ人への手紙10章16~21節 【説 教】「御言葉は地の果てまで」金井望牧師【今週の聖句】 その声は全地に響き渡り、 そのことばは地の果てまで届いた。 わたしは、わたしを求めない者に見いだされ、 わたしをたずねない者に自分を現した。 (…

牧師とは何か

序 牧師職の諸問題プロテスタントでは教会の指導者を「牧師」と呼ぶのが一般的です(他に司祭、監督、長老、その他諸々の呼称があります)。しかし、同じく牧師と呼んでいても、そのあり方は、それぞれの教派、教団、グループ、教会によってずいぶん多様です…

N.T.ライト著『新約聖書と神の民』の邦訳が出た!

現代の代表的な聖書学者のひとりであるN.T.ライトの主著『新約聖書と神の民』(The New Testament and The People of God)の邦訳(上巻)が、この12月に出版されました。新約聖書と神の民 上巻: キリスト教の起源と神の問題 1作者: N.T.ライト,Nicholas Tho…

パウロと第二神殿期ユダヤ教

最近、New Perspective(s) on Paul(NPP)について日本福音主義神学会やクリスチャン新聞などで解説や批評が為され、N.T.ライトの著書が和訳されて発行されたこともあって、関心を持たれる方々が広がっているようです。kanai.hatenablog.jphttp://kanai.hate…

ファリサイ派とキリスト教

1 ファリサイ派とは キリスト教の源流には、古代ユダヤ教の三つあるいは四つの流れがある、と筆者は考えています。その第一はファリサイ派です。 ファリサイ派の源流は、セレウコス朝シリアの悪名高き王、アンティオコス4世エピファネスのヘレニズ厶政策に…

「復活の希望」テサロニケ第一 4:13~18

【金言】それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いつまでも主とともにいることになります。(テサロ…

「聖霊のバプテスマ」について

1.キリスト教用語としての「聖霊のバプテスマ」19世紀から20世紀にかけて、欧米のリバイバル運動やホーリネス運動、ペンテコステ運動で「聖霊のバプテスマ」という表現がよく用いられ、その体験が重視されました。日本のきよめ派(ホーリネス派)や聖霊派…

最初期キリスト教は、なぜローマ帝国に広まったのか

1.ディアスポラ・ユダヤ人の拡散 紀元30年の春に、エルサレムで「イエス」というひとりの男が、ローマの総督ピラトのもとで、十字架刑に処された。しかし、イエスは三日目に復活して、彼の信奉者たちにその姿を現した。彼を「キリスト」と信じる者たちは、…

預言・聖書・教会・神学

1.どうしたら、神のみ心を知ることができるか私たちキリスト者は、神のみ心にかなった、正しい選択をしたい、あるいは、しなければならない、と思っています。では、何によって、どのようにしたら、神のみ心=ご意志を知ることができるのでしょうか。これ…

「キリストの律法」ガラテヤ人への手紙6章1~18節

【金言】互いの重荷を負い合い、そのようにしてキリストの律法を全うしなさい。(ガラテヤ6:2) ガラテヤ書の講解説教を続けてきたが、今回が最終回である。まず、これまでの話を簡単に振り返ってから、今日のテキスト、第6章を見たい。 1.律法への隷属…

「現代のパウロ解釈を考える」(福音主義神学会 西部部会 秋季研究会議 の感想)

先日、2012年11月19日(月)に、日本福音主義神学会 西部部会 秋季研究会議が、神戸神学館で行われました。 今回のメインテーマは「現代のパウロ解釈を考える」というもので、New Perspective on Paul (以下、NPPと略す)を積極的に評価する見地から鎌野直…

「御霊による歩み」ガラテヤ人への手紙5章16~26節

【金言】御霊によって 歩みなさい。 そうすれば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません。(ガラテヤ5:16) 1.肉と御霊 ユダヤから来た<割礼派>の律法主義が、ガラテヤの教会の信仰を蝕んでいた。そこでパウロは、この手紙によって「信仰…

「律法から自由な愛へ」ガラテヤ人への手紙5章1~15節

【金言】兄弟たち。あなたがたは、自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕えなさい。(ガラテヤ5:13) 1.割礼は要らない キリストの贖いによって、異邦人も罪が赦され、神に義と認められ、神…

「キリスト者の自由」ガラテヤ人への手紙4:21~5:1

【金言】キリストは、自由を得させるために、私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは、しっかり立って、またと奴隷のくびきを負わせられないようにしなさい。(ガラテヤ5:1) パウロはガラテヤの信徒たちに、神の子とされている恵みを自…

「神の子とされたから」ガラテヤ人への手紙4章1~20節

【金言】あなたがたは子であるゆえに、神は「アバ、父」と呼ぶ、御子の御霊を、私たちの心に遣わしてくださいました。(ガラテヤ4:6) 1.神の子とされたから ユダヤから来た律法主義者たちに惑わされて、ガラテヤの信徒たちは律法の奴隷に逆行しつつあっ…

「約束による相続人」ガラテヤ人への手紙3章15~29節

【金言】もしあなたがたがキリストのものであれば、それによって アブラハムの子孫であり、約束による相続人なのです。(ガラテヤ3:29) 1.約束の有効性 パウロはこれまで、律法の行いではなく、キリストに対する信仰によって人は義と認められる、と説い…

キリスト者の聖潔について(マルティン・ルターの著作より)

わたしたちの主であり師であるイエス・キリストが、「悔い改めよ……」[マタイ4・17]と言われたとき、彼は信ずる者の全生涯が悔い改めであることを欲したもうたのである。(ルター『贖宥の効力を明らかにするための討論』提題一、) この悔い改めは、キリ…

「信仰義認」 ガラテヤ人への手紙2章1~21節

【金言】人は律法の行いによっては義と認められず、ただキリスト・イエスを信じる信仰によって義と認められる、ということを知ったからこそ、私たちもキリスト・イエスを信じたのです。(ガラテヤ2:16) 1.無割礼の人々に与えられた福音 パウロは回心後3…

「キリストの福音にとどまれ」 ガラテヤ人への手紙1章1~24節

【金言】 私が宣べ伝えた福音は、人間によるものではありません。 ただイエス・キリストの啓示によって受けたのです。 (ガラテヤ1:11、12) 今日からしばらく 「ガラテヤ人への手紙」を共に学んでいきたい。この手紙については諸説あるが、49年頃にパウロ…

「ローマにて」使徒の働き28章16~31節

【金言】こうしてパウロは満2年の間、自費で借りた家に住み、たずねて来る人たちをみな迎えて、大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた。(使徒の働き28:30~31) 1.聖書による証し パウロがローマに着い…

「いやしの恵み」 使徒の働き28章1~10節

【金言】信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。(マルコ16:17~18) 1.人の助け …

「元気を出しなさい」使徒の働き27章9~26節

【金言】元気を出しなさい。恐れてはいけません。神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです。(使徒27:22、24抜粋) パウロは、いよいよカイザリヤを出航して、ローマに行くこととなった。59年の春か夏である。ローマ皇帝直属部隊の…

「主の任命と派遣」使徒の働き26章9~23節

【金言】それは 彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって 御国を受け継がせるためである。 (使徒26:18) 1.パウロの忍耐 パウロは、…

「イエスとの出会い」使徒の働き22章1~21節

【金言】あなたはその方のために、すべての人に対して、あなたの見たこと、聞いたことの証人とされるのですから。(使徒22:15) パウロはついにエルサレムに入城した。案の定、彼は神殿で群衆に襲われ、ローマの千人隊長に捕らえられた。パウロは千人隊長に…

「死を覚悟して」使徒の働き21章1~16節

【金言】私は、主イエスの御名のためなら、エルサレムで縛られることばかりでなく、死ぬことさえも覚悟しています。(使徒21:13) 私たちは、何のために生きて、何のために死ぬのか。パウロの言行からキリスト者の死生観を学びたい。 1.共に生きる喜び パウ…

「牧者の心」 使徒の働き20章28~38節

【金言】聖霊は、神がご自身の血をもって買い取られた神の教会を牧させるために、あなたがたを群れの監督にお立てになったのです。(使徒20:28) パウロがエペソ教会の長老たちに語った告別説教から、今回は「牧会」について共に学びたい。 1.牧者の任命 教…

「伝道者の心」使徒の働き20章17~27節

【金言】ユダヤ人にもギリシヤ人にも、神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰とをはっきりと主張したのです。(使徒20:21) パウロの第3回宣教旅行は終盤を迎える。 パウロは、エペソを中心として小アジアの各地で、3年ほど宣教活動を行った…

「主イエスの御名によって」使徒の働き19章1~20節

【金言】みな恐れを感じて、主イエスの御名をあがめるようになった。 (使徒19:17) 宣教は霊の戦いである。その実例をパウロのエペソ宣教から学びたい。 1.主イエスの御名によるバプテスマ パウロはエペソに来て、まず主の弟子たちに、「信仰に入ったとき…