カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

救い

律法と福音 ー ルター神学の根本原理 ー

序論 二つの原理=律法と福音 和協信条・根本宣言・第5条 このように二つの教えが並んでいるのであって、両者はまた並行して、しかも一定の秩序のうちに、正しい区別をもって、与えられなければならない。 すべての人が経験する人生の根本問題は「罪」と「…

ローマ人への手紙の主題・主張・結論

http://bibleatlas.org/isv/paul.jpg 筆者は昨年4月から主日礼拝で「ローマ人への手紙」の講解説教を続けてきましたが、すでに70回目に至り、残るところわずかとなりました。さすがに、これだけ付き合ってみると、使徒パウロがどのような状況で、何を伝え…

聖書深読み

■四色ボールペン聖書読解法 この写真に写っている聖書は、私が10歳の時に父からもらったものです。小磯良平画伯の挿し絵が挟まれているのが、良かったのでしょう。私は、この聖書のテクストのほぼ全体に、4色の色鉛筆でサイドラインを引きました。 【黄】…

【聖句集】心が恐れに支配される時に

聖書を読むと、「恐れるな」という呼びかけが、たくさん出てきます。それくらい人は恐れることが多いのです。今あなたの心に恐れがありますか?もし、あなたの心が恐れに支配されているなら、しばらくの時間、あなたの頭の中の考えと、心の中の思いを、神に…

創価学会は仏教か新宗教か?

【序】仏教とは何か 「仏教とは何か」「キリスト教とは何か」これを問うてみることは、どなたにとっても有意義だと思います。両者の比較も興味が尽きないでしょう。ただし、仏教は広大無辺で、そもそも定義すら困難なものです。 創価学会は伝統的な仏教なの…

ハデス(よみ)とゲヘナ(地獄)

フラ・アンジェリコ『黄泉へ下るキリスト』、1437-1446年頃、サンマルコ美術館聖書の世界観によれば、人の意識は、死によって消滅するのではなくて、死後も存続します。肉体という「外なる人」が滅びても、霊魂という「内なる人」が、それぞれに固有の人格を…

心の貧しい人は幸いか

マタイの福音書5章3節の和訳について ルドルフ・イェーリン「シュヴァルツバルトの山上の説教」 【比較研究】 <金井試訳> 恵まれている、霊において貧しい人たちは。天の王国は彼らのものだから。 <Greek>Μακάριοι οἱ πτωχοὶ τῷ πνεύματι, ὅτι αὐτῶν ἐ…

ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】(1)

V.ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】 Vilmos Vajta 博士はハンガリーに生まれ、スウェーデンで学び、ドイツ・ストラスブールにあるルーテル世界連盟のエキュメニカル・インスティテュートの主事として活躍した人物である。彼が“Die Theologie des G…

pyutaの体験記

いじめ私は幼い頃から、他の人とは何かが違う、と感じて生きてきました。周りが普通にできることができない私でした。人間関係を保つことが、ほとんどできませんでした。小さい頃から周りの人にいじめられていた記憶があります。だから自信がありませんでし…

福音主義における聖書釈義について(JETS研究会議 感想)

日本福音主義神学会 第14回全国神学研究会議テーマ:「福音主義神学、その行くべき方向 - 聖書信仰と福音主義神学の未来 -」 Evangelical Theology, Where Should We Be Going ?日 時:2014年11月4日(火)〜11月6日(木)会 場:関西聖書学院(奈良県生駒市…

「復活の希望」テサロニケ第一 4:13~18

【金言】それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いつまでも主とともにいることになります。(テサロ…

「みことばに目を留めて」 ペテロ第二 1:12~21

【金言】私たちは、さらに確かな預言のみことばを持っています。夜明けとなって、明けの明星があなたがたの心の中に上るまでは、暗い所を照らすともしびとして、それに目を留めているとよいのです。 (ペテロ第二 1:12~21) 1.偽教師の出現 この手紙が書…

「神の召しと選び」ペテロ第二1:1~11

【金言】ですから、兄弟たちよ。ますます熱心に、あなたがたの召されたことと 選ばれたこととを 確かなものとしなさい。(ペテロ第二 1:10) 1.ペテロの遺言 この書は、使徒ペテロが紀元66年頃にローマで書いた手紙=回覧状と思われる。宛先は「ペテロの…

「主の裁きに備えよ」ペテロの手紙第一 4:1~11

【金言】万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい。 (Ⅰペテロ4:7、10) 1.自分自身を武…

「よみの征服・天への凱旋」ペテロ第一3:18~22

【金言】 その霊において、キリストは捕らわれの霊たちのところに行って、みことばを語られたのです。(ペテロ第一3:19) キリストは天に上り、御使いたち、および、もろもろの権威と権力を従えて、神の右の座におられます。(ペテロ第一3:22) 1.身代…

ペテロ第一書の霊的な世界観とキリストによる贖いについて

「ペテロの手紙第一」は、霊的な階層的世界観を前提として書かれています。その階層とは、(1) 天上の世界 (2) 地上の世界 (3) 地下の世界(よみ)です。 イエス・キリストは、これらすべてを包括的に贖っておられます。 1.イエス・キリストは、永遠のはじ…

「生ける望み」ペテロ第一1:1~12

【金言】神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。(Ⅰペテロ1:3) 1.神に選ばれ、贖われた人々へ この手紙は、使徒…

「聖霊のバプテスマ」について

1.キリスト教用語としての「聖霊のバプテスマ」19世紀から20世紀にかけて、欧米のリバイバル運動やホーリネス運動、ペンテコステ運動で「聖霊のバプテスマ」という表現がよく用いられ、その体験が重視されました。日本のきよめ派(ホーリネス派)や聖霊派…

裁きの目的

人間社会の営みには、不義・不正・悪事が絶えません。それは宗教社会、キリスト教社会においても例外ではありません、残念ながら。 不義、不正、悪事を放っておくと、それは当人たちだけでなくキリスト教共同体全体から祝福を奪います。主は正義を愛するお方…

ただ一つの道(ヨハネ14:1~14)

【金言】わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。 (ヨハネ14:6) 1. 天にある父の家 主イエスは敵に捕らえられる前に、弟子たちに、その後の彼らの歩みのために必要な訓…

小島伊助 名言集

バックストン、ウィルクスに代表される松江バンド、日本伝道隊、そして日本イエス・キリスト教団の信仰の本質を、教団初代委員長・小島伊助師はズバリ断言しています。 「福音とはただ教理だけではない。福音とは何であるか、すなわち御子イエス・キリストで…

過疎地の教会は、どうしたらよいのか

極端かもしれませんが、仮想の例題を一つ。Y市は、かつて人口10万人を誇った炭鉱町でした。ところが、炭鉱が閉山した後、人口がどんどん減って、1万人を切るまでになりました。昭和の初期にH教団のN監督が、T牧師夫妻をその町に派遣しました。炭鉱が盛んだ…

宣教の戦略(マタイ4:12-17)

ヨルダン川で洗礼を受けた後、荒野で悪魔に勝たれた主イエスは、いよいよ宣教の働きを開始された。教会の主目的である「宣教」の戦略について、要点を整理して学びたい。 ①情報力=情勢の把握・分析 [ヨハネが捕えられたと聞いて] ②フレキシビリティー(柔…

聖書のパノラマ -堀江優 画伯の作品集-

原罪 What is this thou hast done  あなたの手を、その子に下してはならない モーセ 敬虔者ヨブの改悛 悪病を癒された女弟子 放蕩息子 ラザロの奇跡 最後の晩餐 ペテロ[安井賞受賞作] この男に何の罪も見いだせない 十字架の救いにあずかった最初の人々 …

なぜ日本イエス・キリスト教団では幼児洗礼を行っていないのか

幼児洗礼 - Wikipedia 1.日本イエス・キリスト教団が生まれた事情筆者が所属する日本イエス・キリスト教団のルーツは、聖公会(英国国教会)の宣教師バークレー・バックストンとパジェット・ウィルクスの宣教にあります。バックストンは1890(明治23)年に…

最初期キリスト教は、なぜローマ帝国に広まったのか

1.ディアスポラ・ユダヤ人の拡散 紀元30年の春に、エルサレムで「イエス」というひとりの男が、ローマの総督ピラトのもとで、十字架刑に処された。しかし、イエスは三日目に復活して、彼の信奉者たちにその姿を現した。彼を「キリスト」と信じる者たちは、…

教会史を学ぶ意義

1.教会史とは何か 「教会史」とは何か。端的に言えば、それは「教会」の「歴史」に関する研究である。 「教会」とは何か。教会とは、イエスをキリストと信じる者たちの集団であり、イエス・キリストをかしらとする共同体である。 「歴史」とは何か。歴史と…

幼児洗礼についてどう考えるか

幼児洗礼 - Wikipedia キリスト教には多くの教派がありますが、「洗礼」という基本的な儀礼に関しては、「幼児洗礼」を行う教派と行わない教派に大別できます(後者は、「成人洗礼」を行う教派と、洗礼を行わない教派に大別できます)。幼児洗礼とは一般的に…

「救いが来た!」ルカの福音書19章1~10節

【金言】きょう、救いがこの家に来ました。この人もアブラハムの子なのですから。人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです。(ルカ19:9〜10) 1.イエスが来る! エリコの町にザアカイという男がいた。<エリコ>は交通の要衝にあり、果物が豊…

「神に認められる人」ルカの福音書18章9~14節

【金言】神よ。罪人の私をあわれんでください。(ルカ18:13) 人は皆やがて神の裁きを受けなければならない。どうしたら神に罪無き者=義と認められるのか、学びたい。 1.自分の義を誇るな このたとえ話には、二人の対照的な人物が登場する。まず一人は、…