KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

私の韓国(人)観を変えたもの

筆者は、ずいぶん前から学校・職場・教会などで、韓国人の方々と交わりがある。韓国に旅行したこともある。「冬のソナタ」も、ちょっと見た。しかし、なぜ多くの日本人が韓流にハマるのか、理解できなかった。「日本にもええ男はおるやないか」という嫉妬心もあったかもしれない。

 

ところが、ここ1〜2年、私も素直に「韓国(人)っていいな!」とハマっている。この変化をもたらしたものを、いくつか紹介する。

 

1.KARA カラ (K-POP

 

まだまだ日本もアメリカも、大衆文化においては、韓国に勝るクオリティーを誇っている(はず)。けれども、韓国は文化的に開放的になり、日本やアメリカからどんどん良いものを学んで、吸収し、追いつこうとしている。今、確かに韓国(人)は大変な勢いを持っている。

 

たとえば、KARAのPV/MVを見れば、その戦略と勢いは一目瞭然だ。彼女たちは韓国語と日本語と英語をたくみに組み合わせて話し、歌っている。それが自然で可愛らしい。キャラクター的にも日本人が受け容れやすいタイプだ。

 

KARAと少女時代は、オリコンの「2011年 年間アーティスト別 総売上ランキング」でそれぞれ4位と5位を占めた。日本の音楽市場は米国に次いで大きく、日本のCD総売上は韓国の30倍に達する。日本で成功することが、K-POPアイドルのステイタスとなっており、K-POPの日本進出が当分続きそうだ。

 

【KARA】http://www.youtube.com/watch?v=poRg5bIFX3s&feature=BFa&list=PL4995698B5F67415C

 

2.Samsung サムスン (家電・IT)

 

Macファンの筆者が、ここ数か月、サムスンのタブレット GALAXY TAB 7.0 Plus SC-02D をよく持ち歩いている。MacBook Air が一番のお気に入りなのは変わらない。だが、GALAXY TAB の7インチの液晶画面と345gの軽さが気に入ってしまった。

 

iPhoneの3.5インチは、Webを見るには小さすぎる。iPad(9.7インチ、652g/662g)は常時携帯するにはちょっと大きくて重い。それなら、Air を持って行く方が便利だ。サムスンのGALAXYシリーズのスマートフォンやタブレットは、その隙間に見事に陣地を築いた。戦略的な勝利だ。Android には不満が残るものの、GALAXYシリーズは性能も美観も十分に満足できる。

 

2012年1~3月期のスマートフォン出荷台数は、Samsungが4300万台でトップ、Appleが3500万台で2位となった。この2社だけで、世界全体の出荷台数の55%を占めている。スマホに続いてタブレットの人気が今、高まっており、サムソンの躍進が続くだろう。

 

OSとクラウドをアメリカに握られ、ハードウェアで韓国が優位、となると、日本のITメーカーは今後、かなり厳しい状況に追い込まれそうだ。

 

【GALAXY TAB】http://www.samsung.com/jp/galaxytab/

 

3.テジョヨン 大祚榮 Dae Joyoung(TVドラマ)

 

韓流スターや韓国製品の流行は、いつまで続くだろうか。これは一時的な流行か。あるいは、このまま日本に定着するのだろうか。筆者の見方は後者である。なぜなら、韓国の文化には日本やアメリカと異なる独特のテイストがあるからだ。

 

韓国が、日本やアメリカの高度な技術や洗練されたデザインを取り込んで成功したのは、事実だ。AppleSamsungの特許訴訟問題は、その一例と言える。しかし、台湾や中国なども同様の戦略を続けてきたのに、韓国のシェア拡大は抜きん出ている。なぜか。それは、単なる真似以上のクオリティーを、韓国が持ち得たからだろう。韓国の潜在的な能力=底力は、あなどれないものだ。

 

筆者は、TVドラマ『大祚榮 テジョヨン』を見た時に、その底力を実感した。これは高句麗の滅亡から渤海の建国までを描いた時代劇で、全部で134話もある長編ドラマだ(2006年9月16日から2007年12月23日までKBSで放送)。日本でも字幕付きで放送され、DVDも発売されている。

 

このドラマの内容は壮絶だ。最近の日本のドラマでは、これほど血が流される生々しい戦闘シーンは、見られないだろう。そのリアリティーが、見る者に何かを真剣に問いかけてくる。私見によれば、全体を貫いているのは、強烈な「愛国心」であり、「正義」だ。

 

「祖国」には、命をかけて、一生を費やして、子々孫々まで巻き込んで、死守し、取り返し、再建すべき「価値」がある。超大国・中国と陸続きで接する朝鮮の民は、「祖国」とは何か、と問わずにはいられない歴史を生きてきた。今も徴兵制を持つ韓国の人々にとっては、その歴史の一つ一つの断片がリアルな現実だ。その壮絶な歴史において形成された韓国人の底力を、「平和ボケ」した日本人が甘く見ていたら、痛い目に遭うだろう。

 

ここ数年、韓国の時代劇ドラマが日本でも大流行となっている。それらは作品としてもよくできていて、楽しめるものだが、「では我々日本人は、日本はどうなのか」と考えることも、おすすめしたい。

 

Dae Joyoun】http://gyao.yahoo.co.jp/player/00867/v00263/v1000000000000001679/