カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

諫早湾の排水門、開かず

2013年12月20日、諫早湾潮受け堤防の排水門は、ついに開かなかった。福岡高裁が、この日までに水門を開けるよう命令していたのに、国はその法的義務を履行しなかったのだ。これは異例の事態であり、重大な問題だ。 

諫早湾干拓事業に関しては、漁業者農業者自治体農水省、それぞれの立場・利害・事情があって、簡単には解決できないのかもしれない。しかし、そもそも、海であった場所で農業をしようという計画自体が無理だったのではないか。 開門したならば、そんな場所で塩害が発生するのは当然だろう。はたして莫大な国費をつぎ込んだこの事業に、どれほどの経済効果があったのか? その治水に、どれほどの必要性があったのか?

時代は変わり、社会の状況も大きく変わった。他に休耕地がいくらでもあるのだから、諫早湾の干拓地で農業をしなければならない必然性は認められないだろう。干拓地の農業者には、代替地を用意するなり補償をするなりして、協力を求めることができるのではないか。

人間の都合ばかりでなく、否、むしろ自然の事情こそ、優先的に考慮すべきだムツゴロウをはじめとする希少生物の棲息地である有明海、諫早湾の生態系は、大変貴重なものである。 目先の利害のために、この生態系を死地に追いやるのは、愚の骨頂であり大罪だ自然の価値・生命の価値はプライスレスであり、経済的な計算に組み込みづらいものだが、尊重すべきだ。それこそ人類の生存の基盤なのだ。

速やかにこの排水門が開かれることを願う!
この問題を憂慮する人は、何らかの形でその意思を表そう!  

 

  <参考資料>

 

林農水相「開門できない状態」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131220/k10013999121000.html

「混迷する諫早湾干拓事業」大場伸也(毎日新聞長崎支局)

http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20131220org00m040003000c.html

 

諫早湾干拓事業の概要 諫早湾干拓事業の概要」 諫早市
http://www.city.isahaya.nagasaki.jp/of/06_nourin/03_kantaku/kantaku/img/gaiyou.pdf

『有明海・八代海沿岸の河口干潟におけるムツゴロウの分布と生息密度』
http://www.wdc-jp.biz/・・・/isj/publication/pdf/52/5201_02.pdf