KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

過疎地の教会は、どうしたらよいのか

極端かもしれませんが、仮想の例題を一つ。

Y市は、かつて人口10万人を誇った炭鉱町でした。ところが、炭鉱が閉山した後、人口がどんどん減って、1万人を切るまでになりました。昭和の初期にH教団のN監督が、T牧師夫妻をその町に派遣しました。炭鉱が盛んだった頃は、Y教会に大勢の人が集まっていました。ところが、H教団の運動をめぐる意見の違いなどによって、終戦の前後に教会が3つに分裂してしまいました。

その3つの教会は戦後、3つの違う教団に所属して、今も存続しています。しかし、3つの教会はみな、活動している会員がそれぞれ10人以下、しかも高齢者がほとんどとなりました。財政的に牧師が常駐できる状況ではないため、2つの教会(X教会、Z教会)は兼牧となり、それぞれ日曜の夕方に、遠方から牧師が来て礼拝を持っています。冬は峠道が凍結して危険なため、牧師...は来られず、ビデオやCDで説教を聴いています。

T牧師は20年前に逝去され、その後はT夫人が牧師となって、Y教会を守ってきました。しかし、T夫人も80歳代となり、病気で寝込みがちで、礼拝説教以外の奉仕はほとんどできなくなりました。冬には豪雪地帯となるY市でT夫人が暮らすのは実際、無理なのですが、高齢の信徒たちが代わる代わる来ては、除雪をしています

今年3月末にT夫人は牧師を引退して、東京にいるご子息と共に暮らすことになりました。しかし、H教団では近年、献身者が少なくなって、引退する牧師が多いため、とてもY教会に牧師を派遣できる状況ではありません。Y教会は、子どもがいる若い牧師に十分な謝議を支給する財政力がありません。年金をもらっている高齢の牧師で、この豪雪地帯に来てくれそうな人は、なかなか見つかりません。

そこで、ここ数か月、Y教会の役員たちがX教会とZ教会の役員たちに声をかけて、一緒に相談しています。
「わしらな、昔は一緒じゃったのに、家族親族まで3つの教会に分かれてしまったべ。まあ、昔は3つとも大勢いたし、みんな若かったからな、無理もきいた。でもなぁ、もうお互い意地張ってる場合かのぅ。。。」
「はぁ~、オレはもう、疲れた。教会堂の周りの除雪はえらすぎじゃ。体もだけど、気持ちが疲れた。教会の明かりが消えて、一週間ずっと暗いままだべや」
「僕ら中年には、なんで3つに分かれてる必要があるのか、わからん」

【問題】 この3教会の役員たちは、どうしたら良いのでしょうか