カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

真実の証言と偽りの証言(マタイ26:57~75)

  1 偽りの証言

深夜に主イエスは、ゲツセマネの園で敵の手に捕らえられた。そして、まず大祭司カヤパの舅アンナスによる尋問が行われ(ヨハネ18:12~14、19~24)、その後、大祭司カヤパとサンヘドリン(70人議会)の議員たちによる裁判が行われた(マタイ26:57~68)。
神殿を中心とするユダヤ社会の指導者たちは、宮清めに象徴されるイエスの宗教改革を、自分たちの権力基盤を破壊するものと考えて、危険視していた。そこで彼らは偽証者を立てて、イエスに不利な判決を下そうと画策した。彼らはイエスを冒涜罪によって死刑にしようと目論んだが、必要とされる二人の証言が得られなかった。

  2 真実の証言

そこで大祭司はイエスに質問した。「あなたは神の子キリストなのか」。イエスは答えた、「あなたの言うとおりです。なお、あなたがたに言っておきますが、今からのち、人の子が、力ある方の右の座に着き、天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見ることになります」。
これは、イエスが詩篇110篇1節とダニエル書7章13節に預言されたメシア=キリストであることを明言する自己証言である。今は人々に裁かれ、殺されようとしているが、このお方こそ、やがて全世界の人々を裁くメシアとして、天から降ってこられるのである。
これを聞いてカヤパは、自分の衣を引き裂いて、怒りを表した。そして、「神への冒涜だ」と宣言した。議員たちも「彼は死刑に当たる」と口々に叫んだ。

  3.主の憐れみ

イエスの弟子たちはゲツセマネで逃げてしまったが、ペテロは引き返して後をつけ、大祭司の家の中庭に入り込んだ。しかし、ペテロは人々に「あなたもイエスと一緒にいましたね」と問われて、3回もそれを否定した。ガリラヤなまりは隠せなかったのだが。ペテロは悔いて激しく泣いた。
けれども、主イエスはペテロの弱さとつまずきを知りつつ、すでに彼を赦し、彼の再起を祈っておられた。

シモン、シモン。見なさい。サタンが、あなたがたを麦のようにふるいにかける
ことを願って聞き届けられました。しかし、わたしは、あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈りました。だからあなたは、立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」(ルカ22:31~32)。

ああ、主の愛の深さよ!