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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

朝鮮戦争の再開を止められるか

論説 軍事・安全保障 外交・国際関係 平和 戦争 政治

今、北朝鮮と韓国の緊張が高まり、朝鮮戦争が再開される危険性が高まっています。事の経緯を簡単にまとめると、以下のようになるでしょうか。

10年以上前になるが、韓国は、南北軍事境界線付近に設置した拡声器を通じて、自由主義社会の情報を北朝鮮の軍人や民衆に伝える心理戦を行っていた。

北朝鮮から軍事境界線を越えて韓国に亡命する人々が後を絶たなかったため、北朝鮮はこの心理戦に激しく反発した。そのため、2004年6月の南北合意でこの放送は中止となり、機材は撤去された。


ところが、 2010年3月の北朝鮮による哨戒艦沈没事件の後、韓国は再び放送施設を設置した。ただし、放送は保留していた。 この放送施設は、拡声器の出力を最大にすると、昼は約10キロ、夜は約24キロ離れた距離まで聞こえるという。

北から南に逃れていく軍人が後を絶たないため、軍事境界線の両側にある非武装地帯(DMZ)の韓国側に、北朝鮮軍は地雷をしかけた。

今月4日午前7時35~40分ごろ、韓国京畿道坡州市の軍事境界線で20代の下士官2人が地雷を踏み、足を切断するなどの大けがを負った。

 

韓国は、北朝鮮軍が非武装地帯に不法に侵入し、地雷を埋めたことは、朝鮮戦争の休戦協定と南北不可侵合意に違反している、と非難した。


そして、韓国は10日から京畿道漣川と坡州(パジュ)の2カ所に北朝鮮向け拡声器を設置して心理戦放送を始めた。 現在は前方地域11個師団で1カ所ずつ、計11カ所で北朝鮮向け心理戦放送をしている。

 

現代の国際政治・安全保障政策では、兵器、とりわけ核兵器は、戦争の「抑止力」としての役割を担っています。ミサイルを持っていることと、ミサイルを使用することとは、大きく意味が異なります。特に核保有国の場合、ミサイル使用の動きは重大な国際問題になります。

21日、韓国政府関係者は、北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ノドン」や短距離ミサイル「スカッド」の発射に向けた動きを見せていることを、明らかにしました。米韓両軍は、西部の平安北道でノドン、東部の元山でスカッドを搭載した発射車両が、それぞれ展開されている動きをつかんだとのことです。

北朝鮮製「スカッドB」(火星5号)の最大射程距離は500キロ、韓国のほぼ全域が射程内に入っています。弾道ミサイル「ノドン」の新しいタイプは、最大射程距離が1500キロ以上あるとされ、日本の本土を攻撃することができます。ノドンの主たる標的は、米軍基地ではないでしょうか。朝鮮戦争を再開するなら、これは当然でしょう。

21日夜、北朝鮮外務省は「戦争へと近づいた今の情勢は、取り返しがつかなくなった。わが軍隊と人民は、祖国を命がけで守るため、全面戦争も辞さない」との声明を発表しました。

北朝鮮が韓国の領土に砲撃して、軍事的緊張が高まったことは、これまでにもありました。しかし、今回はそのレベルが、これまでにないほど高まっています。

ただし、北朝鮮には、韓国や米国を相手に戦争を行って、勝つことができる能力があるとは思われません。あの朝鮮戦争の時と同様に、最初は北が勢いをもって南下したとしても、長続きはしません。中国軍が軍事介入することは難しいでしょう。

北朝鮮軍が韓国に侵攻するのは無謀です。それでも「窮鼠猫を噛む」ということは、あるかもしれません。

ポスト冷戦時代においては、超大国による抑制が効かない国々と諸集団があります。常識で考えれば、最初から勝算の無い戦争など、しないでしょう。しかし、今や自爆テロが頻発する時代です。何が起こるかわからない、何が起きてもおかしくない世界になりつつあるのです。

北朝鮮金正恩第一書記は、60人以上も国家の幹部を処刑しています。北朝鮮の政府や軍部では今や、誰も彼の暴挙を止めることができないのでしょうか。

★本日22日午後6時から軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)で、韓国と北朝鮮の高位級会談が開かれることになりました。会談には、韓国側からキム・グァンジン(金寛鎮)国家安保室長とホン・ヨンピョ(洪容杓)統一相が、北朝鮮側から軍のファン・ビョンソ総政治局長とキム・ヤンゴン統一戦線部長が、それぞれ出席します。

北朝鮮が何を望んでいるのか、それが明確に示されて、韓国が柔軟に対応できるなら、緊張緩和も可能ではないでしょうか。朝鮮半島で紛争が拡大しないことを望みます。

わが国としては、万一に備えておくことが必要でしょう。国防政策においては、(仮想)敵国の行動によって起こりうる、あらゆる危険な事態を考えて、それらに対応できる態勢を整えることが必要です。そして、戦争の勃発を未然に防ぐ外交努力が必要です。それが政府の責任です。

野党は、自公政権=安倍内閣の安保法案を批判するだけでなく、どのようにこうした問題に対処するのか、具体的な政策と能力を国民に示す必要があるでしょう。

★お祈りしましょう!
韓国、中国、米国、日本など関係する国々の政府が、この問題に適切に対応できるように。
金正恩第一書記が冷静になって、北朝鮮軍が矛先を早く収めることができるように。
朝鮮半島、東アジア、東南アジア、全世界で平和が実現するように。