カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

この混乱を整理するために

国会における安全保障関連法案(安保法案)の質疑が最終局面に入ったようです。この安保法案に関しては、二つの平行した問題群があるのですが、それをごちゃまぜにしているから、混乱が生じているのではないでしょうか。

【A】一つは法的な手続きの問題です。

憲法の解釈変更の権限を持っていて、それを行使できるのは誰でしょうか。

法律の合憲性・違憲性について判定を下す権限を持っているのは誰でしょうか。

安倍内閣が平和安全法制=安保法案によって実現しようとしている、集団的自衛権の限定行使は、現行の憲法で認められるのでしょうか。あるいは、憲法改正が先に為されるべきでしょうか。

憲法改正が先に為されるべきだとすると、例えば、憲法第9条集団的自衛権の限定行使に関する条文を書き加えることに、衆参両院の議員の三分の二以上の賛成が得られるのでしょうか。また、国民投票で過半数の賛成が得られるでしょうか。

【B】もう一つの問題群は、国防=安全保障、(国連等による)平和維持活動に関するものです。

「日本を取り巻く国際環境の状況が大変厳しさを増している」という政府の説明は、具体的には何を指しているのでしょうか。

平和安全法制の必要性については、政府がこれまで国会で説明してきました。政府の公式ウェブサイトでも資料を公開して、説明しています。平成27年版防衛白書には、より詳細な説明があります。

まず、政府のそれらの認識は正しいか、という問題があります。

次に、現行の安全保障政策と国防体制で、それらの危機に対処できるのか、という問題があります。それが困難であるという認識から、集団的自衛権の限定行使という政策的判断が生まれているのでしょう。

ペルシャ湾ホルムズ海峡やインド洋、南シナ海東シナ海のシーレーン防衛。

国連等が行う平和維持活動への参加。

これらについても、同様に、テクニカルな問題の分析と判断が前提としてあるはずです。

それらは安保法案の提案理由の一部を構成するはずのものですが、法理論とは別に、それはそれとして議論すべきことでしょう。

今更ながら、【A群】の問題と【B群】の問題それぞれの理解がある程度、国民に共有されたならば、混乱は収まっていくでしょう。

では今、具体的に政府と国会は何を為すべきか。
マスコミや各種の集団は何を為すべきか。
国民=有権者は何を為すべきか。
これらが明確になって共有され、我々の愛するこの日本国が平和国家として前進していくことを、願います。