カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

安保法制成立後の所感

今年9月19日に国会で平和安全法制関連2法が成立し、同30日に公布されました。10月1日には防衛装備庁が発足しており、この法制に基づいた体制が今、着々と構築されつつあります。

このいわゆる安保法制は、従来、政府が認めてこなかった集団的自衛権の行使を限定的に容認することなど、戦後70年の節目の年にふさわしく、我が国の安全保障政策を大きく変えた、と言えるでしょう。

この法制の決議・成立をめぐって、この夏は国会内外で熱い議論が交わされ、反対運動がそれなりの拡がりと盛り上がりを見せました。まだその残り火がくすぶっているようですが、ここで改めて筆者の見解を述べさせていただきます。

筆者は、日本国憲法の平和主義と専守防衛の国是が、戦後70年に及ぶ東アジアの秩序安定に大きく寄与してきたことを、積極的に肯定します。同時に、この平和が日米安保体制=日米同盟によって保たれてきたことを認めます。

今後も我が国は「専守防衛」を堅持すべきであり、自衛隊の防衛活動の範囲は原則的に、領土・領空・領海に限定すべきです。なぜなら、国際社会の「平和国家日本」に対する信頼に応えていくことが、東アジアのみならず世界の平和安定に、大きく寄与するからです。

ただし、日本が侵略された場合には、国土防衛のために敵国のミサイル基地を破壊することが、必要です。ミサイル防衛はどうしても技術的に不完全にならざるを得ず、核ミサイルが被弾した場合の被害は、甚大であるからです。そのためには、この安保法制と日米の共同防衛活動が必要です。

安倍政権が表明した「専守防衛」路線の継続を確実にするためには、憲法に「自衛隊専守防衛国連平和維持活動」を明記する必要があります。

そもそも、「戦争法制」や「戦争法案」などというレッテルを貼って平和安全法制(安保法制)に反対した諸勢力は、平和安全法制整備法と国際平和支援法を区別せずに混同し、誤解して、的外れな批判をしていたように思います。すなわち、自衛隊が米軍に追随して、世界の各地で戦争に参加する、というような想定です。

この法制では、自衛隊が戦闘を行うのは、日本の存立を脅かす危機事態に対処する場合に限定されています。専守防衛の基本が変わるわけではありません。

朝鮮半島東シナ海の有事はこれに関係するでしょうが、南シナ海まで含められるかというと、難しいでしょう。先の国会での審議が、合憲か違憲かといった原理的な問題ばかりに時間を費やしていたのは、残念でした。

こうしたアジアの各地域における具体的なケースにおける自衛隊の対応について、もっと丁寧に議論すべきでしょう。

https://m.youtube.com/watch?v=5j_aVCvC_uQ

政府与党や財界は、ペルシャ湾までシーレーン防衛を完全にしたいのでしょうけれど、これは戦争とは別のカテゴリーです。

反対派は、こうした安全保障体制の整備が戦争の「抑止力」となることを、理解すべきでしょう。現代の世界は未だ、パワーポリティクスによって動いています。パワーバランスを保つことが必要です。

なお、PKO(国連平和維持活動)は、国防とは別のカテゴリーの活動です。PKOで共に活動している外国の人々がテロリスト等に攻撃されたら、自衛隊が見てみぬフリをするのは、おかしいでしょう。正当防衛のために武器を使用することが、戦争でしょうか? 常識・良識のある皆さんには、申すまでも無いでしょう。

安倍政権が打ち出した「積極的平和主義」がどのような実質を持つのか。これも我が国と世界の未来に大きな意味を持つことでしょう。

我々国民も、国防と世界の平和維持に積極的に関心を持って、我が国の民主政治を成熟させていきたいものです。

<参考資料>

「平和安全法制」(ウィキペディア
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%92%8C%E5%AE%89%E5%85%A8%E6%B3%95%E5%88%B6

「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の一問一答(内閣官房
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/anzenhoshouhousei.html

「平和安全法制等の整備について」(内閣官房
http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/housei_seibi.html