カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

昭和憲法を否定できるか?

今年7月25日の任期満了に伴い、参議院議員通常選挙が行われる予定です。この選挙が近づくにつれて、安倍政権が実現をめざしている憲法改正に関する議論が、盛んになりつつあります。憲法改正の発議には衆参両院それぞれの議員の3分の2以上の賛成が必要ですが、与党(自公)の議席数がそれに達する可能性があるからです。

 

憲法改正法案が国会で議決された場合、国民投票にかけられ、承認は多数決によっておこなうことになります。最近の世論調査によると、憲法改正に賛成する人は過半数に達していないようです。

 

news.tbs.co.jp

 

安倍総理は3月7日、参議院予算委員会の集中審議で、「平和主義の理念は、国民主権基本的人権の尊重と並ぶ日本国憲法の基本原則の1つであり、憲法前文は、わが国が平和主義の立場に立つとしており、第9条は平和主義の理念を具体化した形だと考えている。9条改正に対しては、まだまだ、国民的な理解、あるいは支持が広がっているという状況にはないと認識している」と述べました。

野党や学者、マスコミの一部には、「安倍総理自民党政権は、日本国憲法を根本から否定していて、非常に危険だ」という批判があります。それには先の大戦に関する歴史認識と占領政策=戦後改革の問題が関係しています。いわゆる東京裁判史観と押し付け憲法論です。

 

国際法の観点から 考える東京裁判の 正しい理解 - LEC東京リーガルマインド

 

押し付け憲法論 - Wikipedia

 

そのために、憲法の部分的な改正の必要性を認めている人たちにも、「安倍政権には憲法改正をさせない」という人が少なからずいます。

 

北朝鮮や中国の軍事的な動きを見て、ーー憲法第9条を改正して、有事に対応できる法整備をしなければならないーーと考える人は多いのですが、国政のこの状況はいかがなものでしょうか。

 

ここで基本的なことを確認させていただきますが、国家や憲法 、国際条約、同盟関係といった基本的な枠組みは、革命でも起こらない限り、基本的には過去を受け継ぎつつ進む他ありません。

 

「朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至ったことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第73条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる」

 

昭和憲法でさえ形式的には、明治憲法73条の手続きを経て改正された憲法です。自民党政権であっても、昭和憲法を全面否定はできません。「新憲法制定」を主張するのは極右であって、自民党の党是は「憲法改正」です。

 

constitution.jimin.jp

 

筆者は「自民党憲法改正草案」には反対です。昭和憲法の民主主義と人権思想は実に先進的なものであり、米国でさえ実現できない高度な福祉社会を実現したのです。その安定した枠組みを崩す必要はありません。

 

しかし、昭和憲法の平和主義の理想は、未だ実現できる国際環境になっていません。わが国は、その高い理想を保持しつつ、国連と世界の諸国がこれに追いつくまで、国防と東アジアの安全保障のために武装する必要があります。

 

そのためには、自衛隊と日米同盟、PKOに関する国民の理解と協力が必要です。その基礎となるのは、歴史と国家像の共通理解です。

 

歴史教育という問題がありますから、過去の問題は過去だけで終わらず、現在そして未来の問題につながっています。

 

日米同盟に付随する「矛盾」は、あの戦争における沖縄戦東京大空襲、広島・長崎の原爆等と連続性を持っています。ですから日米関係は、東京裁判史観に基づく対米屈従をもう卒業して、米国に対しても堂々と「NO!」が言える対等のパートナーシップに発展すべきでしょう。

 

歴史認識の重要性は、米国だけでなく、アジア太平洋諸国との関係においても言えることです。反日教育がどれほど日韓関係や日中関係に害を及ぼすものであるか、私たちは知らないわけではありません。前向きで建設的なパートナーシップを築いていくことが大切です。歴史の「正しい」理解と教育を追究することが必須でしょう。

 

筆者の歴史認識の一端をこのブログに記しておりますので、紹介させていただきます。参考まで。



kanai.hatenablog.jp