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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

紅粉船長夫人、天にある母港へ帰る

紅粉峯子姉のお証し

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 「人生の嵐を越えて」。これは本の題名です。私にとって忘れることのできない事件と思い出の一つでございます。その事件も、北朝鮮から主人が帰国後、早22年が経ちました。月日の経つのは早いものです。齢をとると余計に早く感じます。5年前には本を出版いたしました。感謝です。

 今から29年前(1983年)に、北朝鮮の兵士が隠れて第18富士山丸に乗り、密航をしました。そのために船長である主人と機関長のふたりが、スパイの容疑で北朝鮮に拿捕されました。

 取り調べが済めば、無実が分かって、すぐに帰してくれると思っておりましたが、1年2年と月日が経っても、主人からの手紙もなく、社長や海員組合に頼んでも、どうにもなりませんでした。

 署名運動をしたり、議員の方々に何回も頼みに行ったりしました。金日成主席宛の嘆願書も送り続けました。全部で14通書きました。

 1987年2月19日に神戸市議会で陳述する機会が与えられました。

 1988年4月には「15年の労働教化刑に処す」とのことで、帰国できるどころか、ますます悪くなるばかり。主人は血圧が高いため、どうなることかと心配しました。お先真っ暗で、国交が無いため一向に進展なく、4年5年と過ぎていきました。

あなたがたのあった試練はみな人の知らないものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを、耐えられないほどの試練に会わせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えてくださいます。(第一コリント10:13)

この希望は失望に終わることがありません。(ローマ5:5)

 この二つの御言葉を自宅の食堂の時計の下に貼り付け、毎日祈り続けました。教会でも信者の兄弟姉妹が熱き祈りをささげて下さり、加藤さんは河上民雄先生のところに一緒に行って、早期帰国をお願いして下さいました。

 1990年10月、7年ぶりに羽田空港で主人と再会することができました。夢のような気がいたしました。帰国後、主人にも私と同じローマ書5章5節の御言葉が与えられていたことがわかり、共に主の御名をあがめました。

 今も新聖歌248番「人生の海の嵐に」を賛美すると、当時を思い出して、涙がこみ上げてきます。

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 紅粉峯子姉は2016年6月11日未明に天に召されました。享年92。

いと静けき港に着き、我は今、安ろう

救い主イエスの手にある身はいとも安し

「人生の嵐を越えて」 紅粉(べにこ) 勇さん

blog.livedoor.jp

第十八富士山丸事件 - Wikipedia

北朝鮮抑留―第十八富士山丸事件の真相 (岩波現代文庫)

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