カナイノゾム研究室

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蓮舫氏の戸籍公開記者会見について

 7月18日午後、民進党蓮舫代表が党本部で記者会見を行い、台湾(中華民国)籍と日本国籍の「二重国籍」疑惑を晴らすべく、戸籍謄本の一部など関係書類を公開した。果たしてこれで疑惑は晴れたのか。

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【ノーカット】民進党・蓮舫代表が戸籍資料公開 台湾との「二重国籍」問題で

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戸籍謄本には、本人が日本国籍選択を宣言した日として「2016年10月7日」と明記されている。今年6月28日付で東京都目黒区で交付されたという。台湾籍離脱を証明する書類として、台湾当局から16年9月13日付で交付された「国籍喪失許可証書」も公表した。(時事通信

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【事実関係】蓮舫氏は、台湾人の父謝哲信さんと日本人の母斉藤桂子さんの長女として、1967(昭和42)年東京都で生まれた。出生時は中華民国であり、中華民国名は「謝蓮舫」(Xie Lien-Fang)、通称名は「斉藤蓮舫」(さいとう れんほう)であった。1984年の国籍法改正で父母両系血統主義になったために、1985年日本国籍を取得し、中華民国と日本国の二重国籍となった。1994年にフリージャーナリストの村田信之さんと結婚して、本名(戸籍名)は「村田 レンホウ」、通称名は「村田 蓮舫」となった。 「蓮」は1990年に法務省令によって人名用漢字に追加されたが、「舫」は現時点(2017年7月)では人名用漢字に選定されていないため、日本では本名に使用できない。

 蓮舫氏は2004年7月参議院議員となり、 2010年6月行政刷新担当大臣となった。以後、内閣の要職を歴任して、国政の中枢に参与した。 2015年1月に野党第一党である民主党代表代行となり、 2016年9月民進党代表となった。

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 蓮舫議員の「二重国籍」疑惑は、蓮舫氏が民進党代表戦に正式に立候補した2016年9月9日の直前、8月29日から始まった八幡和郎氏の「アゴラ」での記事連発がきっかけとなり、テレビ等に広がった。

蓮舫にまさかの二重国籍疑惑 – アゴラ

 その渦中の9月8日に蓮舫氏は、フェイスブックに次のように書いている。

私は、生まれたときから日本人だという気持ちが強いのですが、法律的には、女子差別撤廃条約の締結を目前にして改正国籍法が施行(昭和60年1月1日)された直後の昭和60年1月21日、日本国籍を取得しました。17歳のときでした。
日本法の下で適正な手続きを行い、国籍の届出を行いました。私は、日本人です。
私が台湾法において、籍があるのかというご指摘がありました。
高校生の時、父親と台湾の駐日代表処に赴き、台湾籍放棄の手続きを行ったという記憶があります。私は、台湾籍を放棄して今日に至っているという認識です。
この点について、今般、確認を行いましたが、いかんせん30年前のことでもあり、今のところ、確認できていません。
今後も確認作業は行いたいと思いますが、念のため、台湾の駐日代表処に対し、台湾籍を放棄する書類を提出しました。

蓮舫 - 私は日本人です。 日本で生まれ、日本で育ち、日本の風土で育てられ、日本で結婚し双子を育ててきています。... | Facebook

 国籍法には次の規定がある。

第十四条  外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない
2  日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

第十六条  選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない

国籍法

 蓮舫氏はこれまで「17歳の時に父親が台湾籍離脱の手続きをしてくれていたと思っていた」。「高校生の時、父親と台湾の駐日代表処に赴き、台湾籍放棄の手続きを行った。1985(昭和60)年1月日本国籍を選択したので、それ以降は台湾籍を放棄したと思っていた」と説明してきた。しかし、今回の記者会見で公開された蓮舫氏の台湾発行旅券(パスポート)は、1987年7月4日で期限切れのものだ。蓮舫氏は当時このパスポートを見た時に、1985年より後も台湾籍を持っていることを自覚していたはずだ。

【更新】蓮舫代表は国籍離脱について嘘をついている – アゴラ

旅券法第23条  
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 
一  この法律に基づく申請又は請求に関する書類に虚偽の記載をすることその他不正の行為によつて当該申請又は請求に係る旅券又は渡航書の交付を受けた者

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論点1】記者会見で蓮舫氏は、二重国籍のまま国会議員であったことは過失であったかのように、弁明した。これは本当に過失と言えるのか

 

 公職選挙法235条によれば、職業もしくは経歴などに関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金が課される(虚偽事項の公表罪)。

公職選挙法235条1項
(虚偽事項の公表罪)
当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。

 この規定は故意犯のみを対象にしている。過失犯(虚偽と認識していなかった場合)は、処罰の対象にならない。したがって、仮に公表事実が虚偽であっても、そのことを本人が認識していたことを検察が裁判で立証できないと無罪となる。

 

 まず、朝日新聞の1992年6月25日夕刊には、蓮舫氏への取材をまとめた「自分の中にアジアを感じる ゆくゆくは報道を」と題する記事がある。その記事には、こう記されている。

父が台湾人、母が日本人。十九歳のとき、兄弟の就職もあって日本に帰化した。東京で生まれ育った身にとって暮らしに変化はなかったけれど、「赤いパスポートになるのがいやで、寂しかった」。 
父や祖母を通して触れた台湾、アジア。自分の中のアイデンティティーは「日本」とは違うと感じる。

 「赤いパスポート」とは、日本のパスポートのことだ。

 

 蓮舫氏は1993年にニュース番組「ステーションEYE」のメインキャスターに起用されると、「在日の中国国籍のものとしてアジアの視点にこだわりたい」と抱負を語った(Wikipedia)。

蓮舫 - Wikipedia

 

 文藝春秋の女性誌「CREA」1997年2月号では、北京大学に留学中の蓮舫氏が、インタビューに答えて次のように述べている。

私は中国人の父と日本人の母の間に生まれたんですが、父親が日本人として子どもを育てたので日本のことしか知らないし、日本語しか話せない。それが自分の中でコンプレックスになっていました。だから自分の国籍は台湾なんですが、父のいた大陸というものを一度この目で見てみたい、言葉を覚えたいと考えていました。 

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 以上から明らかなように、蓮舫氏は自身が台湾(中華民国)籍を持つ在日中国人であることを明確に意識していた。それゆえ、蓮舫氏の二重国籍問題は、「過失」とは言えないのではないか。

news.livedoor.com

 2016年9月の民進党代表選を前にして二重国籍疑惑が問題化するまで、蓮舫議員は「台湾籍から帰化した」と公言していた。

民進党蓮舫代表は18日の記者会見で、日本国籍と台湾籍の「二重国籍」の状態のまま立候補した平成16年の参院選選挙公報で「日本国籍のみ」と読み取れる経歴を表示していたことについて「(台湾籍離脱を)故意に怠っていたわけではない。台湾籍を放棄していたと思っていた」と釈明した。(産経新聞

www.sankei.com

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 この選挙公報の「プロフィール」欄には「1985年、台湾籍から帰化」とある。

 

論点2】公職選挙法には重国籍者を排除する規定が無い。しかし、蓮舫氏が二重国籍のまま国会議員であったことの政治責任は、免れないのではないか。

  

 そもそも、公職選挙法に重国籍者を排除する規定が無いことに、大きな問題がある。これは改正すべきだが、ここでは蓮舫氏の問題に専念したい。

 公職選挙法235条1項の「虚偽事項の公表罪」の時効は3年であり、蓮舫氏の場合、時効が成立していると考えられる。

 しかし、国民の代表として立法を行う国会議員、そして法律に基いて行政を行う大臣が、国籍法によって義務づけている国籍選択の宣言を行っていなかったことや、有権者に対して自らの国籍を偽ってきたことは、決して軽い問題ではない。刑事責任は問えないとしても、蓮舫氏の政治責任は重く、免れないものだ。

news.yahoo.co.jp 1992年に参院選で当選した民社党の新間正次議員は、学歴詐称の嫌疑で在宅起訴され、有罪判決が確定したため、当選無効となった。 2003年の衆院選で当選した民主党古賀潤一郎議員は、学歴詐称の嫌疑で刑事告発され、自ら議員を辞職した。
 ちなみに最近オーストラリアで、二重国籍のまま議員活動をしていた国会議員の辞職が相次いでいる。

オーストラリアの野党・緑の党に所属するスコット・ラドラム上院議員(47)は14日、二重国籍と知らずに過去9年間、議員活動をしていたとして、議員辞職した。(時事通信

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オーストラリアの野党・緑の党の副党首、ラリッサ・ウオーターズ上院議員(40)は18日、二重国籍だったことが判明したとして、議員辞職した。(時事通信

 

論点3】記者会見で蓮舫氏は「共生社会・多様性を強調する民進党として、国籍に関する法律の規定を改正する方向で議論を進めたい」と語った。北朝鮮・中国・ロシアによって国際関係の緊張が生じている東アジアで、これは適切だろうか。

 

 今回の記者会見の最後に、蓮舫氏は次のように述べた。

民主党時代から、国籍選択制度の見直しは政策として掲げられていました。複数のルーツを持つ人たちから、「両国間を往来することもあるため、重国籍を容認してほしい」「ダブルのアイデンティティを認めてほしい」といった要望があったからです。今回の件を受けて、民進党内でも国籍法について改めて議論していきたい

人・モノ・金が国境を越える時代にいまの法律が合わないのであれば、改正をする必要がある民進党は先陣を切りたい。

「今回、選択宣言の日付を公開し、台湾籍が残っていないことをお伝えしたが、こうした開示は私で最後にしてもらいたいと思います。全て国民は法の下に平等だ。人種性別社会的身分などで差別をされてはいけない。親や本人、子供の国籍髪や肌の色名前など、日本人と違うところを見つけて「違わないということを戸籍で示せ」と強要することがない社会をしっかりとつくっていきたいと思っています。

多様性の象徴でもある私が、自らの経験をもって差別を助長することのない社会、多様性を認め合う共生社会を、民進党代表としてつくっていきたいということを最後に強く申し上げたいと思います。

 この記者会見で蓮舫氏は、自身の二重国籍問題をグローバリゼーション民族差別に関係づけようとしている。しかし、それは不当な問題の混同であり、国会議員としての責任をごまかすものでしかない。 

 

www.sponichi.co.jp

 

【結論】第一野党党首は、総選挙で与野党が逆転すれば、国政のトップ=内閣総理大臣にも成り得るポジションである。外交官になる者は、外国籍を離脱することが条件とされている。ましてや、国籍のあいまいな者が、外交の最高責任者であり、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣になることなど、あってはならない。

 ちなみに、オーストラリアは重国籍者が非常に多い国だが、<緑の党は対策として、候補者の国籍保有状況を事前に確認する仕組みを導入する考えだ>(時事通信)。国会議員は一国の命運に関わる重責を担うのだから、これは当然だろう。
 この問題の処理を誤れば、民進党政権担当能力を疑われるばかりか、解党の危機に至る危険性さえあるだろう。

 蓮舫氏はまだ若い。筆者と同じ49歳だ。ここは潔く民進党代表辞任して、議員辞職し、「村田 レンホウ」として国政選挙に再挑戦し、国民の審判を仰ぐのがよろしいのではないか。