KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

イエス

一粒の麦が地に落ちて

2016年4月3日 復活後第1主日 聖書朗読 使徒の働き7章54節〜8章3節 説 教「一粒の麦が地に落ちて」 金井望牧師 今年度は主日礼拝で「ローマ人への手紙」を連続して学ぶ予定である。今回と次回はその導入として、著者パウロ(サウロ)の回心について学び…

キリスト教では離婚はタブーか?

「キリスト教では離婚はタブー」という理解(誤解?)は広く存在するようです。これは、ローマ・カトリック教会が結婚を秘蹟(サクラメント)の一つとしたことから生じたものです。ちなみに、英国国教会が独立したのは、国王の離婚問題が直接の原因です。 ヘ…

正統と異端

「異端」や「カルト」という言葉は、一般の新聞やテレビのニュース、インターネットなどでも、しばしば見聞きします。クリスチャンなら、教会を探す時に、「異端」とか「カルト」とか言われるところは避けようとするでしょう。しかし、「異端」「カルト」と…

牧師とは何か

序 牧師職の諸問題プロテスタントでは教会の指導者を「牧師」と呼ぶのが一般的です(他に司祭、監督、長老、その他諸々の呼称があります)。しかし、同じく牧師と呼んでいても、そのあり方は、それぞれの教派、教団、グループ、教会によってずいぶん多様です…

N.T.ライト著『新約聖書と神の民』の邦訳が出た!

現代の代表的な聖書学者のひとりであるN.T.ライトの主著『新約聖書と神の民』(The New Testament and The People of God)の邦訳(上巻)が、この12月に出版されました。新約聖書と神の民 上巻: キリスト教の起源と神の問題 1作者: N.T.ライト,Nicholas Tho…

ハデス(よみ)とゲヘナ(地獄)

フラ・アンジェリコ『黄泉へ下るキリスト』、1437-1446年頃、サンマルコ美術館聖書の世界観によれば、人の意識は、死によって消滅するのではなくて、死後も存続します。肉体という「外なる人」が滅びても、霊魂という「内なる人」が、それぞれに固有の人格を…

ファリサイ派とキリスト教

1 ファリサイ派とは キリスト教の源流には、古代ユダヤ教の三つあるいは四つの流れがある、と筆者は考えています。その第一はファリサイ派です。 ファリサイ派の源流は、セレウコス朝シリアの悪名高き王、アンティオコス4世エピファネスのヘレニズ厶政策に…

二王国論は間違いか?

Michelangelo "Viimne kohtupäev", Sixtuse kabeli lagi, 1536–1541 1.二王国論とキリスト王権論近年、日本で盛んになった福音派の社会運動に関して、問題の焦点がどこにあるのか、最近いくらか見えてきたように思う。なぜキリスト者・教会・超(協)教派団…

心の貧しい人は幸いか

ルドルフ・イェーリン「シュヴァルツバルトの山上の説教」 【比較研究】 マタイによる福音書5章3節の和訳について https://biblehub.com/interlinear/matthew/5-3.htm http://www.bbbible.com/bbb/bbbmt05a.html <Greek> Μακάριοι οἱ πτωχοὶ τῷ πνεύματι…

戦争と平和をめぐる諸問題について

第6回日本伝道会議 神戸アナロギア社会委員会 研究発表「戦争と平和をめぐる諸問題について」レジュメ 金井 望(日本イエス・キリスト教団神戸大石教会 牧師) 日時 2015年7月21日(火)午後4時から 場所 活けるキリスト一麦西宮教会 【はじめに】 今回は…

ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】(1)

V.ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】 Vilmos Vajta 博士はハンガリーに生まれ、スウェーデンで学び、ドイツ・ストラスブールにあるルーテル世界連盟のエキュメニカル・インスティテュートの主事として活躍した人物である。彼が“Die Theologie des G…

【ブックガイド】竹下節子著『キリスト教の真実』

【ブックガイド】 キリスト教の真実―西洋近代をもたらした宗教思想 (ちくま新書) 作者: 竹下節子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/04 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (5件) を見る いい加減な内容のキリスト教批判本…

我々日本人は何ができるか? 何をすべきか?

<a href="http://www.huffingtonpost.jp/hiroaki-mizushima/isil_b_6591406.html?fb_action_ids=771427009560393&amp;amp;fb_action_types=og.likes" data-mce-href="http://www.huffingtonpost.jp/hiroaki-mizushima/isil_b_6591406.html?fb_action_ids=771427009560393&amp;amp;fb_action_types=og.likes">後藤さん殺害事件を受け、「あ…</a>

天国は一つしかない!

1.天国は一つ天国は一つしかありません。カトリック専用天国とか、プロテスタント専用天国とか、日本イエス・キリスト教団専用天国とか、そんなものはありません。アメリカ人専用天国とか、韓国人専用天国とか、日本人専用天国とか…ありません。お金持ち用…

「ここに愛がある」第一ヨハネ4:7~12

【金言】私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。(第一ヨハネ4:10) 1.愛する者たちよ 老使徒ヨハネは、弟子や信徒を我が子のように愛しました。ヨ…

日本の伝道と教会形成について

1.伝道至上主義の問題 私は、日本のキリスト者の皆様に、「伝道至上主義」の間違いに気づいていただきたい、という個人的な願いを持っています。それは、伝道の重要性を否定するということではありません。伝道至上主義の弊害を克服して、より良い宣教と教…

今、日本の政治を考える(1)

1.政治という作業政治や行政というものは、日々緊迫した問題が次々に発生する国際社会と国内社会の現実に向き合って、様々なファクターを考慮し計算し連絡・調整・協議を重ねて決断を下し、問題を処理していく仕事です。白か黒か、賛成か反対か、正か誤か…

pyutaの体験記

いじめ私は幼い頃から、他の人とは何かが違う、と感じて生きてきました。周りが普通にできることができない私でした。人間関係を保つことが、ほとんどできませんでした。小さい頃から周りの人にいじめられていた記憶があります。だから自信がありませんでし…

「復活の希望」テサロニケ第一 4:13~18

【金言】それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いつまでも主とともにいることになります。(テサロ…

「滅びをもたらす異端」ペテロ第二 2:1~14

【金言】彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。(第二ペテロ2:1) 1.偽教師の出現 この手紙が書かれた頃に教会をかき乱してい…

「みことばに目を留めて」 ペテロ第二 1:12~21

【金言】私たちは、さらに確かな預言のみことばを持っています。夜明けとなって、明けの明星があなたがたの心の中に上るまでは、暗い所を照らすともしびとして、それに目を留めているとよいのです。 (ペテロ第二 1:12~21) 1.偽教師の出現 この手紙が書…

「神の召しと選び」ペテロ第二1:1~11

【金言】ですから、兄弟たちよ。ますます熱心に、あなたがたの召されたことと 選ばれたこととを 確かなものとしなさい。(ペテロ第二 1:10) 1.ペテロの遺言 この書は、使徒ペテロが紀元66年頃にローマで書いた手紙=回覧状と思われる。宛先は「ペテロの…

「牧者の心」ペテロ第一 5:1~14

【金言】 あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しなさい。強制されてするのではなく、神に従って、自分から進んでそれをなし、卑しい利得を求める心からではなく、心を込めてそれをしなさい。(第一ペテロ5:2) 1.牧羊の使命 主イエスは復活され…

「火の試練」ペテロ第一4:12~19

【金言】しかし、キリスト者として苦しみを受けるのなら、恥じることはありません。 かえって、この名のゆえに神をあがめなさい。 (Ⅰペテロ4:16) 1.愛する者たちよ! 「愛する者たち」。この手紙はシルワノが代筆したものだが、このひと言の呼びかけに…

「主の裁きに備えよ」ペテロの手紙第一 4:1~11

【金言】万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい。 (Ⅰペテロ4:7、10) 1.自分自身を武…

「よみの征服・天への凱旋」ペテロ第一3:18~22

【金言】 その霊において、キリストは捕らわれの霊たちのところに行って、みことばを語られたのです。(ペテロ第一3:19) キリストは天に上り、御使いたち、および、もろもろの権威と権力を従えて、神の右の座におられます。(ペテロ第一3:22) 1.身代…

ペテロ第一書の霊的な世界観とキリストによる贖いについて

「ペテロの手紙第一」は、霊的な階層的世界観を前提として書かれています。その階層とは、(1) 天上の世界 (2) 地上の世界 (3) 地下の世界(よみ)です。 イエス・キリストは、これらすべてを包括的に贖っておられます。 1.イエス・キリストは、永遠のはじ…

「義人の勝利」ペテロ第一3:8~17

【金言】悪をもって悪に報いず、侮辱をもって侮辱に報いず、かえって祝福を与えなさい。 あなたがたは 祝福を受け継ぐために召されたのだからです。(第一ペテロ3:9) 1.不当な苦しみ この手紙の受取人たちは「悪」の問題に苦しんでいた。彼らが経験し…

「妻として、夫として」ペテロ第一 3:1~7

【金言】 妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。 夫たちよ。妻が女性であって、自分よりも弱い器だということを わきまえて 妻とともに生活し、いのちの恵みを ともに受け継ぐ者として 尊敬しなさい。 (ペテロ第一3:1、7) 神の民とされた我々キリスト者…

「キリストにならって」ペテロ第一2:13~25

【金言】キリストも、あなたがたのために苦しみを受け、その足跡に従うようにと、あなたがたに模範を残されました。(ペテロ第一2:21) キリストの贖いのわざによって、私たちは天にいます父の子とされ、天国の国民とされた。そして、神と人々を結ぶ祭司の…