KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

宗教改革

ルターと神の母マリア

11月6日(月)から8日(水)までお茶の水クリスチャンセンターで日本福音主義神学会 第15回全国研究会議が開催されました。今回のテーマは『3つの「のみ」の再発見 ~宗教改革500年によせて~』というものでした。 www.facebook.com 日本福音主義神学会部会研究…

金井塾 ご案内

金井塾は、福音主義の信仰に立って、 牧師・信徒説教者・教会学校教師をめざす方々に必要な聖書教育と神学教育を行っています(超教派)。 日本基督教団のCコースなど教師検定試験を受験する方々に、最適な個別指導を行っています。 礼拝や集会に出張して、…

律法と福音 ー ルター神学の根本原理 ー

序論 二つの原理=律法と福音 和協信条・根本宣言・第5条 このように二つの教えが並んでいるのであって、両者はまた並行して、しかも一定の秩序のうちに、正しい区別をもって、与えられなければならない。 すべての人が経験する人生の根本問題は罪と死であ…

キリスト教終活・葬儀の宣教的ポテンシャル

今、急速に進行する少子高齢化=人口減少によって、日本社会の様々な領域で危機的な変化が起こっている。男性・女性ともに平均寿命が80歳を超えて、今や日本は世界に冠たる長寿国である。そして、一年間の死亡者数が130万人以上という「多死時代」を迎えてい…

古代ユダヤ教の成立事情

1st-century synagogue discovered in Galilee www.sankokan.jp 敬愛するミーちゃんはーちゃん先輩が、12月17日に天理大学で開催された、ガリラヤ地方の遺跡の発掘報告会「イエス時代のガリラヤ地方と一神教の系譜を探る -イスラエル、テル・レヘシュ遺跡に…

カトリックとプロテスタント

いきなりですが、質問させていただきます。(1) カトリック教会とプロテスタント教会の違いを、ご存知でしょうか?(2) なぜプロテスタントは、カトリック教会から分離独立したのでしょうか?(3)プロテスタントで洗礼を受けていても、カトリック教会では聖餐(…

二王国論は間違いか?

Michelangelo "Viimne kohtupäev", Sixtuse kabeli lagi, 1536–1541 1.二王国論とキリスト王権論近年、日本で盛んになった福音派の社会運動に関して、問題の焦点がどこにあるのか、最近いくらか見えてきたように思う。なぜキリスト者・教会・超(協)教派団…

ルターのユダヤ人差別について

『ユダヤ人と彼らの嘘について』(1543年版)の表紙 1.16世紀のドイツにおけるユダヤ人差別16世紀、宗教改革が行われた時代のドイツでは、それぞれの領主がその領邦の宗派を選択する権利を持っていました。ローマ・カトリックかルター派(プロテスタント)…

ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】(1)

V.ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】 Vilmos Vajta 博士はハンガリーに生まれ、スウェーデンで学び、ドイツ・ストラスブールにあるルーテル世界連盟のエキュメニカル・インスティテュートの主事として活躍した人物である。彼が“Die Theologie des G…

実在論と唯名論がキリスト教に与えた影響について

序 西洋中世のスコラ学において、普遍的なものと個々の事物の関係について論争があった。いわゆる「普遍論争」である。 一方において、「普遍的なものが個物に先だって存在する」という主張が為された。これが「実在論」(Realism)である。これに反対して、…

福音主義における聖書釈義について(JETS研究会議 感想)

日本福音主義神学会 第14回全国神学研究会議テーマ:「福音主義神学、その行くべき方向 - 聖書信仰と福音主義神学の未来 -」 Evangelical Theology, Where Should We Be Going ?日 時:2014年11月4日(火)〜11月6日(木)会 場:関西聖書学院(奈良県生駒市…

聖書のみ!(聖書と信条の規範性について)

1.「規範する規範」と「規範された規範」 「聖書のみ」。これは宗教改革の基本原理の一つである。ルターやメランヒトンは神の言葉である聖書の権威によって、ローマ教皇の権威に対抗し、ローマ教会の教えと実践の誤りを批判した。人の言葉に絶対的な権威を…

預言・聖書・教会・神学

1.どうしたら、神のみ心を知ることができるか私たちキリスト者は、神のみ心にかなった、正しい選択をしたい、あるいは、しなければならない、と思っています。では、何によって、どのようにしたら、神のみ心=ご意志を知ることができるのでしょうか。これ…

ホーリネス運動とリバイバリズム(日本イエス・キリスト教団のルーツ 04)

この2月に、日本の各地でケズィック・コンベンションが開催されています。日本イエス・キリスト教団の母体である日本伝道隊は、1903年に本場・英国のケズィック・コンベンションにおいて持たれた祈り会から始まったミッションです。ケズィック・コンベンシ…

「現代のパウロ解釈を考える」(福音主義神学会 西部部会 秋季研究会議 の感想)

先日、2012年11月19日(月)に、日本福音主義神学会 西部部会 秋季研究会議が、神戸神学館で行われました。 今回のメインテーマは「現代のパウロ解釈を考える」というもので、New Perspective on Paul (以下、NPPと略す)を積極的に評価する見地から鎌野直…

関西聖書神学校と日本イエス・キリスト教団の信仰的立場について(日本イエス・キリスト教団のルーツ02)

1.聖書はこう言っている! 「ルターはこう言った。カルヴァンはこう言った。ウェスレーはこう言った。聖書はこう言っている」。 関西聖書神学校の初代校長であり、半世紀にわたって校長を務めておられた沢村五郎師は、このように教えておられた、と私は父…

「キリスト者の自由」ガラテヤ人への手紙4:21~5:1

【金言】キリストは、自由を得させるために、私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは、しっかり立って、またと奴隷のくびきを負わせられないようにしなさい。(ガラテヤ5:1) パウロはガラテヤの信徒たちに、神の子とされている恵みを自…

「神の子とされたから」ガラテヤ人への手紙4章1~20節

【金言】あなたがたは子であるゆえに、神は「アバ、父」と呼ぶ、御子の御霊を、私たちの心に遣わしてくださいました。(ガラテヤ4:6) 1.神の子とされたから ユダヤから来た律法主義者たちに惑わされて、ガラテヤの信徒たちは律法の奴隷に逆行しつつあっ…

メランヒトンとカルヴァン

1.宗教改革の4大人物ドイツの宗教改革において中心となったのは、ルターやメランヒトンなどルター派の人々であった。 スイスの宗教改革においては、ツヴィングリやカルヴァンなど改革派の人々が中心となった。 ■■■■■■■■■■■■ マルティン・ルター(1483年頃…

福音派の礼拝は、なぜ貧しいのか(2)

Juan de Juanes(1523-1579) : The Last Supper kanai.hatenablog.jp 今回は礼拝の内容について考察してみましょう。 1.神に献げる犠牲か、神から受ける賜物か まず、聖餐論から始めます。主の晩餐=聖餐の礼拝は、初代教会において、ユダヤ教とキリスト教…

石居正己著『教会とはだれか』

私は仕事柄、礼拝論・礼拝学に興味がありまして、ここ数年、関係する本を漁っています。その中で、スゴイ本が一つありました。 石居正己著『教会とはだれか ー ルターにおける教会』(リトン、2005年)です。 「Gottesdienst Divine Service 神の奉仕として…