KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

教理史

ルターの十字架の神学/隠された神

マルティン・ルター 筆者はこの小論で、ハイデルベルク討論において明らかにされたマルティン・ルターの啓示論について考察したく思う。このテーマにおいてキーワードとなるのは、「隠された神」と「十字架の神学」である。Ⅰ.隠された神と啓示された神 1.…

金井塾ご案内(2020年5月)

金井塾 ご案内(2020年5月)金井塾は、福音主義の信仰に立って、牧師・信徒説教者・教会学校教師をめざす方々に必要な聖書教育と神学教育を行っています(超教派)。日本基督教団のCコースなど教師検定試験を受験する方々に、最適な個別指導を行っています…

復活の福音(第一コリント15:1-22)

日本バプテスト同盟 西岡本キリスト教会 2020年4月26日 復活節第3主日礼拝 説教「復活の福音」 金井 望

キリストの真理にとどまれ(第一ヨハネ2:18-29)

聖霊降臨日(ペンテコステ) ■聖書朗読 ヨハネの手紙 第一 2章18~29節(新改訳第3版) 18 小さい者たちよ。今は終わりの時です。あなたがたが反キリストの来ることを聞いていたとおり、今や多くの反キリストが現れています。それによって、今が終わり…

ガラテヤ4章研究メモ

kanai.hatenablog.jp 筆者は5月19日(日)に日本バプテスト同盟 西岡本キリスト教会の礼拝で説教をさせていただきました。テキストは新共同訳聖書 ガラテヤの信徒への手紙 4:8-20です。 8 ところで、あなたがたはかつて、神を知らずに、もともと神でない神々に…

聖書信仰の問題ってナニ?

【序】問題の経緯 年末の26日に藤本満師が「『聖書信仰とその諸問題』への応答1」という連載ものの記事を山﨑ランサム和彦師のブログで発表されました。これは、日本の福音派の聖書学徒には、必読の重要なエッセイです。 『聖書信仰とその諸問題』への応答…

第1章 千年王国的終末論の思想史

キリスト教の終末論と千年王国 彼らは生き返って、キリストと共に千年の間統治した。彼らは神とキリストの祭司となって、千年の間キリストと共に統治する。(ヨハネの黙示録第20章4,6節) 第1章 千年王国的終末論の思想史 キリスト教には、「千年」を区切り…

ルターと神の母マリア

11月6日(月)から8日(水)までお茶の水クリスチャンセンターで日本福音主義神学会 第15回全国研究会議が開催されました。今回のテーマは『3つの「のみ」の再発見 ~宗教改革500年によせて~』というものでした。 www.facebook.com 日本福音主義神学会部会研究…

金井塾 ご案内

金井塾は、福音主義の信仰に立って、 牧師・信徒説教者・教会学校教師をめざす方々に必要な聖書教育と神学教育を行っています(超教派)。 日本基督教団のCコースなど教師検定試験を受験する方々に、最適な個別指導を行っています。 礼拝や集会に出張して、…

律法と福音 ー ルター神学の根本原理 ー

序論 二つの原理=律法と福音 和協信条・根本宣言・第5条 このように二つの教えが並んでいるのであって、両者はまた並行して、しかも一定の秩序のうちに、正しい区別をもって、与えられなければならない。 すべての人が経験する人生の根本問題は罪と死であ…

東方の博士たちって何者?(西洋精神史の地下水脈)

■ジョルジョーネ「東方三博士の礼拝」 1507年 1.東方の博士たちって何者? 新約聖書「マタイによる福音書」の2章に不思議な人物が登場します。2:1~2、11節を引用します。 ◆新改訳(1970年) 1 イエスが、ヘロデ王の時代に、ユダヤのベツレヘムでお生…

ハデス(よみ)とゲヘナ(地獄)

フラ・アンジェリコ『黄泉へ下るキリスト』、1437-1446年頃、サンマルコ美術館聖書の世界観によれば、人の意識は、死によって消滅するのではなくて、死後も存続します。肉体という「外なる人」が滅びても、霊魂という「内なる人」が、それぞれに固有の人格を…

パウロと第二神殿期ユダヤ教

最近、New Perspective(s) on Paul(NPP)について日本福音主義神学会やクリスチャン新聞などで解説や批評が為され、N.T.ライトの著書が和訳されて発行されたこともあって、関心を持たれる方々が広がっているようです。kanai.hatenablog.jphttp://kanai.hate…

ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】(1)

V.ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】 Vilmos Vajta 博士はハンガリーに生まれ、スウェーデンで学び、ドイツ・ストラスブールにあるルーテル世界連盟のエキュメニカル・インスティテュートの主事として活躍した人物である。彼が“Die Theologie des G…

中国宣教略史(1)

前回は、西欧、アフリカ、南北アメリカの視点から帝国主義とキリスト教宣教の歴史的問題について考察した。今回は、中国におけるキリスト教宣教の歴史を簡単にたどり、欧米の帝国主義が中国宣教に及ぼした影響について考察してみたい。 1.景教の流行と消滅…

実在論と唯名論がキリスト教に与えた影響について

序 西洋中世のスコラ学において、普遍的なものと個々の事物の関係について論争があった。いわゆる「普遍論争」である。 一方において、「普遍的なものが個物に先だって存在する」という主張が為された。これが「実在論」(Realism)である。これに反対して、…

正統的キリスト教とは何か -アリウス主義とニケア正統主義の闘い-

正統的キリスト教とは何か。その基準はどのようなものか。この問題について議論することが教会会議の重要な目的の一つであり、この問題に答える文書が「信条」である。アリウス主義とニケア正統主義の闘い、原ニケア信条とニケア・コンスタンティノポリス信…