KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

牧会

過疎地の教会は、どうしたらよいのか

極端かもしれませんが、仮想の例題を一つ。Y市は、かつて人口10万人を誇った炭鉱町でした。ところが、炭鉱が閉山した後、人口がどんどん減って、1万人を切るまでになりました。昭和の初期にH教団のN監督が、T牧師夫妻をその町に派遣しました。炭鉱が盛んだ…

聖徒の凱旋 -堀江優兄を偲んで-

私どもの教会では、ここ1~2年の間に、敬愛する兄姉が次々と天に召されました。どなたも主の恵みによって守られて、立派に天国に凱旋されました。分けても堀江優(まさる)兄の御召天は、特筆すべき教会の重大事と思います。 弱さのうちにこそ 2011年1…

なぜ日本イエス・キリスト教団では幼児洗礼を行っていないのか

幼児洗礼 - Wikipedia 筆者は関西聖書神学校を卒業してから、日本イエス・キリスト教団の教職となり、8年間伝道牧会をした後、神戸ルーテル神学校のM.Div課程で学んでおります。伝道牧会をしながらなので、十分な時間はとれないのですが、ここでの学びは非…

姥捨て山は今もある!

竹井真子(たけい まさこ)さん(仮名)は、定年まで教師を勤め上げた、聡明で温和なご婦人でした。退職後は、病気を持つ夫君の世話をして、そのご主人を先に天に送りました。その後、真子さんは、ひとり娘の泰代(やすよ)さん(仮名)と二人で、小綺麗なア…

幼児洗礼についてどう考えるか

幼児洗礼 - Wikipedia キリスト教には多くの教派がありますが、「洗礼」(浸礼、バプテスマ)という基本的な儀礼に関しては、「幼児洗礼」を行う教派と「成人洗礼」を行う教派、洗礼を行わない教派に大別できます。幼児洗礼とは一般的に、信者である両親が、…

臨死体験は死の体験ではない!

『天国は、ほんとうにある―天国へ旅して帰ってきた小さな男の子の驚くべき物語』著:トッド・バーポ、リン・ヴィンセント、 訳:阿蘇品友里 (2011/10/17) この本は、アメリカや日本のクリスチャンの間で、結構、話題になっているようです。しかし、「聖書」…

預言・聖書・教会・神学

1.どうしたら、神のみ心を知ることができるか私たちキリスト者は、神のみ心にかなった、正しい選択をしたい、あるいは、しなければならない、と思っています。では、何によって、どのようにしたら、神のみ心=ご意志を知ることができるのでしょうか。これ…

不当な苦しみを受けた時に

【聖書】 もしだれかが、不当な苦しみを受けても、神を仰いでその苦痛を耐え忍ぶなら、それはよみせられることである。 悪いことをして打ちたたかれ、それを忍んだとしても、なんの手柄になるのか。 しかし、善を行って苦しみを受け、しかもそれを耐え忍んで…

トランスフォーメーション

主を待ち望む者は、新たなる力を受けて、昇ることができる。 走っても疲れず、歩んでも倦まず、鷲のように昇る。 ◆トランスフォーメーション・セミナー アメリカや日本で、ニューエイジ系のトランスフォーメーション・セミナー(transformation seminar、自…

代替家族(ウェブスター=スミス宣教師と日の出女児園)

「ご覧なさい。この方たちが私の母であり、私の兄弟です」(マルコ3:34) イエス様が挑戦しておられた共同体の形成は、まさに「代替家族」です。 私の母教会である明石人丸教会は、アイリーン・ウェブスター=スミス宣教師が始めた「Sunrise Home 日の出女児…

ホーリネス運動とリバイバリズム(日本イエス・キリスト教団のルーツ 04)

この2月に、日本の各地でケズィック・コンベンションが開催されています。日本イエス・キリスト教団の母体である日本伝道隊は、1903年に本場・英国のケズィック・コンベンションにおいて持たれた祈り会から始まったミッションです。ケズィック・コンベンシ…

バックストンは教会形成に関心が無かったのか(日本イエス・キリスト教団のルーツ03)

B. F. バックストンは「教会形成に関心が無く、説教の目標は個人の回心と聖霊による「きよめ」に集中する」という意見があります(山口陽一「日本プロテスタント・キリスト教史における説教」『福音主義神学 第43号』21頁、2012年)。これは全くの誤解です!…

「罪人を招くために」ルカの福音書5章27~32節

【金言】医者を必要とするのは丈夫な者ではなく、病人です。わたしは正しい人を招くためではなく、罪人を招いて、悔い改めさせるために 来たのです。(ルカ5:31~32) 1.愛による交わり 主イエスが宣教の拠点としたカペナウムは、エジプトとダマスコを結…

「イエスの権威」ルカの福音書4章31~44節

【金言】人々は、その教えに驚いた。そのことばに権威があったからである。(ルカ4:32) いつの時代にも人の一生は戦いの連続である。信仰生活にも戦いがある。私たちはどうすれば勝利していけるのか。信仰の創始者である主イエスに学びたい。 1.権威ある…

「キリストの律法」ガラテヤ人への手紙6章1~18節

【金言】互いの重荷を負い合い、そのようにしてキリストの律法を全うしなさい。(ガラテヤ6:2) ガラテヤ書の講解説教を続けてきたが、今回が最終回である。まず、これまでの話を簡単に振り返ってから、今日のテキスト、第6章を見たい。 1.律法への隷属…

「律法から自由な愛へ」ガラテヤ人への手紙5章1~15節

【金言】兄弟たち。あなたがたは、自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕えなさい。(ガラテヤ5:13) 1.割礼は要らない キリストの贖いによって、異邦人も罪が赦され、神に義と認められ、神…

経済に関する聖書の言葉(1)

主は、わたしたちのためにいのちを捨てて下さった。それによって、わたしたちは愛ということを知った。それゆえに、わたしたちもまた、兄弟のためにいのちを捨てるべきである。 世の富を持っていながら、兄弟が困っているのを見て、あわれみの心を閉じる者に…

「神の子とされたから」ガラテヤ人への手紙4章1~20節

【金言】あなたがたは子であるゆえに、神は「アバ、父」と呼ぶ、御子の御霊を、私たちの心に遣わしてくださいました。(ガラテヤ4:6) 1.神の子とされたから ユダヤから来た律法主義者たちに惑わされて、ガラテヤの信徒たちは律法の奴隷に逆行しつつあっ…

「約束による相続人」ガラテヤ人への手紙3章15~29節

【金言】もしあなたがたがキリストのものであれば、それによって アブラハムの子孫であり、約束による相続人なのです。(ガラテヤ3:29) 1.約束の有効性 パウロはこれまで、律法の行いではなく、キリストに対する信仰によって人は義と認められる、と説い…

「信仰による祝福」ガラテヤ人への手紙3章1~14節

【金言】このことは、アブラハムへの祝福が、キリスト・イエスによって 異邦人に及ぶためであり、その結果、私たちが信仰によって約束の御霊を受けるためなのです。(ガラテヤ3:14) 1.律法か信仰か、肉か御霊か 3章からいよいよ本論に入る。 パウロはま…

『教会福音讃美歌』について

教会福音讃美歌 『教会福音讃美歌』という新しい讃美歌集が発行された。これを見て、疑問に思ったことがある。 (1)なぜ文語体の「主の祈り」や「使徒信条」がそれぞれ二つずつ掲載されているのか? 『讃美歌21』のように文語体と口語体で違う形のものが複…

「信仰義認」 ガラテヤ人への手紙2章1~21節

【金言】人は律法の行いによっては義と認められず、ただキリスト・イエスを信じる信仰によって義と認められる、ということを知ったからこそ、私たちもキリスト・イエスを信じたのです。(ガラテヤ2:16) 1.無割礼の人々に与えられた福音 パウロは回心後3…

「いやしの恵み」 使徒の働き28章1~10節

【金言】信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。(マルコ16:17~18) 1.人の助け …

「主の任命と派遣」使徒の働き26章9~23節

【金言】それは 彼らの目を開いて、暗やみから光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、わたしを信じる信仰によって、彼らに罪の赦しを得させ、聖なるものとされた人々の中にあって 御国を受け継がせるためである。 (使徒26:18) 1.パウロの忍耐 パウロは、…

福音派の礼拝は、なぜ貧しいのか(2)

Juan de Juanes(1523-1579) : The Last Supper kanai.hatenablog.jp 今回は礼拝の内容について考察してみましょう。 1.神に献げる犠牲か、神から受ける賜物か まず、聖餐論から始めます。主の晩餐=聖餐の礼拝は、初代教会において、ユダヤ教とキリスト教…

現代音楽の礼拝への導入について

筆者は、関西聖書神学校を卒業して、伝道者となってから、11年余りになります。初めに北海道岩見沢市で5年間、開拓伝道に従事。次に、鎌倉で3年間牧会。その後、神戸ルーテル神学校で2年間学びつつ複数の教会で説教。そして現在、神戸で牧会2年目に入っ…

福音派の礼拝は、なぜ貧しいのか

サンドロ・ボッティチェリ《 東方三博士の礼拝 》1490-1500年 ウフィツィ美術館 ウフィツィ美術館展 » 上野・浅草ガイドネット 「福音派の礼拝は、なぜ貧しいのか」。これは古い伝統を持つ教会の礼拝と、いわゆる福音派の教会の礼拝、両方を体験した人から、…

石居正己著『教会とはだれか』

私は仕事柄、礼拝論・礼拝学に興味がありまして、ここ数年、関係する本を漁っています。その中で、スゴイ本が一つありました。 石居正己著『教会とはだれか ー ルターにおける教会』(リトン、2005年)です。 「Gottesdienst Divine Service 神の奉仕として…

「死を覚悟して」使徒の働き21章1~16節

【金言】私は、主イエスの御名のためなら、エルサレムで縛られることばかりでなく、死ぬことさえも覚悟しています。(使徒21:13) 私たちは、何のために生きて、何のために死ぬのか。パウロの言行からキリスト者の死生観を学びたい。 1.共に生きる喜び パウ…

「牧者の心」 使徒の働き20章28~38節

【金言】聖霊は、神がご自身の血をもって買い取られた神の教会を牧させるために、あなたがたを群れの監督にお立てになったのです。(使徒20:28) パウロがエペソ教会の長老たちに語った告別説教から、今回は「牧会」について共に学びたい。 1.牧者の任命 教…