「使徒の任務」使徒1:15~26
【金言】この務めと使徒職の地位を継がせるために、このふたりのうちのどちらをお選びになるか、お示しください。 (使徒の働き1:25)
神はこの世で御業を進めるために人をお用いになる。神に用いられる人について、使徒選出の記録から学ぼう。
1.使徒の任務
キリスト信徒は皆「兄弟」(15,16)であり、「仲間」(17)である。しかし、教会は「仲良しクラブ」ではない。教会は神から託された聖なる使命を果たす公的な機関である。それゆえ主イエスは、教会の指導者となるべき12人の弟子を選び、彼らを「使徒」と呼ばれた(ルカ6:12-16)。使徒(アポストロス)とは「職権を委ねられて遣わされた者、全権大使」の意である。
彼らの任務は、
①神の国を宣べ伝え、
②病人をいやし、
③イエスの死と復活を証しすることである(ルカ9:1-2、24:45-48)。
彼らはすでに主イエスから霊的な力と権能を与えられていたが、さらに聖霊の力を受けて、
④全世界に派遣されることになっていた(使徒1:8)。
2.使徒の条件
ところが、12弟子の一人であるイスカリオテのユダは、主を裏切って敵の手に渡し、自害してしまった。そこで、ペテロは欠員を埋めることを提案した。
彼が示した使徒の条件は、
①主イエスの公生涯において共に生活した者で、
②主の復活の証人であること
だった。もちろん使徒は、
③神に選ばれた者でなければならない。
3.使徒の選び
ペテロの提案を受けて、人々は、
①条件に合った二人の候補を立てた。
そして、彼らは、
②「この二人のうちのどちらをお選びになるか、お示しください」と主に祈り、
③くじを引いた。
くじはマッテヤに当たった。
12使徒には特殊な職務があり(ルカ22:30、黙示録21:12-14)、これ以降、補充はなされない。しかし、使徒と呼ばれる人々はパウロを始め、幾人も現れた(第一コリント15:7)。
この使徒選出の記録は、牧師(監督)、長老、執事(17、25)選出のひとつの手本と見ることができる。私たちは、それぞれの任務の性質を理解し、祈って、慎重に役員や奉仕者を選ばなければならない。そして、役員や奉仕者の任務遂行のために祈り、協力して、共にキリストの教会を建て上げよう。