「伝道者の心」使徒の働き20章17~27節
【金言】ユダヤ人にもギリシヤ人にも、神に対する悔い改めと、私たちの主イエスに対する信仰とをはっきりと主張したのです。(使徒20:21)
パウロの第3回宣教旅行は終盤を迎える。
パウロは、エペソを中心として小アジアの各地で、3年ほど宣教活動を行った。その後、彼は弟子たちに教会をゆだねて、マケドニヤへ渡り、兄弟たちを励ました。そして、ギリシヤに下ったが、ユダヤ人の陰謀を知ったため、引き返して、トロアスに行った。そこから岸に沿って船を進め、ミレトに来た。
1.伝道者の生き様
パウロは、エルサレム行きを急いでいたため、エペソには立ち寄らなかった。しかし、どうしてもエペソの長老たちに会いたくて、彼らをミレトに呼び寄せた。
当時、パウロの反対者や異端の活動が盛んになりつつあった。パウロは、自らの宣教について弁明し、福音の真理と教会をしっかり守るようにと彼らを励ましたかったのである。
まず、パウロは自らの生き様を模範として提示した。彼は多くの試練に耐えて、仕え続けてきたのである。
2.伝道者の任務
パウロは、悔い改めと信仰を人々に、力強く証ししてきた。そして、神の計画の全体を信徒に教え、信仰の歩みについて指導した。彼は、主イエスから託されたこの任務を果たすために、命がけで働いてきたのである。
今、パウロは「御霊に縛られて」エルサレムに行く。そこでは投獄と苦難が待ち受けている。それでも、彼はひたすら自分の決められた道を走り通すのみである。
3.伝道者の心
それにしても、自ら伝道し、愛をもって育てた人々との別れはつらい。これが伝道者の心である。
神は、ひとりひとりに対して、どれほど大きな愛を持っておられることか。神は、最愛の御子を犠牲にしてまで、私たちを救おうとされたのである。神は、この愛を理解する人、この愛に生きる人を、求めておられる。
私たちも、失われた魂を追い求め、神からゆだねられた人たちを最後まで愛し通したい。