【金言】これは、わたしの愛する子、わたしはこれを喜ぶ。彼の言うことを聞きなさい。(マタイ17:5)
1. イエスの栄光
受難の告知から<六日たって、イエスはペテロとヤコブ、その兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に>登られた。それは祈るためであった(ルカ9:28)。
すると彼らの目の前で、イエスの<御姿が変わり、御顔は太陽のように輝き、御衣は光のように白くなった>。その輝きはイエスの神としての栄光を表す(使徒26:13、黙示録1:16)。真白な衣は天上に住む者の特徴である。
2.イエスの使命
<しかも、モーセとエリヤが現われてイエスと話し合っているではないか>。
三者は、イエスがエルサレムで遂げる<最期>(エクソダス)について話していた(ルカ9:31)。イエスは、旧約聖書が預言するメシア(キリスト)としての使命を果たすために、天から降ってこられ、十字架刑に処されて死ぬのである。
ところがペテロはこう言った、
「よろしければ、私がここに三つの幕屋を造ります。あなたのために一つ、モーセのために一つ、エリヤのために一つ」。
これは賓客をもてなす行為である。ペテロは彼らをとどめて、ここを聖地としたいのか。彼はイエスを、彼らと同列の預言者くらいにしか理解していなかったのである。
3.イエスの臨在
すると、<光り輝く雲>がその人々を包み、雲の中から
「これは、わたしの愛する子、わたしはこれを喜ぶ。彼の言うことを聞きなさい」
という声がした。
輝く雲は神の臨在を表す(出エジプト40:34)。イエスは天父の御心によって遣わされた神の御子である。御子の来臨は直接的・決定的・最終的な神の啓示である。
弟子たちは恐れてひれ伏した。イエスは近づき、彼らに手をおいて言われた、
「起きなさい、こわがることはない」。
彼らが目を上げると、イエスの他には誰もいなかった。
<ただイエスおひとりだけ>を救い主と崇め、御言葉を聴き、従っていこう。