【金言】私たちは、さらに確かな預言のみことばを持っています。夜明けとなって、明けの明星があなたがたの心の中に上るまでは、暗い所を照らすともしびとして、それに目を留めているとよいのです。 (ペテロ第二 1:12~21)
1.偽教師の出現
この手紙が書かれた紀元60年代に小アジアでは、偽教師が現われて、異端の教えを説いたため、教会の中に混乱が起こっていた。偽教師は、イエス・キリストの十字架の死による罪の贖いまでも否定した。
これに対して使徒ペテロが出した処方箋は、福音の真理を「思い起こす」ことであった(12、13、15)。神が聖霊を用いて、預言者たちによって語り、聖書に書き記された言葉は、変わることがない確かな真理である。この御言葉にこそ、人を救う力がある。
2.正統と異端
「正統」と「異端」を区別する基準は何か。それは、旧新約66巻の聖書=「正典」と、教会が公式に認定した聖書教理の体系=「信条」である。では聖書の「正典」と「外典」「偽典」は、どのように区別されたのか。
旧約聖書については、ユダヤ教が紀元1世紀の終わりに認定した39巻を、我々プロテスタントは正典とする。
新約聖書については、使徒たちの教えを正しく伝えていること、すなわち使徒的権威を基準として27巻を正典とした。
それは、聖なる預言者たちによって前もって語られたみことばと、あなたがたの
使徒たちが語った、主であり救い主である方の命令とを思い起こさせるためなのです。(ペテロ第二3:2)
12使徒は主イエスから直接、旧約聖書の解釈を教授されている。
さて、そこでイエスは言われた。「わたしがまだあなたがたといっしょにいたころ、あなたがたに話したことばはこうです。わたしについてモーセの律法と預言者と詩篇とに書いてあることは、必ず全部成就するということでした。」そこで、イエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて、こう言われた。「次のように書いてあります。キリストは苦しみを受け、三日目に死人の中からよみがえり、その名によって、罪の赦しを得させる悔い改めが、エルサレムから始まってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる。あなたがたは、これらのことの証人です。(ルカ24:44-48)
聖書は<私的解釈を施してはならない>公的な文書である。聖書の<預言>は、<聖霊に動かされた人たちが、神からのことばを語った>ものだからである。
3.みことばに目を留めて
聖書の内容は具体的な歴史性を持っている。神の御子イエスは、人類を救うために、人間の肉体をもって生まれ、宣教し、死んで、復活された。ペテロは<聖なる山で>、神としての栄光に輝く主イエスを見た。そして、天から響く父なる神の御声を聴いた。キリストが再臨される<夜明け>には、すべての人がその栄光を見る。
異端の教え・団体は今日でもたくさんある。それらに惑わされて、引き込まれ、抜け出せなくなっている人が大勢いる。我々は聖書の真理をしっかりと学んで、唯一の救いの道であるイエス・キリストを証ししよう。