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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

自治会町内会と神社とキリスト者

論説 宗教学 日本 行政 歴史 キリスト教倫理

日本の地域社会には自治会や町内会という住民の自治組織があります。名称はその他にも、町会、住宅管理組合等、様々ありますが、基本的な性格は同じです。
筆者は、横浜市の職員をしていた頃に2年間、自治会町内会に関する業務を担当したことがあります。
日本のキリスト者は、自治会町内会が神社と深い関係を持っていることに悩む場合があります。筆者の経験を交えつつ、この問題について考察してみます。


1.自治会町内会の公共的性格について

自治会町内会は日本古来のムラ社会の名残であり、特に徳川幕藩体制下の五人組制度の影響が残っています。アジア・太平洋戦争においては、これが
隣組制度となってフル稼働しました。現代でも、日本の行政と自治会町内会は、非常に密接な協力関係にあります。

地方の行政機関は自治会町内会に多くの活動を依頼しており、その報償として市区町村の会計から1世帯あたり◯◯◯円の地域活動振興費が各自治会町内会に支出されています。他にも防犯協会や体育協会など名称や管轄は異なりますが、同様のことがいくつもあります。

 

ですから、自治会町内会は公共的な性格を持っているわけです。自治会館・町内会館・公民館など不動産を持つ場合には、自治会町内会も地方自治体の認可によって法人格を持つことができます。それらの会館の建築においては、地方自治体から補助金の支給や融資がなされる場合もあります。

 
2.自治会町内会と神社の関係について
 

自治会町内会が神社と深く結びついていて、組織も会計も分離されていないというケースは、珍しくありません。しかし、自治会町内会は税金と住民の会費で運営しているわけですから、それはよくありません。


神社には、いくつかの種類があります。国家神道、教派神道、無教派の神道と言ってよいでしょうか。

 

 国家神道系の神社は、神社本庁の傘下で宗教法人格を持っています。教派神道も宗教法人となっている場合があります。これらは当然、自治会町内会と明確に分離すべきです。行政から宗教法人の宗教活動に対して補助金が支給されるということは、政教分離の原則に反しており、あってはならないことです。

 

法人格を持たない神社も多くあり、神社の境内が古くから共有地になっていて、個人や法人の名義では登記されていない、ということもよくあります。そして、町内会館が神社の境内に建っていることもあります。
それでも、やはり自治会町内会と神社は、組織も会計も明確に分離すべきでしょう。


自治会町内会を設立する時または会館を建てる時に、筆者は地域のリーダーに、神社の氏子の会とは組織的にも会計的にも分離するように指導しました。そのためにオリジナルの『地域活動ハンドブック』を作って配布しました。

 

3.キリスト者の地域共同体への参加について

 

キリスト者は、祭りなど自治会町内会や神社が関わる地域の行事に、参加すべきでしょうか。あるいは、参加すべきではないのでしょうか。

この問題の答えは単純ではなく、おそらく状況によって異なると思います。

そして、誰もこの問題で他の人を裁かない方が良いと思います。主の御前で、また自らの良心において裁かれることで十分でしょう。

なぜなら、地域共同体を保持するということには、善の部分も小さくないからです。

 

聖書は血縁や地域社会、国家という共同体を大変重視している、と筆者は理解しています。

我々キリスト者としては、偶像崇拝を避けつつ、可能な限り地域共同体の営みを尊重して、協力・参加するのが良いでしょう。

 

宗教に由来する行事や習慣でも、今日どの程度の宗教性が残存しているか、それは実に様々でしょう。

幼稚園で七夕の時に子どもたちに、紙に願い事を書いて竹の葉に吊るさせていることもあります。

小学校や中学校の学習の一部として、生徒が地域の祭りの神輿を担いでいる場合もあります。
 

これらには賛否両論があるでしょう。何よりも大切なのは、それらが何であるのか、ということを、大人も子どもも調べて、考えることでしょう。
キリスト者の信仰と偶像に対する考え方を、地域の人たちに理解してもらう努力も大切です。