KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

エコロジー

福音派と共産党の共闘?(4)

最近、筆者は、①小林多喜二の母・セキの一生を描く三浦綾子著『母』、②プロレタリア文学の金字塔・小林多喜二原作『蟹工船』劇画版、③高橋秀典著『聖書から見るお金と教会、社会』を読みました。 小林多喜二をはじめ、共産党に身を投じた人々の多くが求めた…

徒然経済学

筆者が大学で経済学を学んだのは、もう30年ほども前、バブル経済の末期でした。数学を駆使した数量経済学の最盛期でしたが、私は逆に「人間の行動なんてそんなに合理的でもないべ。なんか嘘っぽいな」と思いました。数学が好きじゃなかっただけかもしれま…

【推薦書】『ブッダのことば』

【推薦書】中村元訳『ブッダのことば:スッタニパータ』岩波文庫 ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫) 作者: 中村元 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1958/01 メディア: 文庫 購入: 23人 クリック: 170回 この商品を含むブログ (131件) を見る 生・…

「社会運動」だぜっ!

社会運動2014.9 No.414 作者: 柄谷行人、上野千鶴子、津島佑子,港千尋 出版社/メーカー: インスクリプト 発売日: 2014/09/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 『社会運動』。この雑誌の編集主幹をしている澤口隆志さんには、大変お世話…

右も左もわからぬ人に対するお節介な助言

1.右翼と左翼 地球は丸い。 右に直進する人と、真逆に左に直進する人は、反対側で再び出会うことができる。これを政治になぞらえるなら、極右も極左も全体主義という性格において共通している。 右翼とは保守派、自由主義であり、極右は国粋主義、復古主義…

福音派と共産党の共闘?

序、福音派と共産党の共闘?最近、共産党系の団体や人々と行動を共にする福音派のクリスチャンが多いことに、私は疑問を感じています。「たまたま共通の目標があったから、共闘しているんだ」ということなら理解できなくもないのですが、主張している内容や…

俳句集(自作)

✿❀✿ 春 ✿❀✿ 雪溶けて 顔を覗かす 蕗の薹(フキノトウ) 雪解けの 冷たき水も 春歌う 三笠山 覆う 若草 春は来ぬ 春風よ 今年は何を 運ぶのか 桜散る 葉桜もまた 桜なり 梅雨に濡れ なお艶やかな 紫陽花(あじさい)よ 紫陽花の 色は変われり 夏近し ✿❀✿ 夏 ✿…

諫早湾の排水門、開かず

2013年12月20日、諫早湾の潮受け堤防の排水門は、ついに開かなかった。福岡高裁が、この日までに水門を開けるよう命令していたのに、国はその法的義務を履行しなかったのだ。これは異例の事態であり、重大な問題だ。 諫早湾干拓事業に関しては、漁業者、農業…

TPP交渉参加について--世界の変化と日本の政治・経済

1.アメリカのねらい今日から日本もTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement 環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉に参加します。 「TPPでアメリカが標的としているのは、日本の市場である」という指摘を、よく見聞きします。TPP交渉参…

赤と緑の連合(社会主義とエコロジー)

ヨーロッパのエコロジー運動には長い歴史がありますが、「赤と緑の連合」というポリシーを掲げる人たちが昔からいます。つまり、強力な国家権力によらなければ、エコロジーは進んでいかない、というのです。ドイツでは1998年から2005年まで社会民主党と緑の…

大転換へ向かう日本の経済学

1.日本におけるエコロジー経済学の先駆者たち筆者が千葉大学の工藤秀明ゼミでエコロジー経済学を専攻したのは、もう20 年余り前になる。1986年4月に起こったチェルノブイリ原発事故を契機に、その頃は日本でも反原発の巨大なうねりが生まれていた。 www.d…

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)について(1)

1.TPPこそ重要な争点だ!今日、衆議院が解散して、政治家たちは本格的に総選挙に向かって動き出しました。今度の選挙では、脱原発や外交・国防、地方分権など、国の将来を左右する重要な争点が多くあります。TPP(Trans-Pacific Strategic Economic …

宣教師と商人と軍隊 ー 文明社会とキリスト教の関わりについて ー

生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。(創世記1:28) 土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。あなたは、一生、苦しんで食を得なければならない。(同3:17) フクシマの原発事故以降、日本…

エコロジー革命のすすめ 01 リベンジ

1.リベンジ 2011・3・11。福島第一原発事故。あの日から我々日本人は、再び原子力発電の問題を切実に考えるようになりました。「再び」というのは、チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)の後にも、「反原発」の運動や議論が盛んになされたからです。 …

地球温暖化問題の検証

この7月にグリーンランドで、ほぼ全域の氷床が融解しました。高気圧が覆って、暖かい空気が通ったことが原因と思われます。厚い氷床の大部分は残っており、再び凍結が始まっているようです。 こうした現象は、ほぼ150年に1度の割合で起こっており、今回も…

エコノミーとエコロジー ー脱原発の経済社会システム構築に向かってー

大飯原発の再稼働が始まり、脱原発を訴える市民のデモが、東京を中心として盛んになりました。しかし、「それだけでは強大な政治権力を動かすことができないのではないか、かつての安保闘争やチェルノブイリ後の反原発運動のように、この運動もしぼんでいく…

坂本龍一氏の名演説(2012年7月16日、東京・代々木公園)

【参照】http://www.youtube.com/watch?v=EiKFO190IEw&feature=youtu.be 皆さん、こんにちは。 今もこちらにたどり着くのが非常に困難で、それほどの人並みです。4階以上あるそうなんですが、それもみんな人で埋まっているという。。。 ちょうど思い起こせ…

【推薦書】池上彰「そうだったのか!」シリーズ(文庫版)、他

これは皆様よくご存知でしょう。NHKを中心にジャーナリスト生活を40年近く続けてきた池上氏ならではの傑作! ベストセラーシリーズです。・重要な情報が正確に書かれている。・コンパクトにまとめられていて、読みやすい。・ 箇条書きではなくて、ストー…

今、我々が為すべきこと —大飯原発再稼働にあたって—

大飯原発の再稼働が始まり、今、国論が二分している。また、民主党が分裂して、日本の政治はまた流動化し始めている。この時局において、我々が為すべきことを数点、指摘したい。 1.的確な情報を収集しよう まず、的確な情報を収集することが大切だ。一部…

脱原発におけるキリスト教の役割

「日本が原発を持つのは、その気になれば1年以内に核武装できるように備えるためだ。原発は減らすべきだが、安全保障のために残さなければならない」。これは政界きっての防衛通として知られる、石破茂代議士(自民党)の意見です。http://www.youtube.com…

フィリピン・ネグロス島の話 01

20年ほど前に、筆者がフィリピンのネグロス島で、神父や農業労働者、子どもなどから聞いた話を総合して、紹介します。(簡単・大雑把ですが)。 ☆ ☆ ☆ スペインから来た侵略者と彼らに結託した地元の有力者たちによって、農地が独占され、農民は土地無し日雇…

脱原発依存の経済へ

1.原発問題の特殊性 東日本大震災がおこってから1年が経ちました。この地震がもたらした災禍には、他の震災と大きく違う点があります。それは福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の問題です。 原子力発電の問題は、他の問題とは明確に区別して議…