2021年9月12日(日) 日本バプテスト同盟 門真キリスト教会 主日礼拝説教
【聖書】使徒言行録6章1~7節
1 そのころ、弟子の数が増えてきて、ギリシア語を話すユダヤ人から、ヘブライ語を話すユダヤ人に対して苦情が出た。それは、日々の分配のことで、仲間のやもめたちが軽んじられていたからである。2 そこで、十二人は弟子をすべて呼び集めて言った。
「わたしたちが、神の言葉をないがしろにして、食事の世話をするのは好ましくない。3 それで、兄弟たち、あなたがたの中から、“霊”と知恵に満ちた評判の良い人を七人選びなさい。彼らにその仕事を任せよう。4 わたしたちは、祈りと御言葉の奉仕に専念することにします」
5 一同はこの提案に賛成し、信仰と聖霊に満ちている人ステファノと、ほかにフィリポ、プロコロ、ニカノル、ティモン、パルメナ、アンティオキア出身の改宗者ニコラオを選んで、6 使徒たちの前に立たせた。使徒たちは、祈って彼らの上に手を置いた。
7 こうして、神の言葉はますます広まり、弟子の数はエルサレムで非常に増えていき、祭司も大勢この信仰に入った。
【説教要旨】「教会役員の選任」金井 望
1.教会役員の必要性
エルサレム教会は経済的弱者を支援していた。その「日々の分配で仲間のやもめたちが軽んじられている」という苦情が、ギリシア語を話す信者(ヘレニスト)たちから出た。
当時のユダヤ人は、パレスチナで生まれ育って、主にアラム語とヘブライ語を使うヘブライストよりも、異邦で生まれ育って、主にギリシア語を使うヘレニストのディアスポラ(離散民)の方がはるかに多かった。エルサレム教会でも、ヘブライ語聖書(旧約聖書)を使う弟子たちと70人訳ギリシア語聖書(旧約聖書)を使う弟子たちがいて、両者のコミュニケーションがうまくいかなかったのである。
使徒たちはこの問題の対応に追われて、御言葉の奉仕に支障が出た。そこで教会の実務を担う役員を立てることになった。
2.教会役員の選出
12使徒は弟子全員を集めて、ヘレニスト信徒の中から7人の役員を選出させた。
3.教会役員の適性
12使徒は役員人選の条件として、次の三つを挙げた。
①聖霊に満ちた人
②知恵に満ちた人
③評判の良い人
ステファノやフィリポは御言葉の宣教においても力ある奉仕者であった。
4.教会活動の優先順位
12使徒はこう述べている。
「わたしたちが、神の言葉をないがしろにして、食事の世話をするのは好ましくない。(中略)彼らにその仕事を任せよう。わたしたちは、祈りと御言葉の奉仕に専念することにします」(2-4)
教会に役員を設けたのは、使徒たちが祈りと御言葉の奉仕に専念するためであった。教会は何よりも礼拝と宣教を重視すべきである。
5.教会役員の任命
弟子たち一同は12使徒の提案に賛成して、7人を選び、使徒たちの前に立たせた。使徒たちは祈って、彼らの上に手を置いた。彼らは神の御前で聖別され、聖霊の力を注がれて、任命された。教会の運営体制が整ったため、それから宣教が拡大し、入信して弟子に加わる人々が非常に増えた。
教会役員は、自らの選任に主の導きがあることを信じて、忠実に職務に励むべきである。その働きに、主は豊かな収穫をもって報いてくださる。