KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

8月11日は御茶ノ水へ Go!

8月11日(月・祝) 午後1時30分
御茶ノ水に集まりましょう!ぜひ!

salty-japan.net

SALTY特別集会 8.11 in 東京

 「今回の世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に対する解散命令は、日本国憲法によって国民に保障された信教の自由を損なうものではないか」ということが、私たち【SALTY】の問題提起です。

 もちろん私たちキリスト者は、旧統一協会の教義を「異端」と認識しており、旧統一協会関係者が行った反社会的活動を肯定することは決してありません。だからといって、現在の家庭連合の信者たちの(人権の一部である)「信教の自由」を侵害して良いわけではありません。

 「宗教法人としての認証が取り消されても、宗教団体としての活動はできるのだから、解散は問題無い」という意見も見聞きします。しかし解散によって法人格を失うことになれば、宗教活動に支障が生じ、社会的に不利となることは避けられません。

 今回の家庭連合に対する解散命令については、国家機関が適正な手続きを踏んでいるのか、疑問があります。これを許したなら、宗教法人に対する国家権力の不法で過度な干渉を認める方向に進むおそれがあります。異端カルトうんぬん以前の問題として、私たちキリスト者もこれを問題視すべきではないでしょうか!

 今回の集会には宗教的にいろいろな立場の人たちが集まるかと思いますが、「信教の自由を守る」という一点においてすべての宗教者が共闘すべきでしょう。

 近代の法の歴史において信教の自由を勝ち取ったのはプロテスタントだ、という史実を根拠として、「日本国憲法に規定された信教の自由も、戦前戦中の日本の国家によるキリスト教弾圧というコンテクストにおいて理解すべきだ」という主張が、日本のキリスト教メディアやキリスト者個人などの言論においてしばしば見られます。

 ホーリネス教会弾圧事件は有名ですが、戦前戦中において日本の国家機関によって弾圧された宗教者は、キリスト教徒だけではありません。国家による弾圧は大本(教)、ひとのみち(PL教団の前身)、新興仏教青年同盟、ほんみち(天理教の分派)、創価教育学会(創価学会)、灯台社(ものみの塔)など諸宗教に及びました(『宗教弾圧を語る』岩波新書、参照)。

 戦後80年を迎えたこの年に、私たち日本のキリスト者は、信教の自由についてより広い視野で考えて行動するようにと、導かれているのではないでしょうか。

【説教】「死の淵より」使徒言行録12章1~25節

ラファエロ作「聖ペテロの解放」ヴァチカン美術館 1514年

2025年3月16日 門真キリスト教会 主日礼拝説教

【聖書朗読】使徒言行録12章1~25節 使徒 12.1-25

【中心聖句】教会では彼のために熱心な祈りが神にささげられていた。使徒12:5)

【説教題・説教者】「死の淵より」金井望牧師

【説教要旨】

  1.教会の熱心な祈り
 紀元41年にヘロデ・アグリッパ1世がユダヤの王として即位した。ヘロデ大王の孫である。彼はローマの皇帝に取り入って、この地位を得た。王はユダヤ教徒の人気を得ようとして、キリスト教会を迫害し、使徒ヤコブを斬殺した。さらに王は教会のトップリーダーであるペトロを捕らえて、投獄した。エルサレム教会の信者たちは彼のために熱心に神に祈った。

  2.主の御使いによる救出
 ペトロは2本の鎖でつながれた。4人一組の兵士4組が交代で寝ずの番をした。二人がペトロの両脇にいて、二人が牢の外を固める。ところが、この厳重な警備を破って、主の御使いがペトロのそばに立ち、彼をつついて起こした。鎖は外れ落ち、御使いはペトロを連れ出した。二つの衛所を抜けて、門の外に出てから、御使いは離れ去った。
 この間ペトロは幻を見ているのだと思っていたが、そこで我に返り、これが現実の出来事だと理解した。彼は仲間の集まる家に行った。彼が門を叩くと、その家の女中が出てきた。彼女はペトロを見て喜び、家の中に走って行って、教会の信者たちにこれを告げた。しかし、彼らは信じない。彼らはペトロのために熱心に祈っていたにもかかわらず、その祈りに対する神の応えを信じなかったのである。彼らはペトロを見て、驚愕した。
 私たちは祈る時に、神がそれを聴いて具体的に応えてくださると、信じて祈っているだろうか?

  3.王の死と宣教の拡大
 ペトロはそこを出て宣教を続けた。その後もヘロデ王はあらゆる所で傲慢な態度をとった。彼が演説をすると、人々は「神の声だ」と叫んだ。すると、主の御使いが彼を撃ち、彼は息絶えた。即位後わずか3年後のことである。教会の宣教はその後ますます盛んに広がっていった。

 神は生きて働いておられる。神御自身が宣教を進めておられるので、教会はいかなる困難をも乗り越えていくことができる。神の力強い御手に信頼して、宣教を続けよう。何ものも神の御業をとどめることはできないのである。

【説教音声】
https://1drv.ms/u/s!AlcIyS_XQNTAiuVvww9oHOSqt7zZCg?e=c1rIVf

闇の世を照らす光(マタイ2:13-23)

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ「エジプトへの逃避の途上の休息」(1423年)ウフィツィ美術館所蔵

日本バプテスト同盟 門真キリスト教
2022年12月11日 待降節第3主日礼拝

◆聖書朗読  マタイによる福音書2章13~23節

 

 占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。

「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている」

 ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。

 さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。

 こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。

「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。

ラケルは子供たちのことで泣き、慰めてもらおうともしない、

子供たちがもういないから」

 ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて、言った。

「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった」

 そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ帰って来た。

しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこ
に行くことを恐れた。

 ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。

 

◆説教  「闇の世を照らす光」金井望牧師

 

  1.闇が支配する世

 

 クリスマスは一年で最も昼が短く、夜の長い時季にある。イエス・キリストが降誕された時に起こった出来事は、この世の闇を象徴している。イドマヤ人であるヘロデ大王は正統的な「ユダヤ人の王」の出現を恐れて、ベツレヘム辺りの二歳以下の男児を皆殺しにしたのである。

 事前に天使がヨセフに夢で警告したため、幼子イエスは両親に連れられてエジプトへ逃れた。しかし、愛する幼子を殺された母親たちの号泣と嘆きは止めどなく響いた。

 

「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。

ラケルは子供たちのことで泣き、慰めてもらおうともしない、

子供たちがもういないから」

 

 それはアッシリア捕囚(前722年)やバビロン捕囚(前586年)の悲劇を想起させた。〈ラマ〉は捕囚民が集合した地であり、イスラエルの始祖ヤコブの妻〈ラケル〉の墓はその近くにあった。

 

  2.闇の世に降誕された主

 

それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 

 

 この悲惨な事件においても、神の計画は預言のとおりに成就した。

 かつてエジプトで奴隷とされていたイスラエル民族は前13世紀(または前15世紀)に、主が遣わしたモーセに導かれてエジプトを脱出し、カナンの地に自分たちの国を築いた。

 その古代イスラエル王国は南北に分裂した後、アッシリアバビロニアによって滅ぼされた。

 バビロンに捕囚とされていたユダヤ人は、ペルシア帝国(アケメネス朝)を興したキュロス王の命によって解放され、前6世紀から前5世紀にかけて帰国して、エルサレムの町と神殿を再建した。

 その後もユダヤ人はギリシア人の帝国(アレクサンドロス王、セレウコス朝)やローマ(共和政、帝政)によって征服され、その支配に苦しむこととなった。

 全人類の救世主であるイエスは、ユダヤ人のひとりとして生まれて、この民族の悲劇的な歴史のただ中にその身を置かれた。だからイエスは、闇の力に苦しむ私たちを理解して、救うことができる憐れみ深い大祭司となることができたのである。

 

  3.闇の世を照らす光

 

 ヘロデ大王は前4年に死んだ。その後、彼の息子アケラオが領主としてユダヤを治めたが、この男は父親以上に残忍であった。彼は即位して間もなく、神殿の境内で3000人以上のユダヤ人を虐殺した。

 ヨセフは夢で天使からお告げを受けたので、幼子イエス、母マリアと共にエジプトを出て、ユダヤに向かった。

 

ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。

 

 「ナザレから何の良いものが出るか」と言って蔑まれたこのイエスこそ、闇の世を照らす希望の光であり、全人類の救い主である。

 

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