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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

「イスラム国」による日本人人質殺害事件の経緯

イスラム国」による日本人人質殺害事件について、事実関係を簡単に追ってみます。


湯川遥菜氏は2014年4月下旬に、シリアに一回目の潜入を行いました。すでに外務省からシリアへの渡航禁止令が出ていました。湯川遙菜氏はすぐに自由シリア軍に拘束されました。その時に、後藤健二が交渉して、湯川氏の解放に成功しています。この時この二人は初対面でした。


シリア内戦視察 第4話 (拘束の生活)|♪ HARUNAのブログ ♪

 


シリア内戦視察 第5話 (トルコ戻りと最前線)|♪ HARUNAのブログ ♪

 

その後、この二人の接触は続いていたようです。


後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係 : 世に倦む日日

 

湯川遥菜氏8月にシリアでイスラム国」に拘束されました。


シリア拘束は民間軍事会社CEOの湯川遥菜さん? ブログで今回の渡航を「今までの中で一番危険かもしれない」 : J-CASTニュース

 

後藤健二は湯川氏の解放に向けて動きましたが、後藤氏の渡航について外務省は反対し、止めようとしたようです。


世耕官房副長官「後藤さん守れなかったのは政府責任」 渡航見合わせ3回要請…身代金交渉「やってない」 - 産経ニュース

 

後藤氏は2014年10月24日に現地ガイドのアラッディン・ザエム氏とシリアのマレアに入り、「1週間たって連絡がなければ、リストにある家族や同業者の電話番号に連絡してほしい」と言って、翌25日に別のガイドとラッカに向かったようです。
アラッディン・ザエム氏は、後藤氏がラッカに向かった理由について、「イスラム国の市民の生活を撮影することと、もう一つは知人の湯川さんの情報を知るためだった」と話しています。

後藤氏はビデオに次のメッセージを残しています。
イスラム国』ISISの拠点と言われますけれども、非常に危険なので、何か起こっても、私はシリアの人たちを恨みませんし、何が起こっても責任は私自身にあります
彼らは現地の事情をよく知っていながら、そのような行動をとったのです。それゆえ、そこで何が起こっても自己責任だということは、本人たちが理解していたはずです。

後藤氏は、10月29日に帰国予定となっていましたから、短期間で湯川氏を連れて戻るつもりだったようです。
ということは事前に、湯川氏を拘束している「イスラム国」の関係者と交渉がある程度成り立っていたと推察されます。
イスラム国」の支配地域に入ってから湯川氏を捜すなどということではありません。
「非常に危険」だけれども、湯川氏を救出できる可能性が小さくはないと判断して、後藤氏は決行したのでしょう。

後藤健二氏は「イスラム国」の拠点となっている北部の都市ラッカに入ったあと、拘束されたとみられています。
2014年11月1日頃に後藤氏からトルコの知人に、「シリアに同行したガイドに裏切られて、武装グループに拘束された」と電話があったようです。
後藤氏と「イスラム国」側の交渉がうまくいかなかったのか、あるいは最初から罠にはめられたのか。

その数日後には「イスラム国」の関係者から身代金を要求するメールが後藤氏の家族に届いたようです。
日本の政府・外務省は、これらの事態を把握していたようです。様々なルートを探して、「イスラム国」との交渉を試みたのでしょう。結局、成功しなかったわけですが。

2015年1月17日安倍晋三首相がエジプトで演説し、中東での人道支援やインフラ整備などの非軍事分野で総額25億ドル(約2900億円)の支援をすると表明しました。イスラム国」(IS)の脅威にさらされているイラク、シリア、トルコ、レバノン難民支援などに総額2億ドルを拠出する考えを示しました。


すると、2015年1月20日にネットにアップされた動画で、イスラム国」のメンバーが「72時間以内に2億ドルの身代金の支払いがなければ、両人質を殺害する」と述べて、世界中に緊張を走らせました。

 

1月24日に、湯川氏の写真を掲げる動画がネットにアップされ、後藤氏とされる声(英語)で「イスラム国」による湯川氏殺害の声明が出されました。

 

2月1日には、「イスラム国」によって後藤健二氏が殺害されたとみられる動画がネットにアップされました。

 
国には国民の生命と財産を守る責任がありますが、ルールを守らず、政府の制止を振りきって渡航禁止地域に行く人にまで責任を負えるでしょうか。
日本国民の大部分は良識として、それは無理だ、と理解しています。

この事件に関して、日本政府の対応を批判する声が多数ありますが、日本は2014年8月にすでに反「イスラム国」の「有志連合」に参加しているということも、理解しておく必要があるでしょう。

 

<今回の日本人質虐殺事件によって日本がアメリカ主導の「対IS戦争」に巻き込まれた、と考えるのは誤りである。同様に一部メディアが主張するように1月の安部首相のイスラエルはじめ中東歴訪と「IS対策としての2億ドル拠出」によって日本が反ISの立場を明確にした、と理解するのも誤りである。
 すでに2014年8月にアメリカ主導でIS支配地域に対する航空攻撃が開始された当時から、アメリカ政府の説明では、日本も60カ国の「有志連合」に含まれていたからだ
引用出典:Japan Business Press 2015.02.05


イスラム国と戦う「有志連合」、まぎれもなく日本は一員である 国際社会にもイスラム国にも通用しない日本の“部外者”意識:JBpress(日本ビジネスプレス)

 

  <参考>

 


「イスラム国」日本人人質事件 タイムライン - 毎日新聞

 


「イスラム国」日本人殺害でメディアが肝に銘ずべき教訓 ――板橋功・公共政策調査会 研究室長|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン