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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

関西聖書神学校と日本イエス・キリスト教団の信仰的立場について(日本イエス・キリスト教団のルーツ02)

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  1.聖書はこう言っている!

 

ルターはこう言った。カルヴァンはこう言った。ウェスレーはこう言った。聖書はこう言っている」。

 

関西聖書神学校の初代校長であり、半世紀にわたって校長を務めておられた沢村五郎師は、このように教えておられた、と私は父・金井由信から聴きました。

 

もちろん、それは、「聖書はこう言っている、と私は理解している」という意味です。キリスト教会、とりわけプロテスタント正統的保守的な神学や聖書解釈の歴史を重んじつつ、常に聖書そのものから学ぶことが大切だ、と自らのあり方をもって教えておられたのでしょう。 

 

沢村五郎師は、小島伊助師と並んで、関西聖書神学校と日本イエス・キリスト教団の信仰に、直接的に最も大きな影響を与えた人物です。

 

  2.沢村五郎師の経歴と聖書学舎・神学校の変遷

 

沢村五郎師(1887年〜1977年)は異色の経歴を持っています。

ハリストス正教会伝道学校で学び、同教会の伝道師になる。

日本伝道隊聖書学校に入学、バックストンやウィルクスに師事する。

・英国・エディンバラ聖書学校に学ぶ。

日本伝道隊聖書学舎(最初は御影にあった)の校長となる。

 

この聖書学舎が現在の関西聖書神学校(神戸市垂水区塩屋町)の前身なのですが、1946〜49年には神戸神学塾(1948年に神戸神学院に改称)と称して、今村好太郎など長老教会の教師たちと合同で神学教育・伝道者養成を行いました。

 

1949年には戦争中に帰国していた日本伝道隊の宣教師たちが戻ってきたので、塩屋の学校は再び伝道隊の聖書学校となりました。その後も沢村師が教えた「組織神学」はチャールズ・ホッジ(19世紀のカルヴァン派の代表的な神学者)の教科書をベースにしたものでした。その講義ノートが印刷・製本されて残っています。

 

神学的には宗教改革の伝統を受け継ぎつつ、霊的・実践的にはリバイバリズムホーリネス運動の流れに生きる。これが沢村師の方針だったようです。

 

沢村師はアンドリュー・マーレーの著書を和訳していますが、マーレーは南アフリカの改革派教会の牧師です。「聖霊バプテスマ」や「第二の恵み」としての「きよめ」を説く伝道者にも、フィニームーディーA.B.シンプソンなど、カルヴィニズムの立場の人が少なからずいたのです。 バックストンはムーディーの伝道によって回心を経験しています。

 

  3.関西聖書神学校と日本イエス・キリスト教団の信仰的立場

 

そもそも日本伝道隊の創設者バークレー F. バックストン師(1860年〜1946年)は終生、英国国教会聖公会)に属していて、司祭としての務めを全うしました。日本伝道隊は、英国ケズイック・コンベンションでのミーティングから出発した、超教派のミッションです。ケズイック運動の教派的な幅の広さは、よく知られるところです。

 

こうした歴史的経緯を見ると、関西聖書神学校の卒業生によって構成される日本イエス・キリスト教団が、ある程度、幅の広い信仰的立場にある理由が、わかるでしょう。

 

ただし、日本伝道隊の現地における最初の主幹であったパジェット・ウィルクス師は、ジョン・ウェスレーの信仰や神学を強く支持していました。そのため、わが教団の信仰は、聖化に関してはウェスレアンに近い立場です。しかし、それ以外のことは、ウェスレーやメソジスト教会の神学や習慣を、必ずしも受け継いではいません。

 

  4.「日本イエス・キリスト教団信仰告白」について

 

わが教団の信仰告白は、「使徒信条」を骨格として、旧新約66巻の聖書を正典(信仰と生活の絶対的基準)とすること(正統的プロテスタントの聖書論)、「三位一体」(古代信条によって定義された正統的キリスト教の根本教義)、「聖霊バプテスマ」による「全ききよめ」(ジョン・ウェスレーやジョン・フレッチャなどに端を発するホーリネス運度の特徴)等を加えた程度のものです。

 

信条主義の教会のように厳密な教理の体系を持たないことが、わが教団の強みでもあり、弱みでもあるようです。

 

【参考資料】「日本イエス・キリスト教団信仰告白」「関西聖書神学校信仰基準」

 

  ■■ 日本イエス・キリスト教団 信仰告白 ■■

 

 わたしたちは信じて、告白します。

 

 新約聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれた、誤りのない神のことばであり、キリストをあかしし、福音の真理を示すもので、教会の拠(よ)って立つただ一つの正典です。聖書は、わたしたちに、神と救いについての完全な知識を与えるものであり、信仰と生活の規準です。

 

 イエス・キリストによって啓示され、聖書にあかしされた唯一の神は、父と子と聖霊の三位一体の神であり、その本質において同一です。

 

 イエス・キリストは、神のひとり子であり、わたしたちを罪から救うために人となり、身代りとなって十字架にかかり、ただ一度、ご自身を完全な犠牲(いけにえ)として神にささげ、あがないを成就されました。その復活は、永遠のいのちの保証です。天に昇られた主は、キリストの日に至るまで、わたしたちのためにとりなしておられます。

 

 わたしたちは、神の恵みにより、ただキリストを信じる信仰によって義とされ、罪をゆるされ、神と和解し、新たに生まれて神の子とされます。わたしたちは、キリストの血によって、すべての罪からきよめられ、神のものとされ、聖霊バプテスマを受け、その内住による全き支配によって、主のかたちに変えられていきます。主は再び来られ、わたしたちを、ご自身の栄光のからだと同じかたちに変えて、永遠のみ国をつぐ者とされます。

 

 教会は、キリストのからだであって、神に召された聖徒の集まりです。教会は、公同の礼拝を守り、主の命(めい)にこたえて、福音を正しく宣べ伝え、聖礼典を行ない、聖徒をととのえ、主に仕えつつ愛のわざを励み、主が再び来られるのを待ち望みます。

 

 わたしたちは、このように信じ、代々の聖徒と共に、使徒信条を告白します。

 

  ■■ 関西聖書神学校 信仰基準 ■■

 

■聖書

新約聖書66巻からなる聖書は、すべて神の霊感によって書かれた誤りのない神のことばであり、私たちの信仰と生活の、唯一で絶対の基準です。

 

■神

聖書に啓示された唯一の神は、父・子・聖霊の三位一体の神であり、すべてのものの創造者、また保持者です。

 

■人間

人類の父祖アダムは、神のかたちにかたどって創造されましたが、サタンの誘惑により神の戒めにそむいて罪を犯しました、それゆえ、すべての人間は罪の性質を持ち、その思いとことばと行動において罪あるものです。

 

イエス・キリスト

イエス・キリストは、受肉した神の子であり、人間のすべての罪のために身代わりとなって十字架にかかり、死んで葬られ、よみにくだり、三日目によみがえり、天に昇り、私たちのためにとりなしをしておられます。

 

聖霊

聖霊は、この世にいまし、働いておられる神であり、ペンテコステの日に教会に豊かに臨まれました。聖霊は、罪ある者に罪を認めさせ、キリストへの信仰に導き、信じる者の心の内に住み、聖き生活と奉仕の力を与え、キリストの形に似るものとしてくださいます。さらにこの聖霊により、キリストはご自身の教会の内に生き、福音は宣教され、神の国はこの世に現されます。

 

■教会

教会は、キリストのからだであって、神に召された聖徒の集まりです。教会は、公同の礼拝を守り、主の命令にしたがって福音を正しく宣べ伝え、聖礼典を執り行い、聖徒をととのえ、主に仕えつつ愛のわざに励みます。

 

■再臨

キリストは、再び来られ、私たちをご自身の栄光のからだと同じかたちに変え、最後の審判により義なる者に永遠の祝福を与え、不義なる者に永遠の刑罰を定め、サタンとすべての悪に勝利し、新天新地においてご自身の全き王国を建設されます。