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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

君が代斉唱訴訟で教諭の敗訴が確定したことについて

論説 主張! 日の丸・君が代 教育 信仰 アジア太平洋戦争 キリスト教倫理 人権 国家主義 国家 大東亜戦争 天皇 愛国心 憲法 政治 日本 日本史 民主主義 社会倫理 裁き

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 大阪府立支援学校の卒業式で、君が代斉唱時に起立して歌わなかったとして減給処分を受けた教諭、奥野泰孝さん(59)が府に処分取り消しを求めた訴訟で、原告敗訴の2審判決が確定した。最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)が3月30日付で、奥野さんの上告を退ける決定をした。

 奥野さんは、卒業式での君が代の起立斉唱を定めた府条例について、思想や良心の自由を侵害しており憲法違反だと主張。1審大阪地裁判決は「式典を円滑に進行させるためで違憲ではない」とした上で、奥野さんが積極的に秩序を乱そうとしており、処分は重すぎないと判断した。2審大阪高裁も支持した。

 確定判決によると、奥野さんは2013年3月の卒業式で、学校に式場外での受け付け業務を命じられていたが場内に入り、君が代を起立斉唱しなかった。府教委は、減給1カ月の懲戒処分とした。

 

出典:毎日新聞2017年4月4日 大阪夕刊

https://mainichi.jp/articles/20170404/ddf/041/040/005000c

この件に関する奥野泰孝さんのコメント(4月6日 7:36 )を以下、フェイスブックから引用させていただきます。

4日の夕刊に私の最高裁上告の却下が報じられた。30日付の通知であったが、記者会見等で私の見解を述べる前に各社が小さい記事を載せた。小さい記事だが大きな問題をはらんでいる。上告人の意見が反映されてないこと。「積極的に秩序を乱そうとした」と言う判決理由が通れば、秩序を乱そうとしているとみなしただけで処分を出せることになる(共謀罪法案につながる)。もちろん私は秩序を乱そうとしたわけではない。法廷での管理職の証言は「奥野が立たないので不安に思った生徒がいると思う。」というものであり、何も実証されていない。妄想とも言える。それを地最、高裁と認めてきて、最高裁で確定されてしまったのだ。「受付業務を命じられていたのに式場に入った」という見立てもおかしい。受付業務が終われば式場に入ることは昔も今も学校現場で行われている。「式場に入るな」という職務命令は文書でも口頭でもなかった。このことは法廷で確認されている。それでも処分者側は黙示の職務命令があったと言い、裁判所は「口頭で言われてなくても奥野は分かっていたはず。分かっているのに入ったのは悪質。」と言う。今回の却下理由をきちんと述べないままの最高裁による却下は、「逃げ」であり、日和ったか、忖度があったと言う証拠だと思う。そう言うことを広く発信したい。そうでなければ、君が代強制反対が真摯な思いからでなく、「秩序を乱そうとしている」と言う裁判所の判断が社会的にも浸透してしまう。 

https://www.facebook.com/yasutaka.okuno.5?fref=nf&pnref=story


筆者は、JCE6神戸アナロギア社会委員会⇒コイノニア・ネットワーク@神戸アナロギア社会委員会で、奥野泰孝さんとご一緒に活動しています。奥野さんは、弱者に対する思いやりのある心優しい人であり、キリスト者として真剣に正義を追求している人です。私は奥野さんを尊敬していますし、人間的にも愛すべき御仁だと思っています。


生徒を心から愛して誠実に教育を行った教師が、その生徒たちの晴れの場である卒業式の会場に参列できないというのは、差別的な扱いであると思います。

 

筆者もかつて地方公務員でしたから、「公僕は法律を積極的に遵守すべきであり、国旗・国歌も尊重すべきだ」という意見には賛成です。しかし、多くの人々にとって日の丸・君が代は、いまだに大東亜戦争と固く結びついています。ですから、「日の丸・君が代を国旗・国歌として尊重することはできない」という方々の心情にも配慮すべきでしょう。


国旗国歌法が国会で可決される前に、政府与党は国旗・国歌を「強制しない」と明言していました。それなのに、国旗・国歌をめぐって処罰が為されているのは、大変残念なことです。それが「美しい国」とは思えません。

blogos.com


卒業式の場で教育委員会が教師の国歌斉唱を監視し、唇の動きによって歌っているかどうかチェックをする。そして、「歌っていない」教師は処罰するーー。これは果たして適切な「指導」でしょうか? それが、この晴れの場にふさわしくない緊張を生み出しており、生徒たちの心を傷つけていることが、教育委員会にはわからないのでしょうか? 残念ながら、大阪の行政のトップや教育委員会はそれがわからない、あるいはわかっていても押し通しているのです。この強権的なやり方が「美しい国」日本にふさわしいものでしょうか?


私は、日本人の指導者ならば、問題と思われる教師に道理を諭し、徳をもって納得させて、自主的に国歌「君が代」を歌えるようにするくらいであって欲しいのです。


そもそも、終戦後、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムを実行して、日本の国定教会書を墨で塗りつぶさせ、アメリカ的な自由民主主義を押し付けてきたのは、誰でしたか? それはアメリカの政府とGHQであり、その手先となった日本の政府でした。戦後日本の公教育に反日思想を埋め込んだのは、政治・行政の側です。

ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム - Wikipedia

その大元を正さずに、末端の権力無き教師を処罰して見せしめとし、国民に国旗・国歌を「自主的に」尊重させるというのは、ひどいやり方です。この事件は、戦後教育70年の根本問題を浮き彫りにしているのです!

 

kanai.hatenablog.jp

ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」を開発したのは米国の政府機関であり、それは戦争と戦後処理における重要な心理戦でした。

その世界観と歴史観、すなわち東京裁判史観に基いて、終戦後まもなく鳩山一郎岸信介など一部の政治家が戦犯とされ、政界から追い出されました。米国のエージェンシーであった吉田茂自由党党首=首相となって勢力を拡大しました。

しかし、GHQマッカーサーは日本の事情を知るにつれて、この国の統治における天皇制の重要性を悟りました。東西冷戦と朝鮮戦争の危機に直面したため、GHQ天皇を政治的に利用し、鳩山一郎岸信介真正保守派を許して、味方に付けました。朝鮮戦争ベトナム戦争へと続く東西冷戦時代に対応するために、米国政府は日本政治の保守化を容認したわけです。

ところが、米国が作った精巧な心理戦の道具である「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」を、左翼勢力反日勢力が取り込んで、戦後ずっとこれを大いに利用しました。

終戦直後から日本では共産主義者が盛んに活動しました。これに対してGHQレッドパージ公職追放)を行い、ブラックな弾圧を行いました。「未解決」の諸々の事件がありました。結局、1960年の安保闘争まで、社会主義を支持する者が多数派を形成する情勢でした。

ちなみに、戦後日本の復興において大きな力を発揮したのは、ケインジアンです。農地改革、労働改革、財閥解体などで明らかなように、ケインジアンはカクレ社会主義者です。

戦後日本の国政においては半世紀にわたって「吉田学校」の門下生たちが「保守本流」を形成し、次々と首相を輩出しました。彼らは米国的な「自由民主主義」を掲げ、実態は「大きな政府」のリベラル派でした。

岸信介元首相の孫である安倍晋三首相は「真正保守」の流れにいるはずですが、米国流のリベラルの考え方や流儀にもよく通じています。

kanai.hatenablog.jp

 

戦後、米国から日本に大勢の宣教師が来ましたが、彼らの多くは、日本人の信徒に偶像崇拝を固く禁じました。今日、米国から日本に来る宣教師は、日の丸・君が代についてどのように理解していて、どのように信徒に指導しているのでしょうか? おそらく、日本のキリスト者が国旗・国歌の問題になぜそんなにこだわるのか、理解しがたい宣教師が多いのではないでしょうか。

 

自国及び外国の国旗・国歌を尊重するのは、国際的には常識であり、重要なマナーです。スポーツの大会でも、国歌斉唱の時になると外国人の選手と観客は一斉に起立して、敬意を表しています。ところが、日本人で立つ人は少数です。日本の法律には、外国の国旗に対する尊重義務があるのに、自国の国旗に対してはそれがありません。これもおかしな話です。

 刑法
(外国国章損壊等)
第92条
外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。

kanai.hatenablog.jp

終戦から70年を超えて、もう「戦後」は終わっているのに、日本にはなおも「戦後スキーム」「昭和ノスタルジア」を再現する「若手の牧師たち」がいて、それを囃し立てるキリスト教メディアがあります。彼らは、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」=東京裁判史観を利用する左翼勢力の影響を受けているように見受けられます。

しかし、国際化・グローバリゼーションが進む今日、確実に世界も日本も時代は変わっています。今、東アジアで政治的軍事的な緊張が高まっていますから、なおさら日米の緊密な協力関係が重要になります。昨年夏にオバマ大統領が被爆地・広島を訪れたことは、画期的な出来事でした。

終戦から70年以上にもなる今日、筆者は「日の丸・君が代を尊重することは偶像崇拝になる」とは思いません。私は個人的には式典で国歌「君が代」を起立して歌います。「君」は直接的には、天皇と国民を指している、と私は理解しています。この歌の本来的な意味からすれば、世界中の人々を含めることも可能でしょう。「君」が天皇を指しているとしても、昭和憲法のもとにあっては天皇は神ではありませんから、君が代を歌うことに問題は無いと思います。

参考まで、『昭和天皇独白録』(文春文庫)37頁から引用します。

「現神〔あきつかみ〕の問題であるが、本庄だつたか、宇佐美〔興屋〕だつたか、私を神だと云ふから、私は普通の人間と人体の構造が同じだから神ではない。そういふ事を云はれては迷惑だと云つた事がある」

昭和天皇独白録 (文春文庫)

昭和天皇独白録 (文春文庫)

 

 

旧約聖書には、次のようなテクストがあります。

ダニエルは王に答えた。
「王さま。永遠に生きられますように」

(ダニエル書6:21)

これは「君が代は 千代に八千代に……」と同じ意味ではないでしょうか。 

kanai.hatenablog.jp

ただし、「日の丸は天照大神の象徴である」、「君が代天皇崇拝の歌である」と解釈して、「キリスト者であるがゆえに、そのような偶像崇拝はできない」という方々の思想や信仰、人権も尊重すべきではないでしょうか。この問題に関して我々キリスト者は、注意深くあるべきだ、と思います。自分と考えの違うキリスト者の方々を、傷つける必要はありません。

 

この世の問題はほとんどが相対的であって、100パーセント「黒」であるとか、100パーセント「白」であるとは言えないことが多いと思います。ところが、宗教はーーキリスト教も含めてーー、政治的な正統性を証明する道具として利用されがちです。

 

国歌「君が代」の原歌は『古今和歌集』(905年)の賀歌ですが、そのテクストは次のものです(古今和歌集巻七賀歌巻頭歌、題しらず、読人しらず、国歌大観番号343番)。

 

我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

 

原型は「我が君」ですから、「君が代」の「君」は本来、特定の人物を指すものではなくて、「あなた」という意味であったと思われます。実際、鎌倉時代以降、「君が代」は祝いごとの歌として広く用いられ、神楽、田楽、猿楽、謡曲、小唄、長唄浄瑠璃仮名草子浮世草子、読本、祭礼歌、盆踊り、舟歌、薩摩琵琶、門付などで使用されました。

参照:君が代 - Wikipedia

 

君が代」は本来、

愛するあなた、いつまでも、いつまでも、達者でいておくれ

という愛の歌なのです。

筆者は「君が代」を、キリスト教的な隣人愛の歌だと解釈しても良い、とさえ思っています。

 


君が代の本当の意味 国歌、君が代は恋の歌だった


このYouTubeのページから引用します。

その最初の男女神は、イザナキ、つまり「いざなう男」、イザナミ「いざなう女」として登場します。「いざなう」は、漢字で書けば「誘う(いざなう、さそう)」です。
つまりイザナキ、イザナミの物語は、誘(さそ)いあう男女の物語でもあるわけです。

二人は天つ御柱で出会い、
「我、成り成りて、成り余るところあり」
「我、成り成りて、成り足らざるところあり」
と声をかけあい、互いの余っているところと、足りないところを合体させて、子を産みます。

江戸時代には、この解釈が好まれたようです。

次に、新共同訳聖書から引用します。

主なる神はそこで、人を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。主なる神が彼女を人のところへ連れて来られると、人は言った。
「ついに、これこそ、わたしの骨の骨、わたしの肉の肉。
これをこそ、女(イシャー)と呼ぼう
まさに、男(イシュ)から取られたものだから」
こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。
(創世記2:22-24)

イザナキ、イザナミの物語には創世記の影響があるように思います。聖書そのものが古代日本に届いていた可能性は、あまり高くは無いかと思いますが、聖書の物語や教えが部分的に伝わっていた可能性はかなり高い、と筆者は考えています。古代ペルシアやギリシア・ローマは中国と交易があり、古代の中国や朝鮮から日本に渡来した人々は大変な数です。遣隋使や遣唐使も行き来していましたし。

 

なんにせよ、立法も行政も司法も教育も宗教も、

やっぱり日本人は  じゃないとねぇ ♪(^o^)♪

 

毎日新聞2017年4月12日 大阪夕刊

特集ワイド・ニュースアップ

大阪「君が代条例」のその後 「思想・良心の自由」揺れ続け=編集局・湯谷茂樹

https://mainichi.jp/articles/20170412/ddf/012/100/015000c