聖書をどのように読むべきか(「聖書解釈学入門」シラバス)
【金井塾】「聖書解釈学入門 ーー聖書をどのように読むべきかーー」シラバス
「手引きをしてくれる人がいなければ、どうして分かりましょう」(使徒8:31)
聖書には、聖書そのものが要求し、教えている読み方があります。「聖書」とは何か。どのような書物なのか。まずそれを理解すれば、自ずと、聖書をどのように読むべきか、が分かります。このクラスでは、聖書の解釈の仕方について学んでいきます。
第1課 キリスト教と他の宗教は何が違うのか ーーキリスト教の正典である聖書ーー
1-1 アニミズム
1-2 シャーマニズム
1-3 多神教
1-4 一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)
1-5 東方正教会、ローマ・カトリック教会、プロテスタント
1-6 正統と異端
第2課 聖書とは何か ーー人類に対する神の啓示ーー
2-1 一般啓示と特別啓示
2-2 聖書における神の霊感
2-3 聖書の神言性と人言性
2-4 聖霊による照明
第3課 聖書はどのようにして生まれたのか ーー聖書の歴史性ーー
3-1 ヘブライ語聖書
3-2 70人訳聖書
3-3 新約聖書
3-4 正典・外典・偽典
3-5 聖書の翻訳史
第4課 旧約聖書と新約聖書はどのような関係なのか ーー聖書解釈の根本原理ーー
4-1 旧約時代の契約
4-2 十戒、道徳律法、祭儀律法、市民律法
4-3 イエスの教え
4-4 エルサレム会議
4-5 パウロの教え
4-6 ヘブライ人への手紙
4-7 律法の三用法
第5課 聖書は何を伝えようとしているのか ーー聖書釈義のプロセスーー
5-1 文学的性格
散文、詩文、物語、語録、戒律、記録、書簡、黙示、たとえ、他
5-2 歴史的文化的背景
5-3 文献的文脈
5-4 字義と文法
5-5 修辞的手法(例:誇張法)
5-6 聖書的神学的脈絡(全体と部分の整合性、帰納法と演繹法)
5-7 歴史的また今日的な諸々の解釈の参照
第6課 どのようなツールが必要か ーー聖書釈義の基本ツールーー
6-1 和訳聖書(口語訳、新共同訳、聖書協会共同訳、新改訳2017、フランシスコ会訳、岩波訳、他)
6-2 英訳聖書(KJV, RSV, NIV, NASB, TEV, ESV, RNJB, 他)
6-3 ヘブライ語聖書:Biblia Hebraica Stuttgartensia(BHS)(最新はBHQ。分冊で刊行中)
6-4 ギリシア語新約聖書:Nestle-Aland, Novum Testamentum Graece 28(NA28)
6-5 70人訳聖書:Septuaginta
6-6 対訳聖書(Interlinear)
6-7 四福音書対観表
6-8 旧約聖書ヘブライ語辞典
6-9 新約聖書ギリシア語辞典
6-10 新約聖書ギリシア語釈義事典
6-11 聖書語句辞典(コンコルダンス)
6-12 聖書辞典
6ー13 聖書神学事典
6-14 聖書地図(バイブルアトラス)
6-15 旧約聖書ヘブライ語文法書
6-16 新約聖書ギリシア語文法書
6-17 注解書(Commentary)
6-18 ゴードン・D・フィー/ダグラス・スチュワート著『聖書を正しく読むために〔総論〕ーー聖書解釈学入門』いのちのことば社
6-19 D.スチュワート著『旧約聖書の釈義』教文館
6-20 G.D.フィー著『新約聖書の釈義』教文館
6-21 聖書時代史
6-22 聖書百科事典
6-23 信条・教理
第7課 聖書は今、我々に何を語るのか ーーコンテクスチュアリゼーションーー
7ー1 語り手が聞き手に伝えようとした使信
7ー2 著者が直接的な読者に伝えようとした使信
7-3 神が現代の人々に伝えようとしている使信
7-4 預言における予型
7-5 キリストの中心性
7ー6 信条と教理
7-7 キリスト教倫理
UBS 5th Revised Greek New Testament Reader's Edition: 124378
- 作者:Nestle-Aland
- 出版社/メーカー: German Bible Society
- 発売日: 2014/11/01
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A Greek-English Lexicon of the New Testament and Other Early Christian Literature
- 作者:William Arndt,Walter Bauer
- 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr
- 発売日: 2001/01/15
- メディア: ハードカバー
Moulton & Geden: A Concordance to the Greek Testament (T & T Clark Biblical Languages)
- 作者:Marshall I. Howard
- 出版社/メーカー: Bloomsbury T & T Clark
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: ペーパーバック
Textual Commentary on the Greek New Testament
- 作者:Metzger, Bruce M.
- 発売日: 1994/06/01
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- 作者:フラウィウス・ヨセフス
- 発売日: 2018/01/05
- メディア: Kindle版
キリストを最初に礼拝した羊飼いたち(ルカ2:8-20)
<聖書朗読> ルカによる福音書2:8-20
8 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。9 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。10 天使は言った。
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。11 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。12 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」
13 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
14 「いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ」
15 天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、
「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」
と話し合った。16 そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17 その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18 聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19 しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
<説教>「キリストを最初に礼拝した羊飼いたち」
イエス・キリストが赤子となってお生まれになった日、最初のクリスマスが何月何日であったのか、それはわかりません。クリスマスを12月25日としているのは、一年で最も日照時間が短いこの季節に行われた祭りのなごりです。けれども、この時期は、聖書が語るクリスマスのテーマに最も適合していると思います。すなわち、「暗い闇の世に生きる人々に、明るい希望を与え、いのちを与える救い主を、神が送ってくださった」というのが、クリスマスの重要な意義なのです。
この世界には霊的な深い闇があります。人の心にも暗い闇があります。私たちも御言葉によってキリストの光を照らしていただきたく思います。
1.主の栄光の輝き
赤子のイエス様がマリアの胎からお生まれになったその日の夜、ひとりの天使が野にいる羊飼いたちに現れました。すると、神である〈主の栄光〉が周りをまぶしいほど明るく照らしました。
主の栄光はかつて、モーセが造った幕屋とソロモンが造った神殿に満ちていました(出エジプト40:34-38、歴代誌下5:13-14、7:1-3)。しかし、エズラが再建した第二神殿には、その栄光はありませんでした。ところが、イエス様がお生まれになった時、ベツレヘムの郊外で突然、主の栄光が現れたのです。しかも、その栄光を見たのは、預言者でも王でも祭司でもない、羊飼いたちです。
この時、〈彼らは非常に恐れた〉。当然です。けれども、天使は彼らに言いました、
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」
祭司ザカリアも主の母マリアも、天使が現れた時に恐れを感じました。天使は彼らにも「恐れるな」と言って、喜ばしい知らせ=「福音」を伝えました(1:12-13、30)。
恐れに支配されやすい弱い私たちを救うために、今も主は私たちのところに来てくださり、光を照らしてくださいます。
2.家畜部屋に生まれたキリスト
イエス様が誕生された頃にちょうど、ローマ〈皇帝アウグストゥス〉の勅令によって〈最初の住民登録〉が行われました。人々は皆、自分の出身地に行って、そこで登録をしなければなりませんでした。日本で言えば、戸籍の本籍地のようなものでしょう。
ベツレヘムはダビデ王の出身地ですから、その子孫が大勢集まっていたでしょう。人口が1000人に満たない小さな町ですが、この時ばかりは人があふれていました。そのためヨセフとマリアは「宿屋」に泊まることができず、マリアは家畜小屋で出産をすることになってしまいました。
「宿屋」と訳されているギリシア語の単語には、「客間」という意味もあります。この小さな町に宿屋があったでしょうか。おそらくヨセフとマリアは親戚の家を訪ねたものの、客間はすでに満員で、家畜部屋に泊まることになったのでしょう。当時のその地方の民家では、牛やロバ、ヤギなどが土間にいて、居間や客間は高床式になっており、動物の体温で人は暖をとっていたようです。
イエス様が生まれたのは馬小屋だとよく言われますが、聖書には「飼い葉桶」が出てくるだけで、馬小屋とは書かれていません。この物語で重要なシンボルとなっている飼い葉桶は、石灰岩をくり抜いて造られたものでした。その冷たい石の飼い葉桶に藁を敷き詰めて、赤子のベッドとしたのです。
この地方は石灰岩でできた丘陵地のため、洞窟がたくさんあり、それらは住居や家畜部屋として利用されていました。イエス様が生まれた場所と言われる聖誕教会は、洞窟の上に建てられています。
3.キリストの降誕を知らされた羊飼いたち
さて、町の喧騒をよそに、羊飼いたちは郊外の丘で〈野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をして〉いました。そもそも1000年前、ダビデ王は少年時代に、羊飼いをしていました。だのにこの時代には羊飼いは、戒律を守らない穢れた人と見なされて、ユダヤ社会から疎外されていました。
牧羊のために羊飼いは安息日を守らない。羊の体液に触れて穢れているから、神殿や会堂の礼拝に参加することができない。他人の土地に生えている草を、自分の羊に食べさせている。野宿しているから、家の女性たちを守ることができない。学校に通わないので、文字が読めない――。そんな理由で彼らは人々から蔑視されていたのです。
しかし、天使はこの羊飼いたちに告げます。
「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」
神は俺たちを見捨てていない! 俺たちのために救い主を送ってくださった! ――これは本当に喜ばしい知らせでした。
そこにさらに〈天の大軍が加わり、神を賛美して〉言いました。
「いと高きところには栄光、神にあれ、
地には平和、御心に適う人にあれ」
神の見方は、人とは異なります。神の御心は、このような「罪人」とされた人たちを救うことにあったのです。
4.平和をもたらす福音
天使たちが離れ去った後、羊飼いたちは、
「すぐに、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」
と互いに語りました。
〈そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当て〉ました。なんと、牛や馬などが口を突っ込み、よだれを垂らして餌を食べる飼い葉桶が、〈主メシア〉の〈しるし〉だとは!〈主〉は神の御名であり、〈メシア〉は神が特別に任命して遣わす救世主です。
〈その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせ〉ました。これまで羊飼いたちは、町の人々の交わりから疎外されていました。しかし、今や彼らは町の人々に積極的に関わっています。
イエス・キリストの福音は、神と人の間に和解をもたらすばかりでなく、人と人の間にも〈平和〉をもたらします。
神の御子イエス様は、神から離れて、社会の片隅に潜んでいる、心寂しい罪人の友となられました。家畜部屋に生まれて、飼い葉桶に寝ていたイエス様は、私たちの心にも宿ってくださいます。
「その名はインマヌエル(神は私たちと共におられる)と呼ばれる」(マタイ1:23)。このすばらしい救い主の降誕を共に喜び、祝いましょう。
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今、世界を揺るがす左翼と右翼
最近、香港、ソウル、ジャカルタなどアジアの各地で、政府の方針に反対する市民の大規模な抗議活動が、相次いで起こっています。それは、政府によって国民の自由と民主主義が脅かされていることに対する危機感が、人々に高まっていることが、要因の一つと言えるでしょう。
香港で政府と市民のせめぎあいが激化している
香港では今年4月に政府が、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案を、立法会に提出しました。6月以降、これに反対する市民の大規模な抗議活動が続き、10月23日の立法会本会議で、香港政府は正式に条例の改正案を撤回しました。
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は11月4日夜、上海で香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官と会談し、「秩序を回復することが香港政府の最重要任務であり、法に基づいて暴力活動を処罰することが香港市民の幸福を守ることになる」と述べました。中国共産党は、香港の情勢を安定させるために、法制度の整備を進める方針を打ち出しています。
11月24日に予定されている区議会議員選挙を前にして、民主派の議員7人が起訴されました。政府や警察が強硬姿勢を示す中で、市民の反発は激しさを増しており、抗議活動に参加する市民が数万人の規模になっています。若者たちは地下鉄の駅や店舗を壊したり、道路にバリケードを築いて燃やすなど、過激な行為に及んでおり、警察は催涙弾を多用しています。
11月4日に行われた抗議活動に参加していた男子大学生が、警察の強制排除の最中に建物から転落して、8日に病院で死亡しました。11日の朝には、抗議活動に参加していた若者たちに警察官が発砲し、男性1人がけがをして一時重体となりました。
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韓国のキリスト者が立ち上がった!
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は朝鮮労働党の秘密党員であり、文氏を含む韓国内の秘密党員たちが2014年6月15日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(当時、第一書記)に忠誠を誓う「誓詞文」を送っていたーー。軍事評論家でジャーナリストの篠原常一郎氏が月刊『Hanada』10月号(8月26日発売)に書いたこのスクープ記事は、韓国でも大変な反響を呼び、10月に首都ソウルで行われた反文在寅政権デモには、延べ100万人以上の市民が集まりました。
韓国では国民の約3割がキリスト教徒ですが、このデモには、文政権が進める北朝鮮主導の「赤化統一」に反対する大勢のキリスト者が、集結しました。朝鮮戦争で牧師や信徒が信仰のゆえに殺されたことを覚えているキリスト者が、韓国にまだ大勢いるのです。
8月22日に韓国政府は、11月23日午前0時で失効するGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄を決定しました。しかし、賛否が二分されていた韓国世論も今やGSOMIA破棄の見直しに傾いており、韓国国防相が公然とGSOMIA維持を訴える始末です。
日米韓の協調が崩れて、韓国が北朝鮮に「献上」され、米軍が韓国から撤退したら、「38度線」が対馬海峡まで下りてきます。これは、日本の防衛上の危機だけでなく、韓国と日本のキリスト者にとっては信仰の危機となりかねません。なにしろ、北朝鮮・金王朝は、本物のキリスト者を見つけ次第、冷凍庫に閉じ込めて殺しているのです。
政治的に「左」とは何か、「右」とは何か
「ソ連や東欧の共産主義国が消滅して、中国の改革開放路線=市場経済化が確立しているのだから、もう政治的に左とか右とか言うのは時代錯誤だ」。そのような意見を見聞きすることもありますが、筆者は、今なお左右の区別は有効であり、重要であると思います。
そもそも「左翼」「右翼」という呼び方は、18世紀にフランス革命期の国民議会で、議長席から見て議場の左側に共和派や急進派が陣取り、右側に立憲君主制を主張する保守派・穏健派が陣取ったことに端を発します。では今日、政治的に「左派」「左翼」とは何でしょうか、「右派」「右翼」とは何でしょうか。
簡単に言いますと、「左派」とは体制の進歩的な改革をめざす「革新派」や「リベラル派」を指します。我々キリスト者が警戒すべきであるのは、聖書的・正統的・福音主義的なキリスト教の信仰・世界観・倫理とそれに基づいて形成してきた社会の秩序・共同体を、根底から覆そうとする「左翼」の思想運動です。唯物史観に立つマルクス主義=共産主義はその最たるものです。同性婚や胎児の中絶を認めようとする北米左翼の運動も恐ろしいものです。
中国のスーパー金持ち【チャイナ・アンセンサード】The Real Crazy Rich Asians of China
マルクスは生きている?
エンゲルス著『フォイエルバッハ論』を読めば、マルクス主義=共産主義が「神の敵」「キリスト教の敵」であることが、誰でもわかるはずです。ヘーゲル左派(青年ヘーゲル派)は〈敬虔主義の正統派および封建的反動派に対する闘い〉をする集団でした(新日本文庫版p.23)。彼らの本質的な攻撃対象は、今で言う「福音派」に他なりません。
以下、この本から重要な部分を引用します。
唯物論は自然を唯一の実在的なものとしている。(p.25)
自然と人間のほかにはなにものも存在せず、より高い存在というものはわれわれの宗教的空想がつくりだしたもので、われわれ自身の本質を空想的に反映させたものにすぎないのである。(p.26)
自然の諸力を擬人化して、そこから最初の神々ができた。…人間の精神が発達するにつれておのずから生じてくる抽象の過程、あるいは蒸留過程と言ってもいい過程によって、多かれ少なかれ制限され、互いに制限しあっている多くの神々から、一神教の諸宗にみられる唯一神という概念が、人間の頭脳に生じきったのである。(p.30)
感覚的に知覚される物質的世界、われわれ自身もこの世界にぞくしているが、これが唯一の現実的なものであって、われわれの意識とか思考とかいうものは、それがどんなに超感覚的にみえようとも、物質的な身体器官、つまり脳髄の産物なのである。物質は精神の産物ではなくて、かえって精神そのものが物質の最高の産物にほかならないのである。(pp.35-36)
人間をうごかすものはすべて、その頭脳を通過しなければならないということは、なんとしても避けるわけにはいかない。(p.43)
かれは、キリスト教の神がたんに人間の空想的反映であり、映像であるにすぎないことを証明している。ところで、このキリスト教の神そのものが長いあいだの抽象過程の産物なのであり、この神よりさらに古い時代の多くの種族の神々や民族の神々の集中された精髄なのである。(p.51)
フォイエルバッハの新しい宗教の核心をなしていた抽象的人間を礼拝することは、現実の人間とその歴史的発展とにかんする科学によって置きかえられなければならなかった。フォイエルバッハを越えてフォイエルバッハの立場をこのように進展させることは、1845年に、マルクスによって『聖家族』のなかで開始された。(p.59)
不破哲三氏は『マルクスは生きている』という本を出していますが、日本共産党はマルクス原理主義をいまだに続けている希少な存在です。新聞赤旗の読者が激減して日本共産党は危機にあり、キリスト者や仏教者など新手を取り込んで生き残ろうとしています。
日本宗教者平和協議会 http://n-syuhei.com/
20171014 池内さおり候補 宗教家の方々候補応援演説@赤羽ボイス
国家神道の復活をめざす人たち
一方、「右派」は「保守派」と言われますが、我々キリスト者が警戒すべきであるのは、国家神道の復活をめざす「右翼」の国粋主義者・民族主義者です。戦後、天皇・皇室は、昭和憲法に規定された「象徴」としての立場を、忠実に守っています。我々キリスト者はそれを尊重するのが良策であり、これを変えて国家神道を復活し、天皇を政治利用しようとする右翼の運動に反対すべきです。
中国と北朝鮮
日本と極東アジアの政治情勢に関して、「戦前と同じようだ」と言う人がいるとしたら、それは余りにも的外れです。中国や台湾、北朝鮮、韓国、日本の政治体制も経済力も軍事力も、戦前とは全く異なります。日本の自衛隊がアジア諸国を侵略することは有り得ず、逆に中国や北朝鮮の軍隊が日本を攻撃し、侵略することが危惧されているのです。
中国や北朝鮮の政治的な思想と体制は「左翼」でしょうか。もちろん共産主義の一党独裁体制ではありますが、思想的には中国と北朝鮮はむしろ「右翼」すなわち国家主義・民族主義が強力であることに注意すべきです。
習近平は第二の毛沢東になろうとしています。彼が目指しているのは、中華思想に基づく華夷秩序の形成です。中国政府がチベットや新疆ウイグルで行っている少数民族に対する弾圧は、非常に大規模で苛烈を極めています。これは仏教徒とイスラム教徒に対する宗教弾圧ですから、我々キリスト者にとっても他人事ではありません。
金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)は「主体(チュチェ)思想」を創りました。これは元来、「思想における主体」「政治における自主」「経済における自立」「国防における自衛」という北朝鮮の国家政策を掲げたものでした。ところが1970年代から、チュチェ思想は金王朝の絶対的権力と世襲を正当化するイデオロギーに変容しました。そもそも金日成は『資本論』などマルクスの著作を、ほとんど読んでいなかったようです。
木はその実によって知られる
カール・マルクスの両親はどちらも、代々ラビ(ユダヤ教の教師)を務めてきたユダヤ人の家系に生まれています。マルクスは、青年時代にルター派のキリスト教信仰を捨てて、悪魔崇拝(サタニズム)の教会に改宗した男です。ヨシフ・スターリンは正教会の神学校で学び、司祭になる一歩手前まで行きましたが、神学校在学中に無神論に転じました。金日成は敬虔なクリスチャンの家系に生まれました。キリスト教と無関係の人よりも、キリスト教信仰を捨てた人や裏切った人の方が、恐ろしいのかもしれません。
彼らはわたしたちから出て行った。しかし、彼らはわたしたちに属する者ではなかったのである。もし属する者であったなら、わたしたちと一緒にとどまってい たであろう。しかし、出て行ったのは、元来、彼らがみなわたしたちに属さない者であることが、明らかにされるためである〉(第一ヨハネ2:19)
知られざるマルクスの真実 サタニストへの転身 --シリーズ【百年紅禍】
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マルクスの超素顔―封印されていた闇の超権力(サタニスト)との関係 (5次元文庫)
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木の良し悪しは、その結ぶ実によって分かります。(マタイ2:33)
ソ連のスターリン、中国の毛沢東、カンボジアのポル・ポトに代表されるように、共産党の独裁・暴政によって奪われた人命は1億人以上です。それも100年足らずの間にです。共産主義は悪魔的な最凶のイデオロギーなのです。