「ペテロの手紙第一」は、霊的な階層的世界観を前提として書かれています。
その階層とは、(1) 天上の世界 (2) 地上の世界 (3) 地下の世界(よみ)です。
イエス・キリストは、これらすべてを包括的に贖っておられます。
1.イエス・キリストは、永遠のはじめから在ます神であるのに、人間となって地上に降り、しもべとして十字架の死に至るまで父なる神に従い通されました。
キリストは、世の始まる前から知られていましたが、この終わりの時に、あなたがたのために、現われてくださいました。(1:20)
キリストも、あなたがたのために苦しみを受け、その足跡に従うようにと、あなたがたに模範を残されました。(2:21)
このように、キリストは肉体において苦しみを受けられたのです。(4:1)
2.イエス・キリストが十字架で流された血=ささげられた命によって、彼により頼む者たちは贖われました。
父なる神の予知に従い、御霊の聖めによって、イエス・キリストに従うように、またその血の注ぎかけを受けるように選ばれた人々へ。(1:2)
ご承知のように、あなたがたが先祖から伝わったむなしい生き方から贖い出されたのは、銀や金のような朽ちる物にはよらず、傷もなく汚れもない小羊のようなキリストの、尊い血によったのです。(1:18-19)
そして自分から十字架の上で、私たちの罪をその身に負われました。それは、私たちが罪を離れ、義のために生きるためです。キリストの打ち傷のゆえに、あなたがたは、いやされたのです。(2:24)
キリストも一度罪のために死なれました。正しい方が悪い人々の身代わりとなったのです。それは、肉においては死に渡され、霊においては生かされて、私たちを神のみもとに導くためでした。(3:18)
3,キリストはよみに降り、人々の罪の贖いを成し遂げたことを宣言されました。
その霊において、キリストは捕われの霊たちのところに行ってみことばを宣べられたのです。(3:19)
というのは、死んだ人々にも福音が宣べ伝えられていたのですが、それはその人々が肉体においては人間としてさばきを受けるが、霊においては神によって生きるためでした。(4:6)
4,キリストは復活して、彼により頼む人々に新しい霊的生命と永遠の希望をお与えになりました。
神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。(1:3)
あなたがたは、死者の中からこのキリストをよみがえらせて彼に栄光を与えられた神を、キリストによって信じる人々です。(1:21)
あなたがたが新しく生まれたのは、朽ちる種からではなく、朽ちない種からであり、生ける、いつまでも変わることのない、神のことばによるのです。(1:23)
バプテスマは肉体の汚れを取り除くものではなく、正しい良心の神への誓いであり、イエス・キリストの復活によるものです。(3:21)
5.キリストは、父なる神からすべての世界(天上・地上・よみ)を支配する権威を与えられて、天に昇り、王座に就かれました。
むしろ、心の中でキリストを主としてあがめなさい。(3:15)
キリストは天に上り、御使いたち、および、もろもろの権威と権力を従えて、神の右の座におられます。(3:22)
栄光と支配が世々限りなくキリストにありますように。アーメン。(4:11)
6.キリストはやがて天から地上に降ってこられ、救いのわざを完成されます。
あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られており、終わりのときに現わされるように用意されている救いをいただくのです。(1:5)
信仰の試練は、火を通して精練されてもなお朽ちて行く金よりも尊いのであって、イエス・キリストの現われのときに称賛と光栄と栄誉に至るものであることがわかります。(1:7)
ですから、あなたがたは、心を引き締め、身を慎み、イエス・キリストの現われのときあなたがたにもたらされる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。(1:13)
それは、キリストの栄光が現われるときにも、喜びおどる者となるためです。(4:13)
そうすれば、大牧者が現われるときに、あなたがたは、しぼむことのない栄光の冠を受けるのです。(5:4)
あらゆる恵みに満ちた神、すなわち、あなたがたをキリストにあってその永遠の栄光の中に招き入れてくださった神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみのあとで完全にし、堅く立たせ、強くし、不動の者としてくださいます。(5:10)
7.我々贖われたキリスト者は、地上にあってキリストの権威を分与され、「王なる祭司」として神と人に仕えます。
あなたがたも生ける石として、霊の家に築き上げられなさい。そして、聖なる祭司として、イエス・キリストを通して、神に喜ばれる霊のいけにえをささげなさい。(2:5)
しかし、あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。それは、あなたがたを、やみの中から、ご自分の驚くべき光の中に招いてくださった方のすばらしいみわざを、あなたがたが宣べ伝えるためなのです。(2:9)