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カナイノゾム研究室

聖書のメッセージや社会評論などを書いています。

日本、日の丸、君が代

  1.日本

極東の海に浮かぶ日本列島に生きる人々が、「日本」という名で統一された国を自覚したのは、いつ頃からでしょうか。

2012年に中国で吉林大古籍研究所・王連竜氏が学術雑誌「社会科学戦線」7月号に発表した論文によると、西安で見つかった墓誌(故人の事績を刻んで墓に収めた石板)に、「日本」の文字があります。その墓誌は678年に作られたようです。

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その少し前に日本は朝鮮半島に出兵しましたが、663年に白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れました。その後の状況が墓誌に「日本餘□拠扶桑以逋誅」と記述されていました(□は口へんに焦)。「生き残った日本は、扶桑(日本の別称)に閉じこもり、罰を逃れている」というのです。
http://archive.is/20120718141536/www.asahi.com/culture/update/1022/TKY201110220586.html

  2.国旗・国歌

1999年(平成11年)に「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)が可決・成立して、日章旗(日の丸)を国旗に、「君が代」を国歌にすることが正式に定められました。

日の丸と君が代には千年以上の歴史があります。大東亜戦争(アジア太平洋戦争)の負の遺産だけでその意義を否定するのは、無理があります。

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「日本の国旗」Wikipedia
日本の国旗 - Wikipedia

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君が代Wikipedia
君が代 - Wikipedia


君が代の本当の意味 国歌、君が代は恋の歌だった

国歌「君が代」の原歌は『古今和歌集』(905年)の賀歌ですが、そのテクストは次のものです(古今和歌集巻七賀歌巻頭歌、題しらず、読人しらず、国歌大観番号343番)。

我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

原型は「我が君」ですから、「君が代」の「君」は本来、特定の人物を指すものではなくて、「あなた」という意味であったと思われます。実際、鎌倉時代以降、「君が代」は祝いごとの歌として広く用いられ、神楽、田楽、猿楽、謡曲、小唄、長唄浄瑠璃仮名草子浮世草子、読本、祭礼歌、盆踊り、舟歌、薩摩琵琶、門付などで使用されました。「君が代」が国歌とされたのは明治時代です。

国旗と国歌は、それぞれの国家・国民の象徴ですから、大切に扱うのは国際的に当然の礼儀とされています。
外国を侮辱する目的で、その国の国旗を損壊することは、刑法第92条により犯罪とされます。
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刑法
(外国国章損壊等)
第92条
外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又[ ]は汚損した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。
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外国国章損壊罪Wikipedia
外国国章損壊罪 - Wikipedia
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実際問題として、日の丸と君が代よりも国旗・国歌にふさわしい旗や歌が、我が国にあるでしょうか?

  3.強制・処罰の愚

国旗国歌法が成立する過程において、政府はこれを国民に強制しない、と明言しました。

国旗及び国歌に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑 平成十一年六月二十九日(火曜日)

国務大臣有馬朗人君)

国旗・国歌と内心の自由についてのお尋ねでございますが、憲法第十九条の思想及び良心の自由とは、一般に、内心、すなわち物の考え方ないし見方について、国家はそれを制限したり禁止したりすることは許されないという意味であると解されております。
 学校における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導は、児童生徒が国旗及び国歌の意義を理解し、それを尊重する心情と態度を育てるとともに、すべての国の国旗及び国歌に対してひとしく敬意を表する態度を育てるために行うこととしているものであります。このような指導は、児童生徒が将来広い視野に立って物事を考えられるようにとの観点から、国民として必要な基礎的、基本的な内容を身につけることを目的として行われているものであり、児童生徒の思想、良心を制約しようというものではないと考えております。
法制化と人権侵害についてのお尋ねでありますが、今回の法案は、国旗・国歌の根拠について、慣習であるものを成文法としてより明確に位置づけるものであり、法制化に伴い、地域や社会における国旗の掲揚、国歌の斉唱等に関し義務づけを行うものではないと承知いたしております。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000114519990629041.htm


内閣総理大臣の談話(平成11年8月9日)

 本日、「国旗及び国歌に関する法律」が成立いたしました。
我が国の国旗である「日章旗」と国歌である「君が代」は、いずれも長い歴史を有しており、既に慣習法として定着していたものでありますが、21世紀を目前にして、今回、成文法でその根拠が明確に規定されたことは、誠に意義深いものがあります。
国旗と国歌は、いずれの国でも、国家の象徴として大切に扱われているものであり、国家にとって、なくてはならないものであります。また、国旗と国歌は、国民の間に定着することを通じ、国民のアイデンティティーの証として重要な役割を果たしているものと考えております。
今回の法制化は、国旗と国歌に関し、国民の皆様方に新たに義務を課すものではありませんが、本法律の成立を契機として、国民の皆様方が、「日章旗」の歴史や「君が代」の由来、歌詞などについて、より理解を深めていただくことを願っております。
また、法制化に伴い、学校教育においても国旗と国歌に対する正しい理解が促進されるものと考えております。我が国のみならず他国の国旗と国歌についても尊重する教育が適切に行われることを通じて、次代を担う子どもたちが、国際社会で必要とされるマナーを身につけ、尊敬される日本人として成長することを期待いたしております。

「国旗・国歌」について - 内閣府

blogos.com

実際には、国旗国歌法を根拠とした強制が、教育現場で行われています。職務命令への服従を拒否した結果、懲戒処分を受けて、その取消を求める訴訟も頻発しています。そもそも憲法第十九条の思想及び良心の自由について、国民や学者の理解と政府・自民党の理解が異なっているのでしょう。

「日本における国旗国歌問題」Wikipedia
日本における国旗国歌問題 - Wikipedia


日野「君が代」伴奏拒否訴訟
日野「君が代」伴奏拒否訴訟 - Wikipedia

日の丸・君が代に抵抗感を持つ人たちに、処罰までして敬意・尊重を強制するのは、「美しくない日本」の姿です。それこそ軍国ニッポンを想起させる愚行ではないでしょうか。

新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903)

新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903)

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