9月19日午後に日本共産党の志位委員長が「戦争法廃止の国民連合政府」の樹立を目指して、他の野党と全面的な選挙協力を行うことを提案しました。
さて、その先にあるものは何でしょうか?
第二次世界大戦後に東ドイツで起こった政変を見れば、「国民連合政府」の欺瞞がわかるでしょう。
ja.wikipedia.org
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(ドン、ドン、ドン)
「お母さんですよ。開けてちょうだい、子どもたち」
「えーっ、お母さんの声じゃないよ」「狼だっ」
「お母さんは風邪をひいてしまったのよ。ほうら、見てごらん」
ドアの下から差し出されたのは、確かに、白い毛に覆われたお母さんの手です。
さて、子羊たちは、ドアの鍵を開けるのでしょうか?
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★日本共産党 志位委員長の談話
いま一つ、強調しておきたいのは、「暫定的な性格」の政府ということになりますが、そうであっても、さきにお話ししたように日本の政治の根幹部分――土台にかかわる課題を実行する政府という点で、実現するならば、日本の政治にとってきわめて大きな意義を持つ政府になるということです。ですから、「国民連合政府」が成功裏にその任務を達成することができるならば、解散・総選挙での国民の審判を経て、さらに進んだ課題を実行する政府へと発展していくことができるという展望を、私は持っています。
「戦争法廃止の国民連合政府」について/志位委員長の会見 記者との一問一答(要旨)
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志位委員長の談話と共産党の革命理論から推測すると、この「国民連合政府」の先には、次のような筋書きがあると思われます。
国民連合政府(戦争法廃止)
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民主連合政府
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(民族民主統一戦線政府)
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民主主義革命(日米安保廃棄、天皇制廃止、民主共和国樹立)
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人民連合独裁
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プロレタリア独裁
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社会主義革命(生産手段の社会化、社会主義的計画経済、階級の消滅、労働に応じた分配)
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共産主義社会(アメリカ帝国主義打倒、国家の消滅、必要に応じた分配)
これは看過できない重要な問題です!
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日本共産黨の日本人民共和國憲法(草案)(テキスト) | 日本国憲法の誕生
マルクスやエンゲルス、レーニンの理論によれば、暴力革命以外にこれを実現する方法はありません。

- 作者:カール・マルクス
- 発売日: 1975/05/16
- メディア: 文庫

- 作者:レーニン
- 発売日: 2011/12/13
- メディア: 文庫
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現代の日本のように高度に発達した国家では、政府が扱う政策は膨大な量であり、その種類は非常に幅が広いものです。
それは行政機関の数と種類にほぼ比例していると考えて良いでしょう。
中央省庁だけでも、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、国家公安委員会(警察庁)の1府13省庁があります。
国政選挙では、その時局において最も重要な政治課題について、各政党・各候補者が自らの政策を訴えて、国民の審判を仰ぎます。その最も重要な政治課題も、一つや二つではありません。あの「郵政選挙」のごとき単純化は、国民にとって大きな損失であり、危険です。
近年の国政選挙では、各政党が充実したマニフェストを提示するようになりました。その内容は、幅広く国民生活と社会のあらゆる分野、また世界情勢に起こっている変化に対応できるものかどうか、有権者の厳しい精査を受けるべきものです。
「国民連合政府」なるものが生まれたら、社会に混乱が生じ、国政は停滞し、国民生活に支障をきたすでしょう。あの滅びていった社会主義国ーー生きた化石のような国が現存しますがーーの悲惨を再現するような愚かなことは、この国では起こらないと信じたいです。
不破哲三氏は正直に書いています、彼らの思考と行動において「マルクスは生きている」と。

- 作者:不破 哲三
- 発売日: 2009/05/16
- メディア: 新書
マルクスとエンゲルスが説いた「史的唯物論」や「科学的社会主義」は「科学信仰」の産物であって、それが崩壊したポスト・モダンの現代にあっては、生きた化石=シーラカンスのようなものです。
共産党独裁国家は平等社会を実現したでしょうか? 共産主義者は言っていることと行っていることが全く違いますね。
以下『週刊文春』(2006年11月9日号)から引用します。
ーーーーーーーーーー引用開始ーーーーーーーーーー
小誌は、専属の料理人がいるという神奈川・津久井の山中深くにある不破氏の私邸を訪ねてみた。(中略)
不破氏が七加子夫人名義でこの土地を購入したのは昭和六十年。広さは三千二百六十五平方メートル(約九百八十八坪)。昭和六十二年には所有権がすべて不破哲三(本名の上田建二郎)氏に移転。広大な土地の上に、四棟の建物が建築され、その一つは書庫兼不破氏の趣味である郷土玩具の陳列室として使われている。
問題はそのうちの二棟。木造二階建ての居宅および車庫の名義は、共産党の所有となっている。私有の土地の上に、党が建物を建てるという、極めて公私の別がない形になっているのだ。この建物に「不破氏の秘書、ボディーガード兼運転手、料理人が常駐していた」(党関係者)という。(中略)
不破氏が暮らすのは津久井の山荘だけではない。山荘が都内から遠いため、東京渋谷にある通称「千駄ヶ谷寮」で暮らすこともしばしばだった。ここは共産党所有の最高幹部専用の施設で、不破氏らが宿泊するためのベッドルームもあるという。
ーーーーーーーーーー引用終了ーーーーーーーーーー
平和安全法制=安全保障関連法は、国政の最も重要な部分ではありますが、その一点だけで合意した「国民連合政府」を造るなどという構想は、無責任の極みであり、暴挙と言う他ありません。
それに賛意あるいは理解を示したのなら、その人たちが語る政治論は全く信用に価しません。
筆者がSEALDsや安保法案反対運動に関して最も疑問を感じるのは、この点です。要するに、政治に関して素人であり、無知であることが明らかな言動が多過ぎるのです。信用できません。
kanai.hatenablog.jp
kanai.hatenablog.jp
社会主義革命は実際には、新たな特権階級と貧困層を生み出しただけです。日本のように法人資本主義と政府主導の福祉社会が発展した国の方が、共産党独裁の国よりもよほど社会主義の理想=平等社会を実現しています。
現代の国々はほとんどが混合経済です。経済についてはイデオロギーではなくて、システムを考えて、組み立て、動かしていくべきなのです。戦後日本は、バランスが絶妙な政治経済システムを構築したから、成功することができました。
中国のスーパー金持ち【チャイナ・アンセンサード】The Real Crazy Rich Asians of China
kakuyomu.jp
共産党独裁の国と日本の大きな違いは、企業と国民に大きな自由があることです。元気な経済を造るには、自由が不可欠です。
日本の国民=有権者は、次の国政選挙で良識を示す、と私は信じています。

- 作者:マックス・ウェーバー
- 発売日: 1980/08/07
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- 作者:小泉 信三
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- 作者:立花 隆
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- 作者:篠原常一郎
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