KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

今、尖閣諸島周辺で起こっていること

リオデジャネイロでオリンピックが始まり、世界中の注目がブラジルに集まっているこの一週間に、日本の辺境に位置する尖閣諸島の周辺では重大な事件が続いて起こりました。

 平成28年8月5日午後1時30分頃、中国漁船に続いて、中国公船(中国政府に所属する船舶)1隻が尖閣諸島周辺領海に侵入した。その後、12 日午前8時までに、最大15隻の中国公船が同時に接続水域に入域、延べ28隻が領海に侵入した。 約200~300隻の漁船が尖閣諸島周辺の接続水域で操業するなかで、最大15 隻という多数の中国公船も同じ海域に集結し、中国漁船に続いて領海侵入を繰り返すといった事象が確認されたのは今回が初めてである。

尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について|海上保安庁

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000179981.pdf

中国の漁船が200~300隻、中国海警局の船が15隻も尖閣諸島の周辺に押し寄せてきたのは、尖閣諸島の実効支配をめざす中国政府の明らかな意思表示です。これに対して日本政府が抗議し、警戒を強め、対策を行うのは、当然の責務です。

www.news-postseven.com

中国海警局は、日本の海上保安庁と並べて報じられていますが、その性格も実力も軍隊のレベルです。

日本の"海上保安庁"と中国の"中国海警局"、両国の"沿岸警備隊(Coast Guard)"の海上警備力について、米国の有力シンクタンク、米戦略国際問題研究所CSIS)の資料を元に比較し、すでに両国の海洋警備力は逆転しており、2016年以降もさらに差が開く見通しと伝えている
Anatomy of a Strategy | Asia Maritime Transparency Initiative (AMTI (Asia Maritime Transparency Initiative) - CSIS)

懸念されるのは、尖閣諸島への影響だ。
CSISによると、尖閣諸島に接近してきた中国海警局の公船の平均総トン数は、2014年は2200トンだが、15年には3200トンになったと推計した。
2015年からは新しく建造された3000トン級複数隻が主力となり、4000トン級や5000トン級も何度も確認されている。大型化と近代化が進められている。

世界最大の沿岸警備隊の公船、満載排水量12000トンと言われる「海警2901」は、まだ尖閣諸島の周辺海域に来ていないが・・・、時間の問題だろう。

pelicanmemo.hatenablog.com

昨年末から中国海警局は、連装機関砲を装備する重武装巡視船を、尖閣諸島に接近させています。明らかにプレッシャーのレベルを上げています。

2016年の正月を挟んで、中国海警局巡視船団が尖閣諸島周辺の日本接続水域を航行し、一時は日本領海内にも侵入した。

2015年のクリスマス前の12月22日から25日にかけて、中国海警局の巡視船3隻(「海警31239」「海警2307」「海警2308」)が尖閣諸島沖の日本接続水域内を航行しているのが海上保安庁により確認された。そして26日になると、これらの巡視船は日本領海内に侵入した。

さらに1月3日には、同じく中国海警局の4隻の巡視船(「海警31241」「海警2101」「海警2166」「海警2401」)が、尖閣周辺日本接続水域を航行しているのが海上保安庁によって確認された。

これらの中国巡視船のうち、「海警31239」と「海警31241」はそれぞれ連装機関砲とみられる砲塔4基を装備している重武装巡視船であった。日本のメディアはあまり取り上げていないが、アメリカ海軍関係者などの間ではこのことが問題視されている。

なぜならば、中国が尖閣周辺海域に重武装巡視船を投入したのは、今回が初めてだからである。

jbpress.ismedia.jp

 東シナ海を管轄する東海分局に配備された排水量1万2000トン、世界最大の巡視船「海警2901」が尖閣諸島に接近してきたら、海上保安庁では対抗できません。

「海警2901」は、報道によると満載排水量12000トン。AIS登録情報によると全長166m、全幅22m。
日本の海上保安庁のしきしま型巡視船(全長150m、全幅16.5m)より、ひとまわり大きい。

この超大型巡視船には76ミリ速射砲、37ミリ連装機関砲2基、対空用近接防御火器システム2基(推定)、それに2機の大型ヘリコプターが搭載されている。ミサイル発射装置や魚雷発射管こそ装備されていないものの、多くの国々のフリゲート以上の火砲を装備している“モンスター巡視船”である。

そして、中国当局やメディアが巡視船を紹介する際に見受けられるように「この巨大巡視船は、他の艦船との衝突に対する抗堪性に秀でている」ことを謳っている。巡視船が取り締まり対象船舶と衝突する事態は想定内といえるが、中国の言う衝突は、相手が軍艦であろうとも衝突して沈めてしまうことを意味しているのだ。

matome.naver.jp

海上保安庁法において、海上保安庁は軍隊の機能を営むものではないとされ、海上保安庁が非軍隊・非軍事力であることを明確に謳っている。

したがって、国家安全保障上の重要な状況において、海上保安庁防衛大臣の統制を受けることがあっても、海上保安庁自衛隊の部隊の一部として行動することは想定されていない。

海上保安庁の巡視船艇は国際上の「軍艦」には該当しない。

他方、中国の海警は中国軍を構成する軍事力(armed force)の一つと見るのが適当である。

中華人民共和国の正規軍(いわゆる中国軍)の構成要素である武警の一部であった辺防海警部隊(辺防海警)を前身の一つとし、かつ再編後も現役の武警将軍をトップとする海警司令部によって統一的に指揮を受ける中国海警の法執行部隊は、武警の一部であると見ることが妥当である。したがって中国海警も中国軍を構成する要素であると見るべきである。

米国沿岸警備隊からフィリピン海軍に譲渡された「ハミルトン」級巡視船の主砲である76ミリ速射砲と同規模の艦砲を「海警2901」が装備しているということである。76ミリ砲は敵の艦船や航空機・ミサイルを破壊・撃墜するための有力な艦砲として、多くの海軍の駆逐艦フリゲイトの主砲として装備されている。海上自衛隊護衛艦の多くも装備している艦砲である。

8月1日に中国海軍は、東シナ海の広さおよそ1万6000平方キロメートルの海域で大規模な実弾演習を行いました。

海軍トップの指揮の下、およそ100隻の艦艇や戦闘機数十機が参加した、実戦を想定した演習でした。2つの組に分かれて作戦や装備を確認したり、数種類のミサイルを発射したりしました。

私見では、日本と中国は経済的相互依存性が高く、また、日米同盟があるため、日本と中国が全面戦争をする可能性は低いと思います。

けれども、南シナ海で行ってきたように、中国が尖閣諸島でも、実効支配をめざして軍事行動をする可能性は高いでしょう。そのために中国は今、日本に対するプレッシャーのレベルを一段一段と上げて、機をうかがっているのだと思います。

日本の海上保安庁尖閣諸島の防護を固めて、中国側の上陸を防ぐことになりますが、大量の「漁船」(?)を使って攪乱を図った上で、巡視船を数十隻繰り出し、最後に「海警2901」で一気に突破するなら、海上保安庁だけでは防ぎきれないでしょう。

自衛隊や米軍は、中国側の上陸を未然に物理的に防御すべきです。中国側が尖閣諸島を占拠してから、自衛隊や米軍がそれを奪還するとなると、本格的な戦闘になりかねません。ホワイトハウスがそれを望むかどうか、今、米国は微妙な情勢ではないでしょうか。中国政府はそれを見越して、今回の演習で示威行動を見せたのでしょう。

 

東シナ海南シナ海は、諸々の条件が異なりますので、同列には論じられませんが、中国の海洋進出の政策において東シナ海南シナ海は一体的に考えられています。それは「第一列島線」を見れば、明らかです。

toyokeizai.net

東シナ海日中中間線付近におけるガス田開発でも、中国は構造物にレーダーを設置しました。これは軍事利用が目的でしょう。東シナ海においても中国政府は、実効支配の領域をなし崩し的に拡大していくつもりでしょう。


このような情勢において何よりも重要なことは、日本が「尖閣諸島も沖縄も日本国の領土である。絶対に中国に渡しはしない」と強い意思を示すことです。黙っていたら、「奪って良いのだな」と勝手な解釈をして奪う輩もいるのです。中国はまさにそれです。

その意味において、ファーストレディーがこの時機に沖縄に乗り込んでいったことは、中国に対する牽制として十分に意義があったと思います。

www.okinawatimes.co.jp

米国務省のトルドー報道部長は9日と10日の定例記者会見で、「尖閣諸島に対する日本の施政権を損ねようとする、いかなる一方的な行動にも反対する」と明言し、尖閣諸島が1972年の沖縄返還以来、日本の施政下にあり、日米安全保障条約の適用される範囲であることを示しました。

 

接続水域にとどまっていた中国公船9隻は、11日朝までに退去しました。

 そして折りも折り、11日早朝に、魚釣島の北西67キロあたりで中国の漁船とにギリシャ船籍の貨物船が衝突して、海上保安庁の巡視船が中国漁船の乗組員を救助するという事故が起こりました。

11日早朝、尖閣諸島西の公海上で、ギリシャ船籍の大型貨物船「アナンゲル カレッジ」(10万6722トン)と、中国漁船「閩晋漁(みんしんりょう)05891」が衝突した。第11管区海上保安本部の巡視船が中国漁船の男性乗組員6人を救助した。命に別条はない。漁船は沈没したとみられ、11管が残りの乗組員8人の捜索を続けている。貨物船の乗組員23人は全員無事だった。

中国漁船乗組員の救助を行う第11管海上保安本部の職員=11日8時10分、魚釣島沖(提供)

 外務省は、外交ルートを通じて救助を中国政府に伝え、中国側は謝意を表明した。

 11管によると、同日午前5時32分ごろ、尖閣諸島周辺海域で領海警備中の海保巡視船が、ギリシャ貨物船の遭難通信を受信。巡視船と航空機が魚釣島の北西約67キロの公海に向かい、付近で貨物船を発見した。衝突時、貨物船は中国からオーストラリアに向けて航行中で、漁船は漁網の引き揚げ作業中だったという。公海上での操業で違法ではない。

 11管によると、衝突当時、現場近くの海域には、中国公船6隻が航行していたという。

 救助された漁船の乗組員6人は、石垣航空基地所属の海保ヘリで石垣市内へ運ばれ、病院へ搬送された。うち2人は発熱や胸の痛みがあるという。

www.okinawatimes.co.jp

 この件について中国政府は日本政府に公式に謝意を伝えました。これで、日本側が苦慮してきた、中国船の尖閣諸島周辺での航行に、ブレーキがかかると良いのですが。

 

中国国内のネットでは、日本側の救助に謝意を示す意見が多く見られる一方で、「なぜ中国側の公船が救助しないのか」という疑問の声が見られた。中国は尖閣諸島の領有権を主張しているにもかかわらず、乗組員6人の救助を日本の海保が行ったことに納得がいかなかったようだ。

news.search

中国漁船乗組員、尖閣沖で日本海保に救助される=中国ネット... -- Record China

bylines.news.yahoo.co.jp

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