1.アメリカのねらい
今日から日本もTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement 環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉に参加します。
「TPPでアメリカが標的としているのは、日本の市場である」という指摘を、よく見聞きします。
TPP交渉参加国の経済力を比較するならば、これは明白です。
自分の国の利益を追求するのは、資本主義=自由競争=市場経済の世界において「善」であり、当たり前のことです。
企業の役員が、自分の企業の利益に反する行動を意図的に行った場合、背任行為として責任を問われます。
大統領や首相、政府、与党とて同じことです。
2.日本の立場
中国をはじめアジアの新興国が経済力を著しく増大させているため、日本経済に対する影響力は、欧米からアジアに重心がシフトしています。
しかし、アメリカの軍事力によって守られているこの国が、経済だけ独立・自律するなどということは、許されるはずがありません。
太平洋戦争の敗戦以後、68年もの間、日本の国防・安全保障は、米国の軍事力に依存してきたのです。
「富国強兵」反対、「憲法改正」反対、「TPP」反対、「原発」反対、「国旗国歌」反対、「靖国参拝」反対。
こういった主張をする人たちは、これらの主張が矛盾しているということを、理解しているでしょうか?
ただ「反対」しているだけでは、国民の理解や支持は得られず、旧「社会党」と同じ運命を辿るだけです。
今回の参院選で敗北した野党は、政策の見直しが必須です。
3.世界の変化
確かに、現代の世界は、大きく変化しています。
東西冷戦の終結が、グローバルな市場経済を生み出しました。
インターネットをはじめとする、IT技術の発達によって、地球は狭くなりました。
米ソ二極構造から米国の一極支配に移行するかと思いきや、今日の世界は、米国にも制御できない多極化・多元化の様相を濃くしています。
核兵器の拡散、組織的なテロリズムの広がり、民族紛争など、危険な火種が世界中至る所にあります。
日本をはじめ先進諸国では、少子高齢化が進行し、財政赤字・累積債務が深刻なレベルに達しています。
その一方で、貧困と人口爆発に悩む国々があります。
地球環境が人類の生み出すストレスにどこまで耐えられるか、心配されています。
地球温暖化と砂漠化は、どんどん進行しています。
4.政治のオルタナティブ
このような変化に対応できる、クリエイティブで、オルタナティブな政治を、いま、我が国も世界も必要としています。
それをめざして、政権交代可能な政党として「民主党」を作ったはずですが、残念な結果になっています。
与党=自民党+公明党とて、旧態依然とした体制や政策ではこの先やっていけません。
デトロイト市の惨状を、皆さん、見ているでしょう。
「TPPに参加したら、日本はアメリカに負けて、大変なことになる。デトロイトの話は他人事では無い」。
本当にそうでしょうか?
違う可能性もあると考えて、経済的な戦いや政治的な戦いの備えをしている人たちも大勢いるはずです。
5.日本の底力
幕末に、欧米との力の差を見せつけられ、不平等条約を押しつけられて開国した日本。
その国が、40年後に、日露戦争(明治37年~38年)でロシアを破った!
あの奇跡を再現する力が、我々日本人にはあるはず!!
もちろん軍事的な戦争は、しちゃなりません。
けれども、TPPで全面的な関税撤廃=自由競争を避けられないとなったなら、その競争には勝つしかない。
「TPPで得をしたのは日本、損をしたのはアメリカ」ってことも有り得ますぞ!
日本を、甘く見たら、いかんぜよ v(^o^)v
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130723/k10013221241000.html