ローザンヌ誓約とジョン・ストットが指し示したもの
【ローザンヌ誓約】
http://www.lausanne-japan.org/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%8C%E8%AA%93%E7%B4%84
【FB推薦図書】
ジョン・ストット著、宇田進訳『現代の福音的信仰-ローザンヌ誓約』いのちのことば社、1974年
ジョン・ストット著、有賀寿訳『地の塩世の光(キリスト教社会倫理序説)』すぐ書房、1986年
ジョン・ストット著、油井義昭訳『地には平和(キリスト教と核・環境・南北・人権問題)』 すぐ書房、1988年
私は「ローザンヌ誓約」を基本的に支持しております。その「第5項 キリスト者の社会的責任」には、次のように書かれています(抜粋)。
<たしかに人間同志の和解即神との和解ではない。社会的行動即伝道ではない。政治的解放即救いではない。しかしながら、私たちは、伝道と社会的政治的参与の両方が、ともに私たちキリスト者のつとめであることを確認する。なぜなら、それらはともに、私たちの神観、人間観、隣人愛の教理、イエス・キリストヘの従順から発する当然の表現にほかならないからである>
<人がキリストを受け入れる時、その人は再生して神の国に入れられるのであり、この不義の世界の真只中で、ただ単に神の正義の何たるかを鮮やかに示すのみでなく、それを押し広めて行かなければならない。私たちが主張する救いは、私たちの個人的責任と社会的責任の全領域において、私たち自身を変革して行くものである。行いのない信仰は死んだものである>
<使徒17・26、31、創世18・25、イザヤ1・17、詩篇45・7、創世1・26、27、ヤコブ3・9、レビ 19・18、ルカ6・27、35、ヤコブ2・14-26、ヨハネ3・3、5、マタイ5・20;6・33、IIコリント3・18、ヤコブ2・20>
(1) 聖書の教えを学び、実行すること(聖書的な信仰)
(2) イエス・キリストに従って生きること(霊的な生きた信仰)
(3) 福音主義の信仰に立つキリスト者であること(歴史的・正統的・教会的な信仰)
これらは本来、一体であり、社会との積極的な関わりを必然的に伴うはずです。
キリスト者の社会的活動において問題が生じるのは、この三つの原則が守られず、バラバラに遊離して、社会的活動が独り歩きをするからではないでしょうか。
現代の国際的な福音主義の運動である「ローザンヌ運動」のリーダーであったジョン・ストットの著書を読むと、そのバランスと一体性が重要であることを再認識させられます。
購入することが困難な稀少本ですが、教会、神学校、図書館等で借りることはできるでしょう。ご一読をお薦めいたします。
ジョン・ストットは英国国教会の牧師であり、聖書学者・神学教師として卓越した業績を残しています。
彼は、伝統的な福音主義の教理と倫理を重視しつつ、現代の社会問題について聖書的・神学的・歴史的・実際的に注意深く考察を重ねています。
ストットは、国家が持つ「剣の権能」と「正義のための戦争」を認めていますが、それらは厳重に抑制すべきであり、非戦闘員を含む無差別な殺戮を行う核兵器の使用は正当化できない、と説いています。