KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

悪いパン種

f:id:nozomu-kanai:20070307131132j:plain

http://hayashihiroko.net/?p=460

 

2018年2月4日 顕現後第5主日 礼拝説教
************************
【聖書朗読】マタイの福音書16章1〜12節

マタイ 16.1-28

【説教題】「悪いパン種」金井 望 牧師

【中心聖句】

「パリサイ人やサドカイ人のパン種には注意して気をつけなさい」。
彼らはようやく、イエスが気をつけよと言われたのは、パン種のことではなくて、パリサイ人やサドカイ人の教えのことであることを悟った。
(マタイ16:5,12)

************************


2018年2月4日礼拝説教

 

【説教要旨】

 

 紀元後1世紀前半においてユダヤ人社会には、二つの指導的な集団があった。パリサイ派サドカイ派である。

 パリサイ派中流階級の手工業者が中心となっており、各地の会堂や学校の指導をしていた。彼らは律法(トーラー)を順守することに執着して、過剰な戒律を生み出し、それを守らない人々を、会堂から締め出していた。

 サドカイ派は、エルサレムの神殿を中心とする、祭司ツァドクの家系に連なる富裕な貴族である。

彼はわたしに言った。「南の方へ向いている部屋は、神殿の務めを行う祭司のためである。北の方へ向いている部屋は、祭壇の務めを行う祭司のためである」。彼らはツァドクの子らであり、彼らだけが、レビ人の中で、主に近づいて仕えることが許される。(エゼキエル40:45-46)

 最高議会(サンヘドリン)の議員は、サドカイ派が多数を占めていた。彼らは律法(トーラー)のみを聖典と認め、他のユダヤ教文書や口頭伝承を認めなかった。彼らは合理的な思考を持っており、天使や悪霊の存在、死者のよみがえりを否定した。彼らは世俗の権力に追従し、ヘレニズムの文化侵略やローマ帝国の支配に対して妥協した。

 パリサイ派サドカイ派は対立していたが、イエスを殺害するという目的において一致した。そこで、彼らは<そばに寄って来て、イエスをためそうとして、天からのしるしを見せてくださいと頼んだ>。主イエスが神の遣わしたメシア(救い主)であることは、為された御業によって明らかに認められるのだが。

 エスは言われた、「あなたがたは、夕方には、『夕焼けだから晴れる』と言うし、朝には『朝焼けでどんよりしているから、きょうは荒れ模様だ』と言う。そんなによく、空模様の見分け方を知っていながら、なぜ時のしるしを見分けることができないのですか。……しかし、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられません」。

 「ヨナのしるし」すなわち復活は、イエスが神の御子キリストであることを証明する決定的なしるしである(12:39-41)。

 イエスは彼らを残して立ち去った。そして、湖の対岸に行くと、弟子たちにこう言われた、

パリサイ人やサドカイ人たちのパン種には注意して気をつけなさい

 異邦人の地を旅行するユダヤ人は、穢れたパンを食べないようにと自分でパンを携帯した。それを忘れたことを叱っておられるのか、と弟子たちは考えて、争論となった。イエスは「信仰の薄い人たち」と言って、彼らを一喝した。パンの奇蹟を二度も見ながら、主の全能を信じないとは。

 それはパンのことではないと、主イエスが説明した。<彼らはようやく、イエスが気をつけよと言われたのは、パン種のことではなくて、パリサイ人やサドカイ人の教えのことであることを悟った>。

 初代教会にとって最大の迫害者はユダヤ主義者であり、ユダヤ教からの脱皮が最大の課題であった。わずかなパン種がパン全体を膨らませる。現代のキリスト教ではユダヤ的・ヘブライ的な解釈がもてはやされているが、福音に反する教えは決して受容してはならない。

ユダヤ人だと自称しているが、実はそうでなく、かえってサタンの会である人たちから、ののしられていることも知っている。ヨハネ黙示録2:9)

見よ。サタンの会衆に属する者、すなわち、ユダヤ人だと自称しながら実はそうでなくて、うそを言っている者たちに、わたしはこうする。ヨハネ黙示録3:9)

 偽物は本物に似ているが、惑わされないように真偽を見分ける者となりたい。 

新約聖書の周辺世界 (NTD補遺)

新約聖書の周辺世界 (NTD補遺)

 
イエスは何語を話したか?―新約時代の言語状況と聖書翻訳についての考察

イエスは何語を話したか?―新約時代の言語状況と聖書翻訳についての考察

タルムードの中のイエス

タルムードの中のイエス

 

kanai.hatenablog.jp

kanai.hatenablog.jp

kanai.hatenablog.jp

kanai.hatenablog.jp

kanai.hatenablog.jp