2020年5月10日 復活節第5主日礼拝(母の日)
日本バプテスト同盟 寝屋川キリスト教会
■聖書朗読 使徒言行録1章12~14節
使徒たちは、「オリーブ畑」と呼ばれる山からエルサレムに戻って来た。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある。彼らは都に入ると、泊まっていた家の上の部屋に上がった。それは、ペトロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、フィリポ、トマス、バルトロマイ、マタイ、アルファイの子ヤコブ、熱心党のシモン、ヤコブの子ユダであった。彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。
■説教「母の祈り」金井 望
今日は母の日です。主イエスの母マリアの信仰に学びたく思います。
天使ガブリエルがマリアに「あなたは身ごもって男の子を産みます。その子はいと高き神の御子です」と告げたとき、マリアは驚き、戸惑いました(ルカ1:26-34)。ヨセフと婚約しているのに、妊娠したら、姦淫の罪で大変なことになる――と彼女は知っていました。この時マリアはまだ14歳くらいの少女です。けれどもマリアは聖書をよく学んでおり(ルカ1:46-55)、従順で勇敢な信仰を持っていました。彼女は応えて言いました、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」(ルカ1:38)。この祈りは、主イエスが十字架刑の前夜にゲツセマネで祈った祈りに似ています。「わたしの願いではなく、御心のままに行ってください」(ルカ22:42)。
主イエスには弟が4人、妹がふたり以上いました(マルコ6:3)。主イエスは30歳を過ぎてから公の宣教活動を開始されましたが、それまではナザレの村で大工として働いて、母と弟たち妹たちを養っておられました。母マリアはイエスが神の遣わしたメシア(キリスト、救世主)であることを知っており、イエスがカナで行った最初の奇跡にも関わっていました(ヨハネ2:1-11)。しかし、兄弟たちは兄イエスがメシアであることを信じていませんでした(ヨハネ7:5)。それどころか「イエスは気がおかしくなっている」(マルコ3:21)と思っていたのです。彼らの誤解に母マリアは悩んだでしょう。
紀元30年の春、母マリアはエルサレムのゴルゴタの丘まで主イエスに従い、愛する息子の十字架刑を見届けました(ヨハネ19:25-27)。その数日後、イエスの弟ヤコブは復活したイエスにお会いして、兄イエスが神の御子キリストであることを信じました(第一コリント15:7)。そして、主イエスが天に昇られた後、〈兄弟たち〉もイエスの弟子集団に加わり、熱心に祈ったのです(使徒1:14)。母マリアは、どれほど喜んだことでしょう。
その後、主イエスの弟であるヤコブは、エルサレム教会のリーダーとなりました(ガラテヤ1:19、2:9)。彼が書いた「ヤコブの手紙」が新約聖書に収められています。また主イエスの弟ユダが書いた「ユダの手紙」も新約聖書に収められています。母マリアの信仰と祈りと教育が、彼らの働きの基礎を造っていたのでしょう。
神は、母親の祈りを聴いておられ、母親の悩みを理解して、その願いに応えてくださいます。主に信頼して、子や孫のために祈り続けましょう。