桜咲く 春の陽気に 浮かれてる ウブな学徒に 魔の手が伸びる
「カルト」と言われる集団があることは、誰でも知っているでしょう。しかし、「カルトって何ですか?」と尋ねられたら、答えることができるでしょうか?
カルトは宗教集団だけではありませんが、宗教性を持った集団が多数を占めます。われわれ日本人にとって宗教は、神社や寺院、教会、学校、結婚式、葬式、祭り、神棚、仏壇などで馴染みがあるものです。では、伝統的で一般的な宗教とカルトは、何が違うのでしょうか?「カルト」の定義は多種多様ですが、法的には「反社会性」を基準とする国が多いようです。
たとえば、「世界基督教統一神霊協会」という典型的なカルト集団があります。いわゆる「統一教会」(統一協会)です。「原理研究会」、「原理運動」といった名でも知られています。
「基督教」という名が付いていますが、伝統的なキリスト教会で、この集団をキリスト教の一派と認めるところはありません。なぜなら、統一教会では、教祖・文鮮明がキリストであると教えており、聖書やキリスト教の伝統的な教義から完全に逸脱した『原理講論』を教えの基準としているからです。
統一教会は、信者をマインドコントロールして、隷属させます。統一教会の信者は、「地上天国」を実現するために、地上のすべてのものを統一教会の所有とする「万物復帰」を実行しています。「霊感商法」として知られる違法な訪問販売も、その一部です。
このようなカルトに入るのは、何か特別な事情がある人たちでしょうか。いいえ、ごく普通の人たちです。統一教会などカルトが一番の標的にするのは、大学生とりわけ新入生です。これからの時期は特に、大学の内外で勧誘活動が盛んになされるでしょう。
宗教やカルト問題の知識が乏しいと、どんなに賢い学生でも、引き込まれてしまいます。カルト宗教にハマると、大学はおろか、一生を台無しにしかねません。
ところが、公教育の場で、宗教やカルト問題を正確に教えることができる教師は、極めて少ないのが、実情です。高校で世界史や倫理を教える教師でさえ、実に怪しい。そもそも教科書や参考書に、誤った記述が少なからずある始末です。日本の高校や大学でぜひ、宗教とカルト問題の基礎知識を学べるようにしていただきたく願います。
宗教は、人類の歴史に常に伴うものであり、「人間」の定義に関わる本質的なものです。宗教心は普遍的に存在します。宗教心を悪用して、人々の人権を著しく侵害し、社会の安定を脅かすカルトの存在と活動を、許してはいけません!
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