KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

キリスト

二王国論は間違いか?

Michelangelo "Viimne kohtupäev", Sixtuse kabeli lagi, 1536–1541 1.二王国論とキリスト王権論近年、日本で盛んになった福音派の社会運動に関して、問題の焦点がどこにあるのか、最近いくらか見えてきたように思う。なぜキリスト者・教会・超(協)教派団…

心の貧しい人は幸いか

ルドルフ・イェーリン「シュヴァルツバルトの山上の説教」 【比較研究】 マタイによる福音書5章3節の和訳について https://biblehub.com/interlinear/matthew/5-3.htm http://www.bbbible.com/bbb/bbbmt05a.html <Greek> Μακάριοι οἱ πτωχοὶ τῷ πνεύματι…

戦争と平和をめぐる諸問題について

第6回日本伝道会議 神戸アナロギア社会委員会 研究発表「戦争と平和をめぐる諸問題について」レジュメ 金井 望(日本イエス・キリスト教団神戸大石教会 牧師) 日時 2015年7月21日(火)午後4時から 場所 活けるキリスト一麦西宮教会 【はじめに】 今回は…

ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】(1)

V.ヴァイタ著『ルターの礼拝の神学』【要約】 Vilmos Vajta 博士はハンガリーに生まれ、スウェーデンで学び、ドイツ・ストラスブールにあるルーテル世界連盟のエキュメニカル・インスティテュートの主事として活躍した人物である。彼が“Die Theologie des G…

【ブックガイド】竹下節子著『キリスト教の真実』

【ブックガイド】 キリスト教の真実―西洋近代をもたらした宗教思想 (ちくま新書) 作者: 竹下節子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/04 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (5件) を見る いい加減な内容のキリスト教批判本…

天国は一つしかない!

1.天国は一つ天国は一つしかありません。カトリック専用天国とか、プロテスタント専用天国とか、日本イエス・キリスト教団専用天国とか、そんなものはありません。アメリカ人専用天国とか、韓国人専用天国とか、日本人専用天国とか…ありません。お金持ち用…

「ここに愛がある」第一ヨハネ4:7~12

【金言】私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。(第一ヨハネ4:10) 1.愛する者たちよ 老使徒ヨハネは、弟子や信徒を我が子のように愛しました。ヨ…

日本の伝道と教会形成について

1.伝道至上主義の問題 私は、日本のキリスト者の皆様に、「伝道至上主義」の間違いに気づいていただきたい、という個人的な願いを持っています。それは、伝道の重要性を否定するということではありません。伝道至上主義の弊害を克服して、より良い宣教と教…

今、日本の政治を考える(1)

1.政治という作業政治や行政というものは、日々緊迫した問題が次々に発生する国際社会と国内社会の現実に向き合って、様々なファクターを考慮し計算し連絡・調整・協議を重ねて決断を下し、問題を処理していく仕事です。白か黒か、賛成か反対か、正か誤か…

俳句集(自作)

✿❀✿ 春 ✿❀✿ 雪溶けて 顔を覗かす 蕗の薹(フキノトウ) 雪解けの 冷たき水も 春歌う 三笠山 覆う 若草 春は来ぬ 春風よ 今年は何を 運ぶのか 桜散る 葉桜もまた 桜なり 梅雨に濡れ なお艶やかな 紫陽花(あじさい)よ 紫陽花の 色は変われり 夏近し ✿❀✿ 夏 ✿…

福音主義における聖書釈義について(JETS研究会議 感想)

日本福音主義神学会 第14回全国神学研究会議テーマ:「福音主義神学、その行くべき方向 - 聖書信仰と福音主義神学の未来 -」 Evangelical Theology, Where Should We Be Going ?日 時:2014年11月4日(火)〜11月6日(木)会 場:関西聖書学院(奈良県生駒市…

「滅びの奴隷」第二ペテロ2:12〜22

【金言】彼らは、むなしい大言壮語を吐いており、誤った生き方をしていて、ようやくそれをのがれようとしている人々を肉欲と好色によって誘惑し、その人たちに自由を約束しながら、自分自身が滅びの奴隷なのです。 (ペテロの手紙第二 2:18~19) 1.理性…

「復活の希望」テサロニケ第一 4:13~18

【金言】それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いつまでも主とともにいることになります。(テサロ…

「滅びをもたらす異端」ペテロ第二 2:1~14

【金言】彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。(第二ペテロ2:1) 1.偽教師の出現 この手紙が書かれた頃に教会をかき乱してい…

「みことばに目を留めて」 ペテロ第二 1:12~21

【金言】私たちは、さらに確かな預言のみことばを持っています。夜明けとなって、明けの明星があなたがたの心の中に上るまでは、暗い所を照らすともしびとして、それに目を留めているとよいのです。 (ペテロ第二 1:12~21) 1.偽教師の出現 この手紙が書…

「神の召しと選び」ペテロ第二1:1~11

【金言】ですから、兄弟たちよ。ますます熱心に、あなたがたの召されたことと 選ばれたこととを 確かなものとしなさい。(ペテロ第二 1:10) 1.ペテロの遺言 この書は、使徒ペテロが紀元66年頃にローマで書いた手紙=回覧状と思われる。宛先は「ペテロの…

「牧者の心」ペテロ第一 5:1~14

【金言】 あなたがたのうちにいる、神の羊の群れを、牧しなさい。強制されてするのではなく、神に従って、自分から進んでそれをなし、卑しい利得を求める心からではなく、心を込めてそれをしなさい。(第一ペテロ5:2) 1.牧羊の使命 主イエスは復活され…

「火の試練」ペテロ第一4:12~19

【金言】しかし、キリスト者として苦しみを受けるのなら、恥じることはありません。 かえって、この名のゆえに神をあがめなさい。 (Ⅰペテロ4:16) 1.愛する者たちよ! 「愛する者たち」。この手紙はシルワノが代筆したものだが、このひと言の呼びかけに…

「主の裁きに備えよ」ペテロの手紙第一 4:1~11

【金言】万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい。 (Ⅰペテロ4:7、10) 1.自分自身を武…

「よみの征服・天への凱旋」ペテロ第一3:18~22

【金言】 その霊において、キリストは捕らわれの霊たちのところに行って、みことばを語られたのです。(ペテロ第一3:19) キリストは天に上り、御使いたち、および、もろもろの権威と権力を従えて、神の右の座におられます。(ペテロ第一3:22) 1.身代…

ペテロ第一書の霊的な世界観とキリストによる贖いについて

「ペテロの手紙第一」は、霊的な階層的世界観を前提として書かれています。その階層とは、(1) 天上の世界 (2) 地上の世界 (3) 地下の世界(よみ)です。 イエス・キリストは、これらすべてを包括的に贖っておられます。 1.イエス・キリストは、永遠のはじ…

「妻として、夫として」ペテロ第一 3:1~7

【金言】 妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。 夫たちよ。妻が女性であって、自分よりも弱い器だということを わきまえて 妻とともに生活し、いのちの恵みを ともに受け継ぐ者として 尊敬しなさい。 (ペテロ第一3:1、7) 神の民とされた我々キリスト者…

自分らしく神に従う(ルター「聖ヨハネ祭の福音書」説教・要約)

ペトロは彼を見て、「主よ、この人はどうなるのでしょうか」と言った。イエスは言われた。「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか。あなたは、わたしに従いなさい」(ヨハネ21:21-22) キリストがす…

「キリストにならって」ペテロ第一2:13~25

【金言】キリストも、あなたがたのために苦しみを受け、その足跡に従うようにと、あなたがたに模範を残されました。(ペテロ第一2:21) キリストの贖いのわざによって、私たちは天にいます父の子とされ、天国の国民とされた。そして、神と人々を結ぶ祭司の…

「聖なる祭司」ペテロ第一2:1~12

【金言】あなたがたも 生ける石として、霊の家に築き上げられなさい。そして、聖なる祭司として、イエス・キリストを通して、神に喜ばれる霊のいけにえをささげなさい。(ペテロ第一2:5) 1.神の民 この手紙の受取人は、大部分が異邦人である。彼らは神…

「聖なるもの」ペテロ第一1:13~25

【金言】あなたがたを召してくださった聖なる方にならって、あなたがた自身も、あらゆる行いにおいて聖なるものとされなさい。(Ⅰペテロ1:15) 私たちがキリストによる救いにあずかったのは、私たちの思いを遙かに超えた、神の計画によることである。それ…

「聖霊のバプテスマ」について

1.キリスト教用語としての「聖霊のバプテスマ」19世紀から20世紀にかけて、欧米のリバイバル運動やホーリネス運動、ペンテコステ運動で「聖霊のバプテスマ」という表現がよく用いられ、その体験が重視されました。日本のきよめ派(ホーリネス派)や聖霊派…

ただ一つの道(ヨハネ14:1~14)

【金言】わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。 (ヨハネ14:6) 1. 天にある父の家 主イエスは敵に捕らえられる前に、弟子たちに、その後の彼らの歩みのために必要な訓…

小島伊助 名言集

バックストン、ウィルクスに代表される松江バンド、日本伝道隊、そして日本イエス・キリスト教団の信仰の本質を、教団初代委員長・小島伊助師はズバリ断言しています。 「福音とはただ教理だけではない。福音とは何であるか、すなわち御子イエス・キリストで…

聖霊を受けよ(ヨハネ20:19-23)

【金言】聖霊を受けなさい。 あなたがたがだれかの罪を赦すなら、その人の罪は赦され、 あなたがたがだれかの罪をそのまま残すなら、それはそのまま残ります。 (ヨハネ20:22~23) 1. 安かれ イエス・キリストが復活された日曜日の夕方、弟子たちは家に隠…