KANAISM BLOG ー真っ直ぐに行こうー

聖書のメッセージやキリスト教の論説、社会評論などを書いています。

東方の博士たちって何者?(西洋精神史の地下水脈)

f:id:nozomu-kanai:20161227132220j:plain■ジョルジョーネ「東方三博士の礼拝」 1507年

 

  1.東方の博士たちって何者?

 

新約聖書「マタイによる福音書」の2章に不思議な人物が登場します。2:1~2、11節を引用します。

◆新改訳(1970年)

1 イエスが、ヘロデ王の時代に、ユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、見よ、東方の博士たちがエルサレムにやって来て、こう言った。
2 「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。私たちは、東のほうでその方の星を見たので、拝みにまいりました。」

11 そしてその家にはいって、母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。そして、宝の箱をあけて、黄金乳香没薬を贈り物としてささげた。
12 それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った。

◆新共同訳(1987年)
1 イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、
2 言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので拝みに来たのです。」

11 家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金乳香没薬を贈り物として献げた。

12 ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

この東方から来た博士たちも、クリスマス・ページェント(生誕劇)に登場する花形スターですね。<博士たち>は新共同訳では<占星術の学者たち>と訳されています。原語(ギリシア語)は「マゴス magos」の複数形「マゴイ magoi」です。「マゴス」は英語では「マギ magi」となり、「マジック magic」や「マジシャン magician」の語源にもなっています。元来これはゾロアスター教の祭司を指す語です。東方の博士たちは、天体を観測する天文学者=占星術師であり、乳香や没薬を扱う薬学者だったのでしょう。彼らは旧約聖書を部分的にでも持っていたはずです。ダニエル書は、東方の賢者たちに知られていたでしょう。異邦人・異教徒がユダヤに生まれたメシアを礼拝したというのが、マタイ福音書の伝える大事なメッセージです。イエスはあらゆる国々の民を治める王となられるからです(マタイ28:18-20)。

 

■Century Dictionary, Vol. V, Page 3572, Magic to Magistery

f:id:nozomu-kanai:20161227123046j:plain

出典:Thayer's Greek Lexicon

μάγος, μαγου, ὁ (Hebrew מַג, plural מָגִים


; a word of Indo-Germanic origin; cf. Gesenius, Thesaurus, ii., p. 786; J. G. Müller in Herzog viii., p. 678; (Vanicek, Fremdwörter, under the word; but the word is now regarded by many as of Babylonian origin; see Schrader, Keilinschriften as above with 2te Aufl., p. 417ff))
; from Sophocles and Herodotus down; the Sept. Daniel 2:2 and several times in Theod. ad Dan. for אַשָׁף; a magus; the name given by the Babylonians (Chaldaeans), Medes, Persians, and others, to the wise men, teachers, priests, physicians, astrologers, seers, interpreters of dreams, augurs, soothsayers, sorcerers etc.; cf. Winers RWB, under the word; J. G. Müller in Herzog, the passage cited, pp. 675-685; Holtzmann in Schenkel iv., p. 84f; (BB. DD., under the word ). In the N. T. the name is given:

1. to the oriental wise men (astrologers) who, having discovered by the rising of a remarkable star (see ἀστήρ, and cf. Edersheim, Jesus the Messiah, i. 209ff) that the Messiah had just been born, came to Jerusalem to worship him: Matthew 2:1, 7, 16.

2. to false prophets and sorcerers: Acts 13:6, 8,cf. 8:9,11.

占星術の起源 (ちくま学芸文庫)

占星術の起源 (ちくま学芸文庫)

 
占星術―その科学史上の位置 (朝日文庫)

占星術―その科学史上の位置 (朝日文庫)

 
この続きはcodocで購入